2025年6月30日

【違和感のあるペアに】小田急電鉄8000形8058Fと8260Fの新ペア結成で8258Fの動向に注意

2025年6月30日から、小田急電鉄8000形のうち、2004年度リニューアル編成の8258Fとペアを解消していた2011年度リニューアル編成の8058Fと、2013年度リニューアル編成の8061Fの廃車以降、長らく単独運用を続けていた2006年度リニューアル編成の8260Fが新たにペアを結成して平日E17運用より運用されています。
▲西武鉄道譲渡対象外と予想されている8000形8258F。前照灯はクハ8558だけLEDとなっているが種別行先案内表示器が3色LED式ということで、廃車が予想され、譲渡編成の部品取りに使用されそうだ。
▲2011年度リニューアル編成でクハ8058のみ前照灯がLED化された8058F。これまで2004年度リニューアル編成でクハ8558のみ前照灯がLED化された8258Fと組んでいたが、解放されて以降は3000形3258Fとのペアを経て、まさかの異なる番号の8260Fとペアを組む結果に。
▲退役前の8000形8061Fとのペアを組んで以来、10両編成の運用に充当されることとなった8000形8260F。久しぶりのフルカラーLED式のみの10両編成の異なる番号のペアだが、クハ8058だけは前照灯LEDとなっており、上下列車で前照灯が異なる10両編成となりそうだ
▲最後まで残る可能性がある3色LED式の8000形8253F。10両編成の運用に復帰済みで、種別行先案内表示器が3色LED式、フルカラーLED式が混在するペアは8000形8053F+8253Fだけに。

これまでに8000形8061Fの廃車以降、単独で運用を続けてきた8260Fが前照灯LED試験車の8058Fと組んだことで、このペアがどのくらい続くかは不透明ですが、西武鉄道譲渡対象外の8258Fと関係していそうです。現在のところ8258Fは単独運用となっていますが、もしも異なる番号のペアが続くことになれば、おそらく個人的予想ですが8258Fの廃車が絡んでくるのではないかと思われます。これまでに長らく同一番号ペアを組んできた8058Fにとっては3000形2次車以外では久しぶりに8000形の別編成と組まれることとなりますので、動向が注目されることになります。なお8257Fが廃車となった際にも8057Fの相方が8262Fとなった経緯がありますから、油断禁物といったところでしょうか。仮に8258Fが大野総合車両所89番構内留置線に留置された場合は近く廃車の動きが予想できそうです。

【まずは下りのみ】西武鉄道新宿線東村山(SS-21)の下り4番ホーム・5番ホームが高架化される

2025年6月29日初電車より、西武鉄道新宿線・国分寺線・西武園線が乗り入れる東村山(SS-21,SK-05)の下りホームである4番ホーム・5番ホームが高架化され、新ホームの共用を開始、同時にホームドアの稼働が開始されました。高架化以前は4番ホームに新宿線の下り一般種別列車、5番ホームに下り特急『小江戸』が使用していました(かつては5番ホームで上り特急『小江戸』を接続待避した新宿線上り列車があった)。
▲(イメージ)新宿線・拝島線系統で運用される20000系20105F(3代目『L-train』でデザインは変更済み)。東村山は有料座席指定列車の『拝島ライナー』を除き、特急『小江戸』を含む全定期旅客列車の停車駅である。
▲(イメージ)国分寺線全線と拝島線一部区間で運用される『サステナ車両』の8000系8103Fも発着ホームは異なるが東村山まで乗り入れている。団体専用列車で走行した際には高架化前の東村山4番ホームに少々停車していた。

東村山の4番ホーム・5番ホームは新宿線の下り本線と特急『小江戸』が発着するホームで、高架化前は4番ホームに一般種別列車、5番ホームに下り特急『小江戸』が停車する形で誤乗防止が図られていました(ホームは変わるが実質緩急接続の形)。高架化後も4番ホームに下り一般種別列車、5番ホームに下り特急『小江戸』が発着しています。かつて5番ホームは上りの待避にも使用されていたことがあり、実際に一般種別列車(急行以下)が特急『小江戸』との緩急接続を取っていたことがあります。私も7~8年前に利用していた時に東村山で接続待避があったからこそ、特急通過駅から上り各駅停車などで移動し、所沢(SS-22)で特急『小江戸』に乗り継いでいたので(所沢・東村山~西武新宿(SS-01)間の特急料金は同じ)、その時を思い出しました。しかし連続立体交差事業の進捗により東村山上りホームでの接続待避が不可能となり(下りは継続)、上り列車については新所沢(SS-24)ないし田無(SS-17)での特急『小江戸』の通過待避に変更されています。このため今までは快速急行を除く一般種別列車が特急『小江戸』を待避する光景として東村山まで逃げ切る列車がありましたが、それが不可能となったことで、上り列車では所沢の2つ手前の新所沢、ないし東村山の4駅先の田無でしか待避ができませんので、入曽(SS-25)・新所沢・航空公園(SS-23)から所沢・東村山乗り継ぎでの特急『小江戸』への乗車がやや不便になっているようです(ただし同一ホームでの乗り継ぎのため思った以上に不便ではない)。新所沢・航空公園では新所沢始発の各駅停車もあるのですが、入曽では本川越発しかないため、同駅から所沢・東村山での『小江戸』乗り継ぎの際には注意が必要なようです(私も8000系イベント終了後に新所沢始発の各駅停車から特急『小江戸』に乗り継いだことがあり、その際に各駅停車を田無で追い抜いた)。

残る国分寺線ホーム(1番ホームは使用停止に伴い欠番、主に2番ホーム)・西武園線ホーム(3番ホーム)、新宿線上りホーム(6番ホーム)の順番で高架化が実施される予定となっていますが、全ホームの高架化後に新宿線と国分寺線の直通運転は復活するのでしょうか。今後の進捗に期待しましょう。

2025年6月29日

【新幹線初の試み】東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道が東海道新幹線・山陽新幹線に弱冷房車を試験導入へ

2025年6月28日、東海旅客鉄道と西日本旅客鉄道が同年8月1日から7日までと、18日から31日まで一部の『ひかり』の3号車自由席にエアコンの設定温度が高めに設定される『弱冷房車』を試験導入することを発表しました。現行では4両編成以上の在来線に導入されている路線が多いですが、新幹線での弱冷房車の設定は1両もなく、両社で初の試みとなります。
▲東海道新幹線・山陽新幹線の主力車両はN700系(写真は1000番台のN700A)やN700S系だ。写真右手前の博多方が1号車で、そこから数えて3両目が3号車となっている。『のぞみ』は指定席、『ひかり』『こだま』は自由席での運用となる(イメージは幹トウG25編成)。
▲小田原を高速通過するN700系1000番台幹トウG13編成とN700系3000番台幹ハカF3編成。弱冷房車設定の対象となる『ひかり』は下り6本、上り4本(東京~岡山間の3往復、名古屋発の下り2本、新大阪~博多間の1往復)となる。

東海道新幹線・山陽新幹線に弱冷房車が試験的に設定されるのは初めてのこととなります。在来線では4両以上を組む車両編成に少なくとも1両以上は導入されていますが、新幹線では導入例がありませんでした。冷房が苦手な方もいらっしゃいますので、この試験導入の取り組みには私個人的には賛成だと思います。試験期間から推察して8月の最繁忙期期間(お盆)を挟む8日から17日までは弱冷房車が試験導入されませんのでご注意願います。弱冷房車の試験対象となるのは、一部『ひかり』の博多方から3両目の3号車(『のぞみ』では指定席、それ以外は自由席となる車両)で、東京~岡山間の3往復、名古屋発の下り2本(広島行き、博多行きが1本ずつ)、新大阪~博多間の1往復となります。なお『ひかり』の自由席は1号車から5号車までとなっていますので、弱冷房車となる3号車は自由席となります。そのために普通乗車券と東海道新幹線・山陽新幹線の新幹線自由席特急券を持っていれば、弱冷房車試験導入の車両に乗ることができますが、車内検礼がある場合がありますので気をつけてください。

弱冷房車試験適用列車
【東京~岡山間】
  507A列車(岡1402←東1003)・  509A列車(岡1502←東1103)  509A列車(岡1602←東1203)
  518A列車(岡1636→東2042)・  520A列車(岡1736→東2136)  522A列車(岡1836→東2227)

【名古屋発】
  531A列車(博1011←名0636)・  535A列車(広1033←名0737)

【新大阪~博多間】
  591A列車(博0919←阪0606)・  592A列車(博2052→阪2332)

2025年6月27日

【ワンマン対応へ】小田急電鉄1000形1063F(4両固定編成)、小田急箱根鉄道区間でのワンマン運転対応工事か

2025年6月25日の平日114運用で小田急電鉄海老名検車区に入庫し留置されていた小田急箱根鉄道専任編成の小田急電鉄1000形1063F(4両固定編成)が同日夜に大野総合車両所に回送され同88番構内留置線に入場しています。ワンマン運転対応改造工事施工のためと思われます。
▲小田急箱根鉄道専任編成の1000形1063Fが6月25日夜に大野総合車両所に自走回送され、26日からそのまま入場した。前回の1064Fに続いてワンマン運転対応工事が実施され、クハ1163・クハ1063の電気連結器は撤去となり、小田急箱根鉄道専任編成から電気連結器が消滅となった。
▲前回施工の1000形1064F。結果的には逆連番の形でワンマン運転対応工事が行われた。

1000形1063Fは同形式の2015年度のリニューアル更新工事施工編成(1095F1096Fの登場前に施工済み)で、約10年で電気連結器が撤去された形になりました。この動きから小田急箱根鉄道専任編成は全4編成で電気連結器が撤去となり消滅したことになります。2026年春頃から小田原(OH47)~箱根湯本(OH51)間でロマンスカーを除きワンマン運転を開始することを発表していますので、全4編成の改造工事終了後に、どこかのタイミングでワンマン運転の試験を行う可能性があります。2026年3月のダイヤ改正をもって小田急箱根鉄道区間の小田原~箱根湯本間で車掌は乗務しなくなる見込みです。なお平日114運用で小田原線新松田(OH41)まで直通する列車(7022レ)がありますが、小田急箱根鉄道区間のワンマン運転化でどうなるのでしょうか。存続すると仮定すると車掌乗務は小田原→新松田のみと思われます。

【小田急電鉄1000形のワンマン運転対応状況】※小田急箱根鉄道専任編成のみ
《ワンマン対応中》4両固定編成1編成(  4両) 1063F
《ワンマン対応済》4両固定編成3編成(12両) 1064F1065F1066F

【小田急電鉄1000形の在籍状況】
※2025年6月27日現在 合計98両 下線部は小田急箱根鉄道専任(電気連結器撤去済み)
*  4両固定編成…7編成(28両)
内訳…1057F1063F1064F1065F1066F1067F1069F
*10両固定編成…7編成(70両、大規模改造30両)
内訳…1091F1092F1093F1094F1095F1096F1097F
1095F以降は4両固定編成と6両固定編成(1097Fは元8両固定編成の付随車も)改造。

【1次車は8101Fだけに】東京地下鉄8000系8106Fが東武鉄道経理部資材管理センター北館林車両解体場へ自走回送される

2025年6月26日、東京地下鉄8000系8106Fが所属先の鷺沼検車区から東急電鉄田園都市線・半蔵門線・東武鉄道伊勢崎線・佐野線経由で東武鉄道経理部資材管理センター北館林車両解体場へ自走回送されました。18000系18113F以降の編成が登場していませんが、その導入を見越した廃車除籍処分と思われます。
▲半蔵門線と乗り入れ路線で活躍した8000系8106Fが東武鉄道経理部資材管理センター北館林車両解体場へ旅立った。8000系の廃車は8104F以来のことである。この編成の廃車で1次車はトップナンバーのみとなる。7000系トップナンバーが和光検車区新木場分室で保存されているため、8000系もトップナンバーも同様に保存が実現するのだろうか。

今回の動きは18000系の仕様変更で登場した2次車となる18113F以降の導入を見越したものと思われます。本来列車番号49Sでの自走回送となったようですが、東急電鉄田園都市線内ではなぜか49Kと表示されていました。8000系の在籍数はこれで5編成50両(8101F8109F8115F8116F8118F)となりました。今回廃車となった8000系8106Fは当初は1次車として6両固定編成で落成し、そのあとに2次車として中間電動車2両を増備し、8両固定編成で運用が続いた後、6次車として中間付随車2両が導入され、10両固定編成となりました。このために1次車・2次車・6次車の混結状態だったというわけです。この編成の廃車で1次車は和光検車区新木場分室での保存の可能性が残されているトップナンバーだけとなります。

【鷺沼検車区8000系の在籍状況】2025年6月26日現在
《現役》  5編成(  50両)
8101F8109F8115F8116F8118F
《廃車》14編成(140両)
8102F8103F8104F8105F8106F8107F8108F8110F8111F8112F8113F8114F8117F8119F

2025年6月25日

【さらばE217系】東日本旅客鉄道E217系都クラY-101編成・都クラY-102編成が長野総合車両センターに配給輸送される

2025年6月25日、東日本旅客鉄道鎌倉車両センター所属のE217系都クラY-101編成(クハE217-2001以下4両)と都クラY-102編成(クハE217-2002以下4両)が新潟車両センター所属のEF64形1031号機の牽引で、所属先から南武線経由で長野総合車両センターへ配給輸送されました。どちらの編成も廃車解体処分と思われ、E217系は形式消滅となります。
▲登場当時から制御装置更新工事施行前までの横須賀色の帯に復刻されていたE217系都クラY-101編成。帯色復刻後の営業運転はわずか1日(平日夕夜間)だけで、基本編成で最後に廃車となった都クラY-42編成と組んでいた。この都クラY-101編成2006年の初転属から2010年の復帰まで東海道線で運用されていたことがある(元横コツF-51編成のうちの4両)。
▲E217系の登場当時の帯やロゴを復刻した都クラY-101編成は撮影会や団体専用列車で注目の的となった。最後の撮影会は6月上旬に行われた『横須賀線-総武線だョ!全員集合 撮影会』だった。
▲帯復刻前のE217系都クラY-101編成。電気連結器は東海道線時代の名残である。最後まで残った2本が一気に旅立ち、E217系は209系よりも先に完全消滅となった。一時期には海外に譲渡されるのではという噂もあったが、転用は一切なくすべて解体されている。
▲制御装置更新工事施行後の姿で最後となったE217系都クラY-102編成は2006年から2008年までと2012年から2015年までは東海道線で運用されていた(元横コツF-52編成のうちの4両)。同編成の旅客用扉に国府津車両センター在籍時に貼付されたドアステッカーが残っていた。
▲東海道線で運用されていたE217系都クラY-102編成(元横コツF-52編成)。この編成に都クラY-2編成(元横コツF-02編成)のサハE217-2を移動して横コツF-52編成として組み替えていた。2006年・2012年の2回も国府津車両センターに転属したため、サハE217-2の組み換えも2回行われていた。

最後まで残った2編成はともに1994年に登場した1次車の付属編成で、双方とも東海道線での運用経験があります。このうち都クラY-101編成は2006年3月から2010年まで、都クラY-102編成は2006年3月から2008年までと2012年から2015年までに東海道線東京(JT-01)~熱海(JT-21)間限定で普通列車・快速アクティー(消滅済)・通勤快速(消滅済)でも運用されていました。都クラY-101編成は2010年に、都クラY-102編成は2008年に鎌倉車両センターに一旦復帰していますが、都クラY-102編成は2012年に再度転属しているため、同編成の旅客用扉に東海道線時代に貼付されたドアに足を挟まれないように注意喚起するステッカーが残されていました(すでに廃車済みの都クラY-2編成都クラY-3編成都クラY-103編成も同様)。また都クラY-101編成は鎌倉車両センターでの撮影会の際に登場当時の帯に復刻され、平日夕夜に1往復だけ運用されたあとはイベントなどにもっぱら使用され、2025年5月10日に最後のラストランを迎えていました。2021年の都クラY-44編成の廃車開始から約4年で、E217系が約31年間の活躍の歴史に幕を下ろすとともに、同系列自体が完全消滅となりました。

【“Q SEAT”以来の新津製】東急電鉄6020系6154Fが総合車両製作所新津事業所より出場、甲種輸送される

2025年6月23日、東急電鉄大井町線向けの6020系5両固定編成の4編成目となる6154Fが総合車両製作所新津事業所を出場し、長津田検車区へ甲種輸送されています。これまでの3編成は総合車両製作所横浜事業所で製造されてきましたので、総合車両製作所新津事業所での製造は久しぶりのこととなります(実は初めてではありません)。
▲大井町線各駅停車向けの6020系5両固定編成が総合車両製作所横浜事業所だけではなく新津事業所からも出場した。最初の新津事業所を出場した編成は6154Fで、最初に6020系が新津事業所で製造されたのは7両固定編成に組み込まれた“Q SEAT”車両以来となる。

6020系5両固定編成が総合車両製作所新津事業所で製造されるのは初めてのことですが、この系列自体の新津事業所での製造は初めてではありません。実は同系列7両固定編成の3号車に組み込まれている“Q SEAT”車両(2代目デハ6321・デハ6322の2両)以来です(当時は2020系の欠車となる3号車に無塗装車両で連結されていた)。2020系でも総合車両製作所横浜事業所ではなく新津事業所で製造された編成もいます。ただし東日本旅客鉄道の一般形電車と異なり『新津』『横浜』の表記がないため、車内銘板を見ても総合車両製作所横浜事業所で製造された編成か新津事業所で製造された編成かは見分けがつかないかと思います。この編成は新津事業所製造編成ですが、コストカット仕様が採用されているものと思われます。今夏までには8編成を導入するものとみられ、あと4編成ほどとなっています。

2025年6月22日

【あと1編成で完了】小田急電鉄1000形1064F(4両固定編成)、ワンマン運転対応車両として運用復帰

2025年6月20日の6827レ(小2402←伊2327・平日111運用)から、小田急電鉄1000形の小田急箱根鉄道専任編成の1064F(4両固定編成)がワンマン運転対応車両として運用復帰を果たし、翌21日の平日112運用から小田急箱根鉄道終日運用に入りました。
▲小田急箱根鉄道専任編成の1000形1064Fが電気連結器を撤去したワンマン運転対応車両となって運用復帰となった。平坦区間にあたる小田原(OH47)~箱根湯本(OH51)間では来春から車掌が乗務しないワンマン運転が実施されることとなっている。
▲小田急箱根鉄道専任編成で最後まで電気連結器付きで残っていた1000形1063F。21日時点では海老名検車区に留置されており、動向が注目される。残存編成のうち8両固定編成の代役を担当する1057F1067F1069Fのみ電気連結器が存置される結果になりそうか。
▲ワンマン運転対応改造工事を施工された1000形1065F1066F。4両固定編成でありながら電気連結器が撤去されてスカートの形状が変更されたため、正面の外観上は10両固定編成と変わらないものの、ワンマン運転対応の関係で乗降安全確認カメラと乗務員室にモニターが設置されている。

1000形1064Fは同形式の2017年度のリニューアル更新工事施工編成で、約8年で電気連結器が撤去されたことになります。小田急箱根鉄道専任編成になる前は小田原線だけではなく、江ノ島線・多摩線でも運用されていました。なお改造内容は1065F1066Fと同じで、現在未施工の1063Fも入場する可能性があり、動向に注意が必要です。あと1編成ですが、早々に工事が完了すれば、本格的なワンマン運転の試験が行われそうです。場合によっては営業列車を用いて試験を行うことがあり、運転士がボタン操作でドア開閉を行う様子が見られるかもしれません。結果的には逆連番でワンマン運転対応改造工事が行われることとなりました。

【小田急電鉄1000形の在籍状況】
※2025年5月12日現在 合計98両 下線部は小田急箱根鉄道専任(順次電気連結器撤去中)
*  4両固定編成…7編成(28両)
内訳…1057F1063F1064F1065F1066F1067F1069F
*10両固定編成…7編成(70両、大規模改造30両)
内訳…1091F1092F1093F1094F1095F1096F1097F
1095F以降は4両固定編成と6両固定編成(1097Fは元8両固定編成の付随車も)改造

【小田急電鉄1000形のワンマン運転対応状況】※小田急箱根鉄道専任編成のみ
《ワンマン非対応》4両固定編成1編成(  4両) 1063F
《ワンマン対応済》4両固定編成3編成(12両) 1064F1065F1066F

2025年6月21日

本日の小田急電鉄小田原線・江ノ島線撮影 ~2025.06.21 『小田急通勤車両図鑑 ー1ー 1000形撮影会』SP~

2025年6月21日は小田急電鉄を撮影しますが、今回は『小田急通勤車両図鑑 ー1ー 1000形撮影会』に参加してきましたので、その様子を報告します。なお私自身の予定の都合から朝方に用事を済ませる必要があるため、午後からの第3回の参加となったことをご了承ください。

その前に少し撮影をしましたが、江ノ島線湘南台(OE09)でまさかの出会いを果たします。
8000形8260F5156レ(土曜休日A22運用)。西武鉄道譲渡候補の6両固定編成がやって来ました。この日は奇跡的に記録したい8000形が江ノ島線相模大野(OH28)~藤沢(OE13)間を中心に運用されており、少し待ってみることに。
8000形8253F5160レ(土曜休日A29運用)。今度は西武鉄道譲渡の対象外とみられる編成が来ました。何気に3色LED式で撮れたのは嬉しかったですね。8000形8258F5163レ(土曜休日A27運用)。逆に今度は単独となった3色LED式の8258Fが来ました。こちらも譲渡対象外と見込まれます。なお8000形8058Fの相方は3000形3258Fに変更となっており、異なる形式で番号の末尾が揃っています。

続いては小田原線海老名(OH32)にて。
ロマンスカー“EXE”30000形30057F+30257F0013レ(土曜休日N43N63運用)。湘南台から相模大野(OH28)乗り継ぎで乗った小田原線列車の後続がなんとロマンスカー“EXE”30000形でしかも前面部の愛称表示器を残している3色LED式の30057F+30257Fがやって来ました。乗車途中にすれ違いましたが、前面部の愛称表示器が使用停止(側面部はフルカラーLED化)とされた30055F+30255Fにも出会いました。同編成にはとてつもない違和感ありました。

改札口を出て昼食を済ませた後に、海老名検車区の門前で待機し、小田急トラベル担当者の案内で入っていきます。
今回の使用車両は小田急箱根鉄道専任の1000形1065F。2023年に通勤形電車をすべて並べた撮影会ではこの編成が使用されましたが、その際には電気連結器の撤去やワンマン運転対応の工事が施工されるとは想像していませんでした。就役35周年記念撮影会では1066Fが使用され、どちらも小田急箱根鉄道区間のワンマン運転対応工事が施工済みです。

このとき種別行先は『急行秦野(OH39)』とかつて10両編成に存在した定期運用のものとなっていました(ただし輸送障害などで秦野折り返しが誕生した場合は同駅発着の急行が見られる可能性がある)。この種別行先と毎年1月1日のみに延長運転で見られる『急行片瀬江ノ島(OE16)』が交互に表示されることとなります。

ヘッドマークはなんか見覚えがあるなと思ったら就役35周年の時に1066Fに掲出されていたものと同一でしたので、撮影は省略しています。付近にいたイベント担当者に聞いたところ1000形の過去のヘッドマークは少ないとあって結局はこれになったのだそう。
1000形4両固定編成で完全な小田急箱根鉄道専任編成となった1065Fでこの種別行先の表示は違和感がありますが、電気連結器撤去後も優等種別などの種別行先表示はそのままとなっていますので、表示自体は不可能ではありませんが、基本的にイベントでしか見られません。
電気連結器撤去後のクハ1165・クハ1065のスカート部分。形状は10両固定編成とほぼ同一に見えますが、電気連結器があった部分を塞ぐように取り付けた痕跡が見られます。このために4両固定編成でありながら、10両固定編成と同じ雰囲気を感じます。
種別行先表示が一旦消された後、『急行片瀬江ノ島』に変わりました。かつては見られた種別行先ですが、現在は1月1日の下り急行2本の延長運転(所定は藤沢行き)でしか見られません。
なお今回のツアーは海側側面部・山側側面部を移動する形で撮影時間を設けつつぐるっと1周する形ではありますが、側面部の撮影も設けられたほか、4両固定編成と短いためクハ1065側からも撮影が可能になっていました。台車は制御車がFS-034付随台車、電動車がFS-534電動台車(元6両固定編成や10両固定編成の制御車・付随車も同様)となっています。
この編成は1990(平成2)年に旧東急車輛製造で製造されて2020(令和2)年にリニューアルされています。車内銘板は製造当初からは異なっていますが、平成となって1年後に登場し、令和になって1年後にリニューアルされるという、奇跡的な展開を迎えていたのですね。
制御装置は三菱電機製のSiC素子ですが、リニューアル前はGTO素子で、東京地下鉄千代田線直通対応車両だったので、登場当初はGTO素子のソフト音が純電気ブレーキ未更新でした。

なお同編成にワンマン運転対応改造工事が施工済みですが、すでに1066Fで記録済みなので省略します。ちなみに西武鉄道でも9000系にワンマン運転改造工事が施工された編成が登場。側面部安全確認カメラも付いていますので、標準装備となるかもしれませんね。
イベントでの撮影会では上り方から撮影することはあまり多くなくクハ1065側から撮影するのはある意味新鮮でした。なお種別行先表示は海側側面部への移動中に『団体専用』に変更されています(リニューアルの際には千代田線の種別行先が消去された)。
種別行先表示は再び『急行秦野』に戻りました。前照灯はハイビームとロービームの2種類が設定されましたが、尾灯はそのままです。今後他形式の撮影会でも上り方から撮る機会があるかもしれませんね。
終盤はヘッドマークなしの状態で撮りましたが、一部のみとさせていただきます。

今回このようなイベントを開催してくださいました関係者の皆様に感謝いたします。

2025年6月20日

【譲渡は1編成4両に】東急電鉄9000系9005Fのデハ9405が譲渡対象外となり長津田車両工場から陸送される

2025年6月19日、東急電鉄9000系9005F(5両固定編成)のうち、3号車として中間に連結されていたデハ9405が長津田車両工場から陸送されました。この車両は半自動ドアスイッチの設置の痕跡がなく、車外スピーカーや車番などが外されていたため、廃車解体処分になるものと思われます。すなわち西武鉄道には4両固定編成に短縮して譲渡されるものと見込まれます。
▲9000系9005Fの中間3号車、東横線時代の6号車に連結されていたデハ9405が陸送された。一部の車両部品などが抜き取られていて、譲渡対象外となったものと思われる。西武鉄道には国分寺線を除き1編成4両で譲渡されることとなりそうだ。

9000系9005Fのデハ9405は東横線時代は6号車に連結されていましたが、大井町線への転属で3号車に変更されていました。一部の車両部品が撤去済みであることから部品取りを行った可能性があり、半自動ドアスイッチの設置が見られないことから、廃車解体処分になるものと思われます。それと同時に西武鉄道には4両固定編成での譲渡となりそうです。一部中間車の車端部にはクロスシートが設置されていますが、西武鉄道に譲渡される際にはどうするのでしょうか。

【一気に2つのツアー発売】小田急電鉄ロマンスカー“EXEα”および“MSE”使用の特別団体専用列車で車庫を巡ります!

2025年6月20日より、小田急電鉄ロマンスカー車両を使用する特別団体専用列車でのツアーが2種類、子会社の小田急トラベルより発売されています。どちらのツアーも株式会社ホリプロマネージャーで鉄道ファンでもある南田裕介氏が同行します。開催日時と集合場所についてはそれぞれホームページで必ず確認をお願いします。
▲2025年7月26日実施予定のツアーでは土曜休日N21運用充当のロマンスカー“MSE”60000形4両固定編成を使用して、江ノ島線→小田原線(走行しない区間あり)→多摩線の順番で3路線を巡るものだ。多摩線唐木田(OT07)では南田氏との撮影タイムが設けられる。
▲2025年7月26日実施予定のツアーでは土曜休日N44N64運用充当または海老名検車区予備のロマンスカー“EXEα”30000形を使用して、出入庫に使用される構内留置線や検車区(喜多見検車区・喜多見検車区唐木田出張所・大野総合車両所)を巡っていく。

2025年7月26日開催予定のツアーとして、『「鉄道BIG4南田裕介さんと行く」ロマンスカー・MSE4両編成 夏の小田急線3線またぎの旅』に伴うもので、江ノ島線片瀬江ノ島(OE16)からツアー開始となるわけですが、これは土曜休日N21運用に充当のロマンスカー“MSE”60000形4両固定編成を使用して『メトロえのしま』(0491レ0490レ)の合間となる大野総合車両所入出庫を活用しているためで、片瀬江ノ島を発車後は喜多見検車区を経由して新宿(OH01)地下ホームに入線し、秦野(OH39)、新百合ヶ丘(OH23)を経て唐木田へ向かい、唐木田で南田氏と撮影タイムとなります。ツアー終了後に片瀬江ノ島へ戻る形で回送される見込みです。

2025年7月27日開催予定のツアーとして、『今年は「鉄道BIG4南田裕介さんが解説」!営業列車が入らない小田急線“謎の線路”』に伴うもので、土曜休日N44N64運用予定もしくは予備のロマンスカー“EXEα”30000形10両編成を使用して、経堂(OH11)をスタートし、構内留置線にさっそく入り、喜多見検車区唐木田出張所、喜多見検車区、新百合ヶ丘(OH23)構内留置線、大野総合車両所、本厚木(OH34)の引き上げ線を経て、海老名(OH32)でツアー終了となります。本厚木の引き上げ線以外は普段から出入庫に使用されています。私は同形式の未更新車とともに乗り継ぎツアーに参加したことがありますが、その始発駅がともに経堂だったことを思い出しました。

どちらのツアーも集合時間と集合場所にご注意願います。7月は2000形の撮影会と、今回発表された2つのツアーがありますので、撮影される際は熱中症に警戒するとともに、列車運転の妨げにならないよう安全にツアーを終えられるように尽力しましょう。

2025年6月19日

【ありがとう185系】東日本旅客鉄道185系0番台都オオC1編成が長野総合車両センターに配給輸送される

2025年6月18日、東日本旅客鉄道185系で最後まで残っていた新幹線リレー塗装復刻の0番台都オオC1編成(クハ185-2以下6両)が所属先の大宮総合車両センター東大宮センターから長野総合車両センターに配給輸送されました。同編成は廃車解体処分になるものと思われます。
▲1981年の登場・就役から約44年、185系がついに形式消滅へ。最後まで残った0番台都オオC1編成がついに廃車に。この編成はもともと5両固定編成だったが、中間付随車を抜き取り、都オオC2編成の中間電動車2両を組み込んで6両固定編成に組成され、200番台都オオB6編成とともに団体専用列車や臨時特急『185(いっぱーご)』として活躍していた。
▲185系200番台都オオB6編成はストライプ塗装のまま廃車。2021年に定期営業運転を終了してから約4年で同系列が完全消滅となる。

今回新潟車両センター所属のEF64形1031号機の牽引により配給輸送された185系0番台都オオC1編成はもともと5両固定編成の付属編成であり、東海道線内を基準に熱海(JT-21)寄りからクハ185-2+サハ185-1+モハ184-2+モハ185-2+クハ185-102の11号車~15号車として組成されていました。この当時号車番号はA編成からの続番ですが、B編成と連結する場合に限り8号車~10号車が欠番となっていました。2021年に定期営業運転を終了したあと、団体専用列車などで活躍を続けていた200番台都オオB6編成の予備的な存在になる編成として、サハ185-1を抜き取って0番台都オオC2編成からモハ184-8+モハ185-8を組み込んで、ストライプ塗装のまま6両固定編成になりました。号車番号は1から振り直され、クハ185-2+モハ184-8+モハ185-8+モハ184-2+モハ185-2+クハ185-102の組成で団体専用列車として活躍していました。ところがストライプ塗装での団体専用列車運用は数える程度で、そのあと新幹線リレー塗装に復刻されて(ただし登場当初の新幹線リレー塗装は200番台であったため、0番台と200番台の塗装がある意味逆になっていた)、結果的に最後まで残存する結果となりました。なお大宮総合車両センターにはクハ185-110(すなわち都オオC5編成の15号車先頭車)が前面部のみですが保存されています。

普通列車から快速列車(主に臨時運用)、特急列車(臨時運用を含む)まで約44年間、昭和・平成・令和と活躍した185系電車、ついに最後のお別れとなってしまいました。この動きにより東日本旅客鉄道の国鉄時代から存在する特急形車両で編成を組める車両が消滅となります。私も同系列使用の東海道線下り普通列車で何度か乗車したことのある思い出のある系列でしたから、改めて『ありがとう』の言葉を送りたいと思います。

~185系0番台・200番台、約44年間の活躍をありがとう!~

2025年6月17日

【都コツから消滅】東日本旅客鉄道E231系1000番台都コツK-02編成、東京総合車両センター入場で機器更新へ

2025年6月16日、東日本旅客鉄道国府津車両センター所属のE231系1000番台都コツK-02編成が自走で東京総合車両センターに入場しました。すでにドアエンジンの更新は済んでおり、制御装置など残る未更新だった機器の更新が行われるものと思われます。これにより同系列の国府津所属編成から『墜落インバータ』がほぼ完全消滅となります。
▲E231系1000番台の国府津車両センターに所属する基本編成では最後の制御装置未更新編成であった都コツK-02編成。その前に未更新編成の1編成だった都コツK-03編成も同様に入場している。これらの編成に制御装置更新工事が実施された場合、国府津車両センター所属の同系列から『墜落インバータ』がほぼ完全消滅となる。
▲2023年8月の衝突事故により東京総合車両センター構内に留置されているE231系1000番台都コツS-14編成。この編成はまだ制御装置未更新の状態だが、現在でも運用はできない。

残る制御装置未更新編成は2006年以降に小山車両センター向けに追加導入された増備編成の一部のみとなっています。小山車両センター所属の初期編成は基本編成が都ヤマU522編成、付属編成は都ヤマU2編成を最後に制御装置更新工事が完了しましたが、国府津車両センター所属の全編成でもまもなく完了となる見込みで、基本編成は都コツK-02編成、付属編成は実質都コツS-02編成を最後についに制御装置更新が完了することになります。まだ完全に消滅したわけではありませんが、小山車両センター所属の増備車でもごくわずかにまで減少しており、私もここ最近は制御装置未更新の編成に当たることが少なくなりました。小山車両センターに所属する増備編成で、同系列最後の機器未更新編成として残るのはどの編成になるのでしょうか。増備車でも付属編成を中心に制御装置更新工事が進んでいます。2025年以内には特徴のあった『墜落インバータ』が消滅する可能性が現実味を帯びてくるだけに、出会えたらぜひとも録音しておきたいですね。