2022年6月28日、総合車両製作所横浜事業所より東急電鉄5000・5050系0番台5166F(8両固定編成)から改番された4000番台4112Fのうち8両と、無塗装の中間増備車2両の合計10両が総合車両製作所横浜事業所を出場し、長津田検車区まで甲種輸送されました。
▲2022年3月に総合車両製作所横浜事業所に入場した5000・5050系0番台5166F。同編成がなんと無塗装の中間増備車2両を引き連れ4000番台4112Fとなって出場した。ただし改番直後とあって両先頭車の“8 CARS”のステッカーは残されている。
▲5000・5050系0番台から4000番台への改番は元5173Fの8両にサハ4711+デハ4611を組み込んだ4111F以来のことである。なお4111Fまでの付随車は4・5・7号車に連結されているが、4112Fの付随車は無塗装の中間増備車1両(4号車相当)と6・7号車に変更されている。
▲(イメージ)6000系6101F・6102Fの3号車に組み込まれた“Q SEAT”車両。この車両を組み込むにあたって外された中間電動車は5000・5080系5189F・5190Fの中間増備車デハ5489およびデハ5490として転用された。
車両編成は機関車次位よりサハ4712(元サハ5566)+サハ4612(元サハ5466)+パンタグラフのある中間増備車・クハ4012(元クハ5866)+デハ4912(元デハ5766)+デハ4812(元デハ5666)・パンタグラフのない中間増備車+デハ4312(元デハ5366)+デハ4212(元デハ5266)+クハ4112(元クハ5166)という状況となっており、転落防止幌を備える無塗装の中間増備車のうち、パンタグラフのある中間増備車は電動車と思われ、車番はありませんが現時点で欠番のデハ4512に相当する車両(日立製作所製の制御装置を搭載)、もう一方のパンタグラフのない中間増備車は付随車と思われ、車番はありませんが現時点で欠番のサハ4412に相当する車両ではないかと思われます。中間増備車は2両とも内装が非公開とされており、大井町線向け6000系6101F・6102Fに組み込まれている“Q SEAT”(転換クロスシート車)仕様なのか、ただの一般のロングシート車両かは分かりません。改造種車の元5166Fが2007年度製造の編成ということで、旅客用扉は二重ガラス構造の化粧板仕上げとなっていますが、クハ4112(元クハ5166)・クハ4012(元クハ5866)のスカートの形状が初期形のままであるほか、今後撤去されるものと思われる“8 CARS”のステッカーが残されたままとなっています。
なお4000番台は4101F~4111Fでは編成中間の4・5・7号車が付随車、6号車が単独電動車となっていますが、4112Fではこれまでの4000番台編成と異なり、仮に中間増備車の2両がそのまま組み込まれた状態の場合を仮定すると、(中間増備車の付随車に相当する)4・(既存の付随車を改番した)6・7号車が付随車で、(中間増備車の電動車に相当する)5号車が電動車という組成になりそうです。つまり4111Fまでは中間の単独電動車が6号車であるのに対し、4112Fでは5号車に変更されている形です。
それでも一番気になるのは無塗装の中間増備車ですね。欠番のサハ4412・デハ4512に相当する車両であり、これらの車両が“Q SEAT”に相当する車両の可能性があります。なお制御装置は中間増備車以外は初期型のままなので、中間増備車に合わせるとなれば8両固定編成の5176Fのものと交換される可能性があります。前回の4111F(元5173F)では8両固定編成の5175Fと制御装置を交換し、中間増備車のデハ4611に合わせました。今回の4112Fではどうなるのでしょうか。無塗装の中間増備車とともに動向が注目されることになりそうです。