2017年12月3日から4日未明にかけて日本車両製造豊川製作所を出場し甲種輸送された小田急電鉄の新型ロマンスカー70000形の愛称が『GSE』に決定したと発表しました。5日には大野総合車両所構内の89番留置線で報道関係者向けに初めて公開されました。
▲2018年3月のダイヤ改正以降に現役最古参のロマンスカー『LSE』7000形7003F・7004Fと最新型ロマンスカー『GSE』70000形の共演が実現することが濃厚に。両者の並びを撮る価値はありそう。
新型ロマンスカーの70000形の『GSE』は“Graceful Super Express”(最初の単語は『グレイスフル』と読む)の略称で、『優雅な』という意味を表す英単語の“Graceful”が使用されています。注目の車両番号は新宿(OH01)寄りからクハ70051+デハ70001(パンタグラフ付き)+デハ70101+サハ70151(パンタグラフ付き)+デハ70201+デハ70301(パンタグラフ付き)+クハ70351と組成されており、編成番号は『70051F』(つまり2編成目は『70052F』)となるようです。車体の塗装は『バーミリオンオレンジ』ではなく『薔薇(バラ)』の色を基調とした『ローズバーミリオン』となっていて、屋根部分は深い赤色の『ルージュボルドー』としています。また側面の帯は『ローズバーミリオン』と同化しているように思えますが、よく見てみるとロマンスカー『VSE』50000形およびロマンスカー『MSE』60000形と同じく『バーミリオンオレンジ』が継承されています。電動車と付随車の割合は4M3Tで中間の4号車のみ付随車となっており、主電動機はSiC素子VVVFインバータ制御となっていますので、メーカーは三菱電機製でしょうか。前照灯と室内灯には省エネルギーの観点からLED照明が採用されています。また、旅客用扉付近のデッキや客室内に監視カメラが設置されているほか、客室とデッキを仕切る扉は両開き仕様で衝突防止のために大部分ですりガラス構造になっているものと思われます。座席はロマンスカー『MSE』60000形と似たものとなっており、テーブルは座席横にある肘掛部分を開けて引き出す構造となっています(テーブルを引き出したり収納したりする際には指を挟まれないようにご注意ください)。また各座席の肘掛部分にはコンセントが備えられており、旅行中に電池がなくなったときの携帯電話の充電や通勤時のビジネスでパソコンを使うときなどに重宝しますね。また4号車サハ70151を除く各車両のデッキ部分には荷物を置けるラゲージスペースが設置されています。展望座席は各先頭車16席ずつ設けられていて、座席上の荷棚をなくしたことにより、ダイナミックな前面展望・後面展望を楽しめます。車内ではWi-Fiが利用できるほか、走行中の車両の振動を低減する『電動油圧式フルアクティブサスペンション』を搭載しています。さらには赤ちゃん連れの母親が授乳する場合や体調を崩した時などに備えて多目的室が設置されているほか、4号車サハ70151の車椅子対応座席部分は座席が着脱できる構造となっており、車椅子3台でも乗車できるようになっています。ちなみに座席定員は7両で400名となっています。
この形式は2018年3月のダイヤ改正で運用を開始することとなっており、最古参のロマンスカー『LSE』7000形も引き続き使用されるようです。また現役の展望車両による平日・土曜休日での運転ダイヤ(平日3運用、土曜休日4運用、そのうち後者の1運用はロマンスカー『MSE』60000形で代走の場合がある)が公開されていますが、その件については別記事であらためて紹介しようと思っていますのでお待ちください。