2021年2月4日

【終電繰り上げ以外も注目】相模鉄道が2021年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表

2021年2月2日、相模鉄道が同年3月13日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。おもに終電繰り上げのほか、平日の朝ラッシュ時間帯、日中時間帯(平日・土曜休日共通)、土曜休日の夕方の運転パターンが大きく変わりますので詳しく見ていきます。なお現行ダイヤや運用は基本的に平日のものを参考にしています。

【早朝時間帯】
早朝時間帯には羽沢横浜国大(SO-51)始発の西谷(SO-08)行き各駅停車を平日に2本、土曜休日に1本増発します。車両の送り込みを兼ねているため、東日本旅客鉄道川越車両センター所属のE233系7000番台での運用が多いですね。

【平日朝ラッシュ時間帯】
▲(イメージ)朝ラッシュ時間帯の海老名(SO-18)発横浜(SO-01)行きで各駅停車2本(1本は8両編成で運転)から特急に変更され、横浜行きの特急が2本増発となる。
▲(イメージ)朝ラッシュ時間帯の埼京線直通の特急に充当されるE233系7000番台(写真は宮ハエ135編成)。赤羽(JA-15)行きの特急が消滅し、新たに池袋(JA-12)行きの特急が登場する。池袋行きの特急は赤羽行きからの短縮と新宿(JA-11)行きからの延長の合計2本が設定される。
▲(イメージ)朝ラッシュ時間帯の海老名発横浜行き各駅停車の一部が急行に変更となる。急行は二俣川(SO-10)まで各駅に停車するため、二俣川以西の区間は特急以外の全種別が各駅停車の役割を果たす。ただし横浜へ行く場合を除き二俣川で湘南台(SO-37)発の横浜行き各駅停車への乗り継ぎが必要だ。
▲(イメージ)いずみ野線からの直通列車として運転されている通勤急行と通勤特急(写真はいずれも8000系の3色LED・フルカラーLEDから)。ラッシュ時間帯は通勤急行とし、その前後に通勤特急とすることで時差通勤における利便性向上や混雑緩和を図る。

平日の朝ラッシュ時間帯には海老名発横浜行き特急が2本増発され、現行ダイヤの各駅停車である6020レ(平日54運用)と6022レ(平日14運用)の2本からの格上げとなります。埼京線直通の特急は2本の行先が変更され、3134レ(平日86運用・直通先は134M列車4871K列車)が赤羽行きから池袋行きに短縮、3136レ(平日73運用・直通先は136M列車)が新宿行きから池袋行きに延長されます。埼京線直通の各駅停車も6220レ(平日71運用・直通先は220M列車)が新宿行きから池袋行きに延長されます。『特急池袋』『各停池袋』は初登場となります。この3本は運用終了後に東京総合車両センター池袋派出所に入庫もしくは板橋(JA-13)の留置線まで回送ということになるでしょうか。12000系12104Fが新宿以北の埼京線と板橋の留置線に入線する試運転を行っていたことを考えると、同系列が代走以外では初めて新宿以北に乗り入れる可能性がありそうです。

また平日の朝ラッシュ時間帯の海老名発横浜行き各駅停車の一部を急行に変更します。二俣川以西は特急以外の種別が各駅停車の役割を果たすためで、通過駅へは湘南台から来る各駅停車への乗り継ぎが必要です。これは後述しますが、同時間帯のいずみ野線の運転パターンの変更が影響しています。

いずみ野線では同時間帯に通勤急行(いずみ野線内各駅停車)や通勤特急(いずみ野線内は途中いずみ野(SO-34)のみ停車、本線内は特急停車駅プラス鶴ヶ峰(SO-09)に停車)などが運転されていますが、これを見直し、通勤急行と各駅停車に変更し、いずみ野線各駅からの乗車機会を増やします。これはいずみ野線内では通勤特急以外の全種別が各駅停車の役割を果たしているためで、各駅停車は二俣川で横浜行き急行または特急と、通勤急行は二俣川で新たに埼京線直通の特急と接続し、いずみ野線各駅から埼京線直通列車の利用機会を増やします。通勤特急は朝ラッシュ時間帯の前後の運転に変更し、時差通勤の利便性向上や混雑緩和を図るほか、いずみ野での緩急接続(各駅停車への接続)を取りやめます。

【夕方ラッシュ時間帯】夕方ラッシュ時間帯は横浜のホーム混雑緩和と行先別の車内混雑の平準化を図るため、夕方ラッシュ時間帯の運転パターンを変更するほか、早めの退勤などの利用状況に合わせて運転パターンを18時00分以降からではなく17時30分以降からに前倒しします。横浜18時発で考えると、以下の運転パターンとなります。通過待ち待避や列車接続に注意しましょう。

《横浜18時台の運転パターン》
 00分・20分・40分発…急行海老名行き
  ※二俣川で各駅停車湘南台行きに接続
 01分・21分・41分発…各駅停車海老名行き
  ※星川(SO-05)で急行の待避、二俣川で快速湘南台行きと接続
 05分・25分・45分発…急行海老名行き
  ※途中駅での接続はなし
 09分・29分・49分発…快速湘南台行き
  ※二俣川で各駅停車海老名行き(星川で急行を待避した列車)に接続
 10分・30分・50分…各駅停車湘南台行き
  ※星川で快速海老名行きに接続、二俣川で急行海老名行きに接続
 14分・34分・54分…快速海老名行き
  ※星川で各駅停車湘南台行き、西谷で埼京線からの特急海老名行きに接続

この時刻でいくと、09分・29分・49分発の快速湘南台行きは終点まで先着、14分・34分・54分発の快速海老名行きは西谷で埼京線方面から来る特急海老名行きに接続します。さらには18時01分発の各駅停車海老名行きは星川での急行待避、二俣川でのいずみ野線の快速との接続のほかに、瀬谷(SO-13)で埼京線からの特急海老名行きの待避を行います。逆に埼京線からの特急海老名行きは西谷で横浜からの快速海老名行きと接続するほか、いずみ野線との相互接続はありませんが(西谷または二俣川で乗り継ぎが必要)、大和(SO-14)で後続の各駅停車に乗り継ぎができます。埼京線からの特急から鶴ヶ峰・希望ヶ丘(SO-11)~瀬谷間の各駅へは西谷で快速、相模大塚(SO-15)~かしわ台(SO-17)間の各駅へは大和から各駅停車にそれぞれ乗り継ぐと早く到着できます。

ここで判明している時刻を照合すると、

湘1829←横1750 各湘  海1834←横1800 急海  海1847←横1801 各海
海1838←横1805 急海  湘1839←横1809 快湘  湘1849←横1810 各湘
海1850←横1814 快海  海1854←横1820 急海
※横浜18時14分発の快速海老名行きに乗り特急に乗り継いだ場合、海老名18時41分着。

横浜18時01分発の停車海老名行きは星川・瀬谷で待避、二俣川で接続を行うため、全線乗り通した場合の所要時間は約46分程度となっています。

【日中時間帯(平日・土曜休日共通)】
▲埼京線直通列車は毎時2本(各駅停車・特急1本ずつ)が運転されている。すべて各駅停車に変更され、西谷以西の各駅から埼京線直通列車が利用しやすくなるが、特急は横浜発着のみとなるので注意だ。
▲日中時間帯の本線急行は再び消滅、埼京線直通の特急と同様に朝晩の運転となりそうか。プレスリリース内の現行ダイヤの1054レ(平日42運用)が快速になっていることから、日中時間帯の二俣川以西の優等種別は再び横浜発着の特急となりそう。

日中時間帯は利用状況に応じて種別、区間、本数を見直します。埼京線直通列車は毎時2本で現行ダイヤでは1本が各駅停車、1本が特急となっていますが、すべて各駅停車に変更され、西谷以西の各駅から埼京線直通列車を利用しやすくします。このため埼京線直通特急(『特急新宿』)は日中時間帯の分が消滅し朝晩のみの運転となります。さらに埼京線直通の各駅停車は西谷で横浜発着の特急、二俣川でいずみ野線湘南台発着の各駅停車と接続します。湘南台発着の各駅停車は二俣川で海老名発着の快速と接続する列車、埼京線直通の各駅停車と横浜発着の特急と接続する列車があり、後者は二俣川で2本待避するため停車時間が長くなりそうです。さらには日中時間帯に運転されている本線急行は快速に変更されるようです。急行は特急や快速が停車する西谷を通過する唯一の種別ですが、急行に乗ると埼京線直通列車への乗り継ぎができないため、それを解消するために西谷を通過する急行を朝晩(すなわち平日の朝夕の通勤時間帯)の運転に変更し(急行はそういう意味では埼京線方面の通勤客と横浜方面の通勤客を分離する貴重な列車ともいえる)、日中時間帯は埼京線直通列車との利便性も考慮して西谷に停車する種別を中心とするようです。その代わり快速は西谷のほかに急行が通過する星川と鶴ヶ峰にも停車するので注意が必要です。

海老名・湘南台13時台の運転時刻を照合すると(埼京線直通以外はすべて横浜行き)、

海1326→横1400 快  海1336→横1410 快  海1345→宿1455 各
湘1327→横1407 各  湘1337→横1417 各  湘1347→横1427 各
                       海1354→横1420 特

※新宿着の時刻は現行ダイヤの6236レ(平日91運用・直通先は236M列車)を参考

埼京線直通列車がすべて各駅停車となるため、海老名・大和・二俣川で乗り逃した場合でも後続の横浜行きの特急に乗ると西谷で追いつくため、同駅で乗り継ぎができますが、埼京線直通は30分に1本の運転ですので注意が必要です。

【夕方時間帯(土曜休日のみ)】
土曜休日の夕方時間帯は横浜発の列車は特急がなくなり、急行・快速・各駅停車のみとなります。その代わり埼京線からの直通列車は特急となります。なお埼京線からの直通列車は横浜発でいうと快速海老名行きからの接続となります。二俣川では湘南台行きと接続します。

横浜18時台の運転時刻を照合すると、

海1837←横1805 急  海1850←横1814 快
湘1836←横1756 各  湘1846←横1806 各
※横浜18時14分発の快速海老名行きに乗り特急に乗り継いだ場合、海老名18時41分着。

【夜間時間帯(平日・土曜休日共通)】
22時以降の夜間時間帯は平日ダイヤの運転本数を見直し、土曜休日ダイヤとほぼ同じダイヤにして本数を変更します。新型コロナウィルスの影響から夜間時間帯の利用者が減少しているためです。また埼京線直通列車(新横浜線)以外の終電の繰り上げも実施されます。平日・土曜休日ともに終電発車時刻が統一される形となります。

《各始発駅からの終電発車時刻》
[横浜発] 急行海老名行き    …24時15分発(海2446←横2415)
      各駅停車かしわ台行き …24時27分発(か2501←横2427)
[海老名発]各駅停車横浜行き   …23時38分発(海2338→横2417)
      各駅停車二俣川行き  …23時55分発(海2355→俣2415)
[湘南台発]各駅停車二俣川行き  …23時38分発(湘2338→俣2353) ※横浜まで最終
      各駅停車二俣川行き  …23時56分発(湘2356→俣2411) ※海老名まで最終
      各駅停車二俣川行き  …24時09分発(湘2409→俣2424) ※いずみ野線最終
※ただし横浜から直通の湘南台行き最終は横浜24時06分発(湘2443←横2406)

20000系の在籍数が増えて8000系の制御装置未更新編成の廃車が進められています。ダイヤ改正で運用がどう変わるのかも気になりますが、そして8000系の制御装置未更新編成の動向に注意しないといけないため、ダイヤ改正後も引き続き注意が必要です。