2018年2月10日

相模鉄道『新型車両デビュー記念撮影会 in 相模大塚(SO-15)』参加報告

2月10日は相模鉄道本線の相模大塚(SO-15)構内に隣接する留置線で行われた『新型車両デビュー記念撮影会 in 相模大塚』に参加してまいりましたので報告いたします。

8000系8706F。3018レ(土曜休日57運用)。まずは海老名(SO-18)にて。これに乗って今回は相模大塚に直行しました。途中で通りかかったかしわ台車両センターには今回の主役である20000系20101Fの姿がなかったので、早い時間帯に送り込まれたものと思われます。

相模大塚で下車後、北口に向かうと、すでに20101Fが構内8番留置線に停車しており、列車番号表示器に『210』(イベント開催日の日付にちなんだもの)、種別表示器に『各停』、行先表示器に『横浜(SO-01)』と表示されていました。またこのときはかしわ台車両センターから回送されたあとということもあり尾灯が点いた状態のままでした。このあと私は2時間以上並んで待ちました。

そして10時をまわり、ついに入場。早速8番留置線にたたずむ20000系20101F。入場直前に種別表示器の『各停』が『特急』に、行先表示器の『横浜』が『海老名』の表示に切り替えられていました。

厚木線や本線での試運転では何度も見かけましたが、こんなに間近で撮影できるチャンスはなかなかないので貴重です。

真正面からも20000系をしっかりカメラに収めました。同系列の営業運転は横浜10時30分発の下り1015レからとなりますので、この表示で(いずれ列車番号は『45』になりますが)運転されますね。

左から列車番号表示器、種別表示器、行先表示器となります。もちろん『そうにゃん』のイラストも表示できます(後述)。

この20000系20101Fは昨年日立製作所笠戸事業所で製造され、貴重なEF66形0番台(30号機)の牽引で甲種輸送され、最後尾には『そうにゃん』のぬいぐるみが乗せられる演出で、かしわ台車両センターに搬入されました。当初2017年12月の運用開始を予定していたものの、2018年2月11日に延期されました。いよいよ明日デビューですね・・・。

今回は20000系20101Fの展示のみであるため、床下機器をじっくり観察できました。なお厚木線での試運転のときに紹介しているので、簡単に説明します。


台車は新日鉄住金製で制御車・付随車が『SS184T』、電動車が『SS184M』です。

搭載機器は集約されてATC装置、ATS装置、ATO装置が一体となったものとなっています。

この系列には以前もお伝えした通り、『個別ドアスイッチ』が設置され、相模鉄道の車両では初めての半自動ドア機能です。あまり使用されることはないものと思われますが、輸送障害時や海老名など始発駅での長時間停車の際に使用される可能性があります。20000系に遭遇したら、『個別ドアスイッチ』機能があることをお忘れなく。なお車体側面には車外スピーカーが設置されているため、ドアの手動操作に慣れない方でも難なく乗車できるよう、自動放送などでドアスイッチを押して扉を開け閉めするように促すアナウンスが流れると思います。

側面の種別行先案内表示器。8000系のフルカラーLED式の種別行先案内表示器を有する編成や9000系3代目塗装リニューアル車と同じく日本語と英語の交互表示でした。

制御装置は日立製作所製でSiC素子VVVFインバータ制御となっています。厚木線での試運転のときにはあの変調音が独特だったのを思い出します。

8号車のサハ20801と3号車のサハ20301には東洋電機製造のSIV装置が搭載されています。

車両番号はホームドア設置の関係で車体側面上部に。写真はクハ『20101』。

クハ20101側からもしっかり全体を収めて撮影できました。

早速サハ20301から車内に潜入。いきなり目についたのは21.5インチと大画面の車内LCD旅客案内表示器。なぜか最初に種別行先案内表示器で設定されていた各駅停車の表示となっていました。

車内の車番は9000系リニューアル車と同じくステッカー式。

車内に設置されている『個別ドアスイッチ』。思ったよりもボタンが大きかったです。スイッチの周りのランプが点灯すると個別ドアスイッチでのドア開閉操作ができるようになります。

車内は混み合っていたので3号車側から4号車の車内を代わりに撮影。
つり革は9000系リニューアル車と同じく握りやすい楕円形に。
優先席は赤のモケット。この座席はユニバーサルデザインシートではありません。

先ほどの優先席の座席と比べると、座席と座席の間に黄色いポールのような手すりがついているかと思います。実はこれがユニバーサルデザインシートとなっているのです。座面を高くしたために大きな荷物を座席の下に入れることができます。
旅客用扉。ドアチャイムは従来の8000系や9000系と同じ2点タイプのもので10000系や11000系のような3打式ドアチャイムにはなりませんでした。ドアエンジンは西武鉄道40000系などとほぼ同じラック式と思われます。

こちらは広告画面。デジタルサイネージと呼ばれるものですが、つり広告自体も存在します。

これは車内放送用のスピーカーです。

車内照明はLED式で日中時間帯と夕方以降で明るさの度合いが変わります。

普通座席は7人掛けでスタンションポールが2本ついています。座席の両端にはガラス張りの袖仕切り板が設置されているため、他の乗客と干渉しないように工夫されています。そのため仕切り板に寄りかかって寝てしまっても大丈夫ですね。

車椅子兼ベビーカースペースは各車両に1ヶ所設置されています。

車両間の貫通扉はガラス張りでこの取っ手を引くと開く仕組みとなっています。傾斜式と思われますが閉まり方が静かで、完全に閉められる直前で減速しゆっくり閉まるようになっています。

私はこのユニバーサルデザインシートに腰かけてみました。すっと立ち上がれるようにできていますが、荷物を置くスペースを備えたためにユニバーサルデザインシートの座高が一般の座席よりも高いので、小さな子どもなど座高の低い人にはあまりお勧めしません。

一般の座席とユニバーサルデザインシートの座高を比べてみると一目で分かるかと思います。

2号車のモハ『20201』はパンタグラフ付きの電動車。

点字の付きの号車番号ステッカー。これはどの編成にも必須ですね。

そして1号車のクハ『20101』に移動。運転台のところにやってきました。

将来的に自社線以外の複数路線で運用することを考え、ATSの切換器が設置されています。

車掌用の旅客用扉開閉スイッチ。

連絡用ブザーのボタン(左上)、緑色の半自動ドア機能のボタン(中央右)、再開閉ボタン(左下)、乗降促進ボタン(右下)が集約されて設置されています。

他路線への乗り入れを含めたトンネル内での非常脱出用に貫通扉が備えられています。

非常脱出用のハシゴもこちらに搭載されています。

運転台は速度計を左画面、車両情報を右画面に収めたグラスコックピット。両手で握るマスコンタイプでワンマン運転対応用のドア開閉スイッチやマイクも備えられています(写真左側)。

グラスコックピットのモニター画面は長方形です。醜いですが、右側の画面をよく見ると列車番号『回8600大塚』とありました。

車内見学を終えると、なんと種別行先表示に変化があり、行先表示器に『そうにゃん』イラスト、種別表示器に『貸切(Charter)』表示が。

『そうにゃん』のイラスト。こんなにきれいに撮れたのは初めてかも。

『貸切』表示はなかなか見られません。まさかの表示に驚きました。

ちなみに3番留置線には『66』表示で停車中の旧7000系7712Fの姿があり、種別表示器は『回送』、行先表示器は『相模大塚』でした。その編成には『TYPE 20000 甲種輸送』のヘッドマークが。
このとき本線内の牽引を担当したモヤ700に掲出されていたものと同一です。

11時には『そうにゃん』が登場し、そうにゃんと一緒に収めました。

そうにゃんが移動した後、さらに撮影。こんなにきれいに撮れたので大満足です。

最後に側面部の『そうにゃんイラスト』と『貸切』表示を収め、約1時間45分の滞在を終えました。

本日はこのようなイベントを開催して下さった相模鉄道に感謝申し上げます。

★おまけ★

相模大塚北口での待ち時間中に、『PASMO』10周年ヘッドマークを掲出した相模鉄道のグリーンバス(旧塗装車の8761号車)に遭遇。このときは綾75系統に入り、この駅と小田急電鉄江ノ島線の南林間(OE03)を結ぶバス路線で運用されていました。
さらに帰り際に相模大塚南口にて記念乗車券などの売り場を少し見に行こうとしたところ、こちらも『PASMO』10周年ヘッドマークを掲出した相模鉄道の現行バス(現行塗装の8958号車)に遭遇。このときは綾52系統に入り、この駅と海老名を結ぶバス路線で運用されました。