2023年9月1日

【来春延伸開業】東日本旅客鉄道・西日本旅客鉄道北陸新幹線、金沢~敦賀間の延伸開業に伴う運転概要が決定

2023年8月30日、東日本旅客鉄道と西日本旅客鉄道が北陸新幹線金沢~敦賀間の延伸開業を2024年3月16日(のダイヤ改正)とすることを発表しました。なお東京~長野間のみ運転の『あさま』以外の列車愛称が敦賀まで延伸されることとなっています。
▲北陸新幹線は延伸開業区間でも長野新幹線車両センター(幹ナシ)のE7系・白山総合車両所のW7系(金ハク)で運用される。金沢~敦賀間では『かがやき』・『はくたか』・『つるぎ』の各列車が運転される。『かがやき』は延伸区間の途中福井のみ停車のタイプと、延伸区間の途中停車駅にも停車するタイプ、富山~金沢間運転の『つるぎ』は延伸区間で速達タイプ(途中福井のみ停車)・各駅停車タイプの各列車が設定され、同区間を各駅停車となる列車は敦賀発着の『はくたか』と各駅停車タイプの『つるぎ』となる。
▲北陸新幹線延伸開業により、並行在来線の西日本旅客鉄道北陸本線金沢~敦賀間は大聖寺を境に石川県側はIRいしかわ鉄道、福井県側はハピラインふくいという第三セクターに移管される予定となっている。このため、同区間での特急列車の運転が終了となるほか、敦賀では新設の特急専用ホーム(31番のりば~34番のりば)に発着する予定となっている。

北陸新幹線金沢~敦賀間の途中停車駅は小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふで、全列車停車駅は途中の福井のみです。列車愛称は『かがやき』・『はくたか』・『つるぎ』の3つと変わりません(『あさま』は引き続き長野発着のまま)。

最速達タイプの『かがやき』は東京~金沢間の1往復を除く9往復が敦賀まで延伸され、上野に一部が停車(一部通過)、金沢~敦賀間で福井のみ停車の『かがやき』が5往復、上野停車・金沢~敦賀間の途中駅一部に停車(一部通過)の『かがやき』が4往復となり、福井を除く延伸区間の途中停車駅には各2往復ずつ『かがやき』が停車予定となっています。敦賀延伸開業後も金沢発着の『かがやき』は残ります。初電車または最終列車付近で金沢発着の『かがやき』がある程度と見たほうがいいでしょうか。ただし臨時列車の設定がある場合はその限りではありません。

長野~金沢間で各駅に停車(一部は飯山を通過)する『はくたか』は14往復のうち5往復が敦賀まで延伸され、延伸区間でも各駅に停車となります。敦賀発着の『はくたか』は上越新幹線と分岐する高崎にはすべて停車しますが、軽井沢と上田は一部が停車(一部通過)、佐久平は敦賀発着の全列車が通過となるほか、金沢発着で残る9往復の『はくたか』は高崎には一部が停車(一部通過)、軽井沢と上田はすべて停車します。佐久平にも金沢発着の『はくたか』の一部が停車しますが、敦賀直通の全列車は佐久平通過となるため、金沢~敦賀間の新幹線停車駅と佐久平を新幹線で相互移動するには、少なくとも1回(長野・富山・金沢のいずれかの各駅で)の乗り継ぎが必要になります。金沢~敦賀間では後述する速達タイプの『つるぎ』が設定されるため、区間運転でありながら速達タイプの『つるぎ』と、東京に直通するが延伸区間の各駅に停車する『はくたか』でねじれ現象が起こるのは珍しいですねぇ(『はくたか』が『つるぎ』より列車種別が上位と仮定した場合)。なお1往復の『はくたか』は新幹線車両センター入出庫の関係の列車(長野~金沢間の運転)でこの区間は各駅に停車します。

富山以西で運転される『つるぎ』は富山発着の全列車が敦賀まで延伸されるほか(18往復)、延伸区間のみを運転する金沢発着(7往復)が新設され、両駅発着列車ともに、延伸区間の福井のみに停車の速達タイプと延伸区間の各駅に停車する各駅停車タイプが設定されます。朝夜時間帯に運転の『つるぎ』5本を除く全列車が敦賀で新設の特急ホームに発着する特急列車(『しらさぎ』・『サンダーバード』)に接続します。基本的には富山発着の各駅停車タイプが13往復と多いですが(富山発着の速達タイプは5往復)、金沢~敦賀間発着の『つるぎ』は出入庫を兼ねるものもありますが、各駅停車タイプ(3往復)よりも速達タイプ(4往復)の方が多く設定されます。延伸区間の『かがやき』は一部延伸区間の途中駅にも停車、『はくたか』は各駅に停車するのに対し、延伸区間の『つるぎ』の速達タイプは福井以外は通過となるため、『つるぎ』の各駅停車タイプを除き、列車種別と停車駅のねじれ(『かがやき』『はくたか』が『つるぎ』より列車種別が上位と仮定した場合)が起きています。なお特急と接続しない『つるぎ』は富山~敦賀間・富山~金沢間で2本ずつ、金沢~敦賀間で1本のみとなります。

北陸新幹線の延伸開業に伴って北陸本線金沢~敦賀間が大聖寺を境に石川県側はIRいしかわ鉄道、福井県側はハピラインふくいに移管され、同区間および敦賀~七尾線和倉温泉間での特急列車(『しらさぎ』・『サンダーバード』、和倉温泉発着は『サンダーバード』のみ)の運転が終了となります。七尾線和倉温泉に直通する『サンダーバード』も消滅となります。また北陸新幹線との接続がない『しらさぎ』、平日運転の通勤特急としての役割を果たす『おはようエクスプレス』(21M列車)・『おやすみエクスプレス』(22M列車)、『しらさぎ』が運転されない時間帯の金沢~福井間を補完する特急列車『ダイナスター』の運転が終了となります。『しらさぎ』は北陸新幹線とのリレー特急のような形がとられますね。