2020年12月20日

【終電繰り上げなど様々】東日本旅客鉄道が2021年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表

2019年12月18日、東日本旅客鉄道が2021年3月13日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。今回も【新幹線】【在来線】に分けて紹介します。なお各支社別のプレスリリースがすでに出ています。自宅最寄のJR路線の管轄下にある支社のプレスリリース中心に併せてご覧ください(中央本線・青梅線・五日市線は八王子支社、水郡線の水戸寄り側は水戸支社、伊東線は横浜支社、鹿島線は千葉支社です)。今回は首都圏の支社からいくつか厳選してご紹介しますことをご了承ください。

【新幹線】

▲新幹線では上野~大宮間での埼玉県内でのみ130km/h運転を行うことにより、所要時間が少しだけ短縮される。『やまびこ』や『なすの』の増結用だったE3系0番台(幹セシ)の定期運用終了も影響しているか。

▲上越新幹線でE4系(幹ニシ)が見られるのもそう長くはない。時刻表では“Max○○”(『Maxたにがわ』・『Maxとき』)と付された列車に充当されているため狙いやすい。

▲上越新幹線向けにE7系(幹ニシ)が追加投入され、乗車機会が増える。2021年秋にも追加投入が行われ、E4系を完全に置き換えていくことになる。

新幹線では上野~大宮間の埼玉県内の区間(並走している埼京線では戸田公園(JA-18)以北)で最高速度130km/hでの運転を実施し、所要時間を短縮します。そして上越新幹線にE7系を追加投入してE4系を置き換え、E7系の『とき』を上下4往復分増やし8往復に、同系列の『たにがわ』を上下2往復増やし3往復とします。また朝の通勤時間帯の高崎始発の『たにがわ474号』(平日運転、474C列車・高0717→上0808)を時刻変更し、東京に行先延長のうえで『たにがわ472号』(高0631→東0724)に変更します。また東北新幹線のE5系単独運転の『はやぶさ』1往復(青1941←東1628の37B列車・青1120→東1432の20B列車)は運転を取りやめます。上越新幹線の『たにがわ473号』(毎日運転、473C列車・高1944←上1852)は土曜休日の運転を取りやめ、平日のみの運転とします。

【在来線】

▲特急『踊り子』での定期営業運転を終了し、増発の臨時特急での活躍となる185系。この系列による15両編成での運転も2021年3月12日までだ。平日には『湘南ライナー』のほか『おはようライナー新宿』『ホームライナー小田原』でも運用されているが、特急『湘南』への格上げに伴って運転取りやめとなる。
▲『湘南ライナー』の運転取りやめにより、その専用車両として登場した215系(横コツ)の処遇が注目され、廃車が予想されている。廃系列となった251系(宮オオ)と同じ4編成のみの在籍である。

▲『湘南ライナー』から格上げの特急『湘南』に充当されるE257系2000番台。『踊り子』と『湘南』は全座席指定席となり、自由席は廃止となる。また同系列500番台を改造した2500番台が営業運転に投入され、伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺(IS-13)発着の『踊り子』にも充当される。

▲特急『成田エクスプレス』は一部列車の始終着が変更され、中央線高尾(JC-24)を発着する2往復すべて八王子(JC-22)発着に変更され、同駅3番線の発着になるものと思われる。このためE259系の高尾乗り入れがなくなる。ちなみに新型コロナウィルスの影響で日中時間帯の全列車の運休は続いている。

在来線特急列車では東海道線の特急列車の体系が大きく変わります。現行の特急『踊り子』の全定期列車をE257系2000番台・2500番台(宮オオ)で運転し(一部の臨時列車では185系が充当されることがある)、新設となる特急『湘南』(後述)とともに全座席指定席の特急列車となります。特急『踊り子』では251系で運転されていた『スーパービュー踊り子』のダイヤと停車駅を引き継いだ列車で、川崎(JT-04)、大船(JT-07)、小田原(JT-16)、湯河原(JT-20)を通過する15号(3035M列車・下1544←東1300)、大船を通過する4号(3024M列車・下0951→東1232)がありますが(いずれもE257系2000番台で運転)、いずれも停車に変更し、可能な限り停車駅を分かりやすくします。また平日のみに運転されている『湘南ライナー』『おはようライナー新宿』『ホームライナー小田原』に代わり特急『湘南』が新設され(平日運転)、東京(JT-01,JO-19)発着が上り6本、下り9本(上り平塚(JT-11)始発が1本、横須賀線の地下ホーム到着が2本)、品川(JT-03,JO-17)行きが1本、新宿(JS-20)発着が上り3本、下り2本でそれぞれ設定され、すべてE257系2000番台・2500番台での運転となります。2500番台を連結する14両編成の列車は東京発着の上下3本ずつとなります(上り1本は横須賀線地下ホーム到着)。その列車へと乗車するには乗車券や定期券のほか指定席特急券(グリーン車は指定席特急料金にグリーン料金)または座席未指定券(普通車のみ、指定席特急料金と同額)が必要で、特急券を持たずに乗車すると特急料金に追加料金が上乗せされます。なお座席未指定券で乗車する場合は座席上部に設置されているランプが赤色になっている席をご利用ください。ただし途中でランプの色が黄色に変わることがあります。これは間もなく指定席特急券で予約のある乗客が来るという意味ですので、ほかの赤ランプの座席に移動する必要があります。座席ランプが緑の場合は車内改札が省略され、それ以外では車内改札が実施されると考えてください。

【特急湘南 運転時刻】※平日運転
《駅一覧》東…東京、品…品川、宿…新宿、小…小田原(JT-16)
《記 号》★…14両編成 *…品川以降停車駅は横須賀線ホーム発着
《停車駅》
※停車駅は列車により異なるため、各駅と停車する列車を表記します。
※一部区間を貨物線経由で運転する列車があります。
東京、品川…東京発着の全列車停車
新宿、渋谷(JS-19)…新宿発着の全列車停車
藤沢(JT-08)、茅ヶ崎(JT-10)、小田原…全列車停車
大船・辻堂(JT-09)…上り2号・4号・12号・14号と東京発の下り全列車停車
平塚…上り2号・4号・24号・10号・12号・14号と下り全列車停車
二宮(JT-13)…上り24号・10号、下り9号と新宿発の全列車が停車
国府津(JT-14)…上り24号・10号と下り全列車停車。

《上り》
02号…平0625→東0720
04号…小0620→東0738 ★
22号…小0625→宿0745
06号…小0637→品0747
08号…小0658→東0813 *
10号…小0722→東0848 ★*
26号…小0742→宿0902
12号…小0759→東0916 ★
14号…小0819→東0933

《下り》
01号…小1912←東1800
03号…小1943←東1830
05号…小2009←東1900 ★
07号…小2041←東2030 ★
21号…小2051←宿1930
09号…小2111←東2000
11号…小2140←東2030 ★
13号…小2211←東2100
23号…小2249←宿2130
15号…小2310←東2200
17号…小2412←宿2300

また特急『成田エクスプレス』では中央線高尾発着で運転されている2往復すべてを、八王子発着に変更し、高尾~八王子間の『成田エクスプレス』の運転およびE259系(横クラ)の乗り入れが無くなります。八王子では3番線を使って発着するものと思われます。また午前中の新宿行きの1本は池袋(JA-12,JS-21)行きに延長されます。さらに特急『わかしお』では土曜休日の下り4本、上り3本で指定席の両数を3両に増やし、確実な着席機会を増やします。これでE257系500番台5両編成で運転されている便の一部は自由席よりも指定席が多くなります。

続いては在来線普通列車についてです。

▲中央線など首都圏各線で終電繰り上げと一部路線での初電繰り下げ実施に伴い、一部列車で終電および初電の発着駅変更が実施される。運転区間の短縮や変更となる列車もあるので注意してほしい。2021年3月13日以降は状況によって増発される臨時列車も活用しながら賢く帰宅する術が必要だ。
▲東海道線・宇都宮線・高崎線では平日運転の『通勤快速』がすべて廃止され、それぞれの快速列車(つまり東海道線『快速アクティー』・宇都宮線・『快速ラビット』・高崎線『快速アーバン』)となり、東海道線の『快速アクティー』は平日下りの通勤快速を置き換えた列車(毎日3本)のみの運転となる。そのため土曜休日を含め日中時間帯の下り『快速アクティー』と上り『快速アクティー』の全列車(宇都宮線直通、1本のみの東京行き3750M列車を含む)ともに消滅することになる。

東海道線・宇都宮線・高崎線では利用状況に応じた一般列車のダイヤ見直しが行われ、北側の宇都宮線・高崎線では上野(JU-02)地平ホーム発着の毎時1本の運転を取りやめます。また夕方の時間帯の宇都宮線では古河~宇都宮間で毎時1~2本程度の見直しを行います。これにより古河以北で減便などが行われるものとみられます。宇都宮線・高崎線ともに上野発着で運転されている平日の『通勤快速』を『快速ラビット』『快速アーバン』に変更し、前者は東大宮に湘南新宿ライン快速列車を含めて新規停車とされ、通勤快速が通過していた蓮田に全列車が停車するようになり、後者は一部通勤快速が通過していた上尾と桶川の両駅に停車するようになります。その代わり通勤快速が停車していた尾久(JU-03)は快速列車への変更に伴って通過となり、優等種別停車駅から外れる形です。一方の東海道線では日中時間帯の上下線の『快速アクティー』(上り1本を除き宇都宮線直通)を普通列車に格下げ変更し、東京発の通勤快速3本すべて快速アクティーに変更します。このため快速アクティーは平日下りの通勤快速を置き換えた本数分のみ(東京始発小田原行き3本)となります。これにより通勤快速が通過していた川崎・横浜・戸塚(JT-06)の各駅に停車するようになりますが、もともと東海道線の通勤快速は都心から湘南エリアへの速達列車として設定されたものであり、一般列車としては珍しく、特急の停車駅でもある川崎や乗降客数の多い横浜、さらに戸塚も通過するのが最大の特徴でしたから、この変更は残念に思います。東海道線の快速アクティーはこの変更により完全に東京発着に戻る形ではありますが、北側の快速ラビットや快速アーバンと同様に削減されるために、日中時間帯の快速アクティー(北行はすべて宇都宮線直通)は3月12日で完全に見納めとなってしまいます。上り北行で夜間に1本だけ東京行きの3750M列車(平日熱2128→東2308・土曜休日熱2128→東2300)がありますが、こちらの処遇も注目されます。さらに日中時間帯の通過列車は特急列車以外では湘南新宿ラインの特別快速となりますので、これが日中時間帯に消滅の快速アクティーと同等の役割を果たすことになります。また現行ダイヤの3620E列車(宇都宮線内快速ラビット)の始発を国府津から小田原に、現行ダイヤの1546E列車の始発を藤沢から辻堂にそれぞれ変更となります。朝の国府津車両センター出庫で二宮始発の上野東京ライン列車はありますが、辻堂始発の上野東京ライン列車は初めてですね。これは出庫先にもよりますが茅ヶ崎に併設されている電留線から出庫して回送されるためで、辻堂~藤沢間を客扱いする形になりそうです。さらには高崎行き最終列車と小金井行き最終列車を上野発から東京発の上野東京ライン列車とします(※東京行きの東海道線列車と接続の形)。さらに現行ダイヤの2520Y列車を10両編成から付属編成を連結し15両編成に増強し、朝の通勤時間帯の湘南新宿ラインをすべて15両編成とします。

房総エリアでは内房線木更津以南、外房線上総一ノ宮以南、鹿島線と成田線一部区間で新型車両のE131系(千マリ)が営業運転を開始し、E131系充当列車で車掌が乗務しないワンマン運転を開始します(成田線成田~佐原間を除く)。この区間では乗降の際に旅客用扉横に設置された半自動ドアスイッチの操作が必要になります。また外房線の運転形態が上総一ノ宮を境に分かれるようになり、特に日中時間帯は千葉(JO-28,JB-39)~安房鴨川間の直通運転がほぼなくなり、内房線木更津・君津のように上総一ノ宮で乗り継ぎが必要となります。その代わり、安房鴨川で乗り継ぎが必要となっていた内房線と外房線の直通運転が開始され、内房線君津と外房線上総一ノ宮を館山・千倉・安房鴨川経由で直通する列車が登場します。内房線と外房線を安房鴨川経由で直通する列車は定期列車では初めてでしょうか。また内房線では夕夜時間帯に上総湊発着の列車を増やし、君津~館山間の運転間隔を見直します。これは現行で木更津・君津での乗り継ぎが下り列車同士の場合に限り階段やエレベーターでの移動を伴うためで、上総湊まで運転することで同一ホームで乗り継ぎができるようにするためです。なお上総湊以南の各駅と同駅以北を移動する場合、朝の一部時間帯は上総湊での乗り継ぎが必要になります。さらに内房線と外房線の特急列車から普通列車への接続を改善するほか、平日朝にE233系5000番台分割編成の6両編成(※ただし誉田で4両編成を増結)で運転されている通勤快速(2234M列車5784A列車)の上総一ノ宮の停車時間(約20分)を見直します。停車時間が約20分あるのは現行で上総一ノ宮でE217系による3606F列車と接続し、209系による大原発の2236M列車から接続を受けて発車するためです。これを大幅に短縮して約2分の停車とします。このため総武快速線直通列車への接続は京葉線直通の通勤快速から千葉発着の普通列車に変わります。
▲常磐線と水戸線で運用されるE531系。同系列でワンマン運転対応工事が進み、同系列によるワンマン運転が開始となる。乗降時には半自動ドアスイッチを扱う必要がある。
▲ワンマン運転に対応したE531系(3000番台を含む)には側面部に安全確認カメラが設置されているほか、車内の一部に非常用梯子が設置されている(写真はワンマン運転対応改造後の水カツK457編成のもの)。蛍光灯上部の防犯カメラだけでなく千鳥配置で車内案内表示器の近くにも車内防犯カメラが設置されている。

水戸エリアでは水戸線(水戸線と常磐線を直通する列車を含む)でE531系0番台および3000番台による車掌が乗務しないワンマン運転が開始されます。これにより水戸線では車掌による発車メロディ扱いがなくなります。こうなると笠間や友部(4番線・5番線)のご当地メロディも聞けなくなってしまいますね。また終電繰り上げと一部初電繰り下げが実施される常磐線は南側では最終列車が品川発の土浦行きとなるほか、水戸発いわき行きの初電時刻を繰り下げます。

それ以外では奥羽本線秋田~土崎間に新駅となる『泉外旭川』(Izumisoto-Asahikawa)が開業します。この駅は上下線が離れているために上下線の間に駅舎が設置される形となり、2面2線の駅となります。

なお首都圏エリアの支社のプレスリリースには終電繰り上げおよび初電車繰り下げとなる路線の時刻表が一部載っていますので参考になさってください。横須賀線の最終下り列車が大船行き、常磐線中距離電車の上野(JJ-01)発の最終列車が土浦行き(品川発)、東海道線の下り最終列車が平塚行き、宇都宮線の下り最終列車が小金井行き、高崎線の下り最終列車が籠原行きになるなど、終電間際の最終列車の行先短縮は予想通りでしたね。