2023年3月18日(平日ダイヤは20日)に実施する東日本旅客鉄道のダイヤ改正で、高崎線特急列車の『草津』(『草津・四万』に改称の予定)と『あかぎ』(『スワローあかぎ』を含む)に使用される651系0番台を改造した1000番台の置き換えとして、E257系500番台を改造した5500番台が投入されます。波動輸送向けの同系列が定期特急列車に投入されるのは初めてのことになります。これにより185系200番台を置き換えた651系1000番台の動向が注目されることになります。
▲今後の動向が注目される651系1000番台。当初は基本編成6編成(42両)、付属編成3編成(12両)の9編成54両が配置されていたが、2015年3月のダイヤ改正で付属編成が余剰となり『伊豆クレイル』に転用改造された1編成(4両)を除き廃車された。基本編成は2018年に1本が追加で転用改造され、7編成(49両)の配置となっていたが、2022年に1本(宮オオOM202編成)が廃車され、現在は6編成(42両)の配置となっている。
▲定期特急列車の『草津』『あかぎ』、臨時特急列車の『水上』のみの運用となっている651系1000番台。『草津』は臨時列車で大船(JT-07,JS-09)発着で設定されることがあり、2015年・2016年に湘南新宿ライン経由で運転されたことがあった。現在は途中の横須賀線武蔵小杉(JO-15)に寄る以外は上野東京ラインを経由する運転経路となっている。
▲全席指定の特急列車として『あかぎ』に統合される『スワローあかぎ』。『あかぎ』は2021年3月まで高崎線上野(JU-02)~両毛線前橋間で運転されていたが、両毛線区間(高崎~前橋間)での運転が廃止され高崎線内のみの運転となっている。
大宮総合車両センター東大宮センターに配置されている651系1000番台はもともと勝田車両センターに所属していた0番台から交流機器の回路を停止して改造され(車両の重量バランスを考慮して交流機器自体の多くが残されている)、基本編成は6編成42両、付属編成は3編成12両の合計9編成54両(宮オオOM201編成~宮オオOM206編成・宮オオOM301編成~宮オオOM303編成)が配置されていました。2015年3月の上野東京ラインの開業(東海道線と宇都宮線・高崎線との相互直通運転)に伴って1000番台付属編成の定期運用が先に消滅し、2016年7月から2020年3月まで運転された“IZU CRAILE(『伊豆クレイル』)”に転用された横コツIR01編成(元宮オオOM301編成)を除き、廃車解体処分となりました。基本編成では1本が追加で1000番台に転用改造され(宮オオOM207編成)、一時期7編成が在籍しました。なお付属編成は0番台のみでは水カツK205編成、1000番台では横コツIR01編成の廃車で完全消滅、基本編成でも0番台で残り波動輸送を中心に活躍していた水カツK103編成・水カツK105編成が廃車され(その代替として新潟車両センターから復帰する形でE653系1000番台水カツK70編成が転入している)、1000番台でも2022年4月に運用減などで宮オオOM202編成が廃車され、1000番台基本編成6編成(宮オオOM201編成・宮オオOM203編成~宮オオOM207編成)が残るのみとなっています。
651系では特急形車両で希少な非VVVFインバータ制御車両、すなわち205系や211系と同じ界磁添加励磁制御が採用されている車両ですのでこのような車両の置き換えが課題となっています。2023年3月18日のダイヤ改正で651系1000番台は『草津』『あかぎ』の運用から撤退することとなっており(グリーン車はダイヤ改正で消滅、全車普通車のみとなる)、波動輸送中心で営業運転に入るE257系5500番台(5編成25両)は初の定期特急列車への投入となります。651系は今後どうなるか注目されるところですが、撤退後は一部を臨時列車用に残したうえで順次廃車にしていくものと予想されます。ラストナンバーの宮オオOM207編成のみ0番台から1000番台へ改造されて約4年ほどしか使用されていませんので、同編成が残るのかどうかも気になります。