2022年4月28日に小田急電鉄が発表した2022年度鉄道設備投資事業計画のなかで、今年度は3000形6両固定編成3本(18両)へのリニューアル更新工事施工を発表しました。このうち昨年から大野総合車両所に入場中の3265F(日本車両製造3次車・6両固定編成)の一部車両が2022年6月28日ころから屋外に出ており、制御装置が交換されている状況から、同形式初のリニューアル更新工事が施工されているものと思われます。
▲2022年度の鉄道設備投資事業計画で発表された、3000形初のリニューアル更新工事施工となった日本車両製造3次車の3265F。同編成は最初にこの形式で全密閉モーターの主電動機が試験搭載され、8000形のリニューアル更新工事の際に本格採用された。
現在入場中の3000形3265Fは日本車両製造豊川製作所で製造された3次車の6両固定編成で2006年に全密閉式の主電動機が試験搭載されました(このため当時の3次車以降の各編成とは異なる加速音・減速音が特徴)。当初はこの編成だけでしたが、2007年度リニューアル車となった8000形8264F(踏切事故で廃車となった編成)を皮切りに同形式4両固定編成や6両固定編成の8263F・8265F、3000形でも日本車両製造3次車の3263F、日本車両製造7次車の元3664F(3082Fの2号車・3号車以外)・元3665F(3081Fの2号車・3号車以外)にも普及し、6次車では元3663F(3083Fの2号車・3号車以外)にも搭載されました。この形式の3次車では8両固定編成も登場し、1次車ワイドドア車・2次車から大きく仕様が変更され、スカートの大形化や制御装置の形状変更、減圧機能付き空気式ドアエンジンの採用、中間付随車の登場などがありましたね。ちなみに両先頭車を含む編成は10両固定編成が登場するまでは8次車(元3282F、3093Fの4~7号車以外)まで製造され(現在の8次車はすべて10両固定編成の一部になっている)、中間車は10次車(3081F~3087Fの2号車・3号車)まで製造され現在に至っています。
リニューアル対象となる3265Fのうち、下り方側3両(サハ3365・デハ3415・クハ3465)がロイヤルブルー帯を撤去された状態で屋外に留置されており、デハ3415の制御装置がすでにSiC素子に交換されています。また円形のドアステッカーが旅客用扉の交換で貼り直されているいるほか、撤去済みの帯はインペリアルブルー帯に変更されるものと思われます。対象となるデハ3215・デハ3315・サハ3365・デハ3415には車椅子およびベビーカーなどのフリースペースの設置改造が施されているものとみられます。なお3265Fは登場当初からスクロールタイプのLED式の車内案内表示器が搭載されていましたので、これは17インチワイドのLCD式(2画面・小田急TVに対応)に交換される可能性がありますね。個人的には前面部・側面部の種別行先案内表示器がフルカラーLED式になるのか、3色LED式で存置されるのかも気になりますねぇ。
3000形最初のリニューアル車は2006年から入場前まで全密閉モーターを搭載した3265Fということになりました。車内案内表示器がLED式の3次車の3編成(入場中の3265Fを含む・3000形6両固定編成の3次車は4編成が在籍する)を対象とするのでしょうか。3265Fの出場時の姿に注目です。