2025年(令和7年)まであと少しになりました。そこで今回は2024年(令和6年)に起きた鉄道の動きを1月から振り返ります。ここでは私が特に印象的なものを中心に抜粋し紹介させていただくことをご了承ください。
【1月】舞浜ディズニーリゾートライン“Type C”のラストナンバーが営業運転を開始
▲2024年元日に“Type C”100形ラストナンバーの151号編成(グリーン)がデビュー。この日から運転時刻が公表されていた“Type X”10形41号編成(グリーン)との同時運用が実現した。
1月には舞浜ディズニーリゾートラインの“Type C”100形ラストナンバーとなる151号編成(グリーン)がデビューしました。2024年9月に全列車が“Type C”100形での運転となることから、8月までは運転時刻が公表されている“Type X”10形41号編成(グリーン)との同時運用パターンが見られました。新旧同じ色のリゾートラインが走るのは“Type X”10形31号編成と“Type C”100形141号編成の新旧パープル以来です。
【1月】小田急電鉄3000形3091Fが“ENOSHIMA WAVE FEST”車体広告車として運用
▲小田急電鉄で珍しい車体広告車が出現。3000形3091Fが“ENOSHIMA WAVE FEST”車体広告車となった。車内広告は昨年12月からだったが、車体広告車としては2024年1月からとなった。
1月には小田急電鉄で珍しい車体広告車で、約5年ぶりに藤沢市江ノ島周辺で開催された複合イベント“ENOSHIMA WAVE FEST”を宣伝する『EWF開催応援号』として3000形3091Fが起用され、2月24日まで運転されました。なお“ENOSHIMA WAVE FEST”開催期間中の運用変遷で、23日は土曜休日E32運用(優等種別中心)→喜多見検車区唐木田出張所→土曜休日E16運用(各駅停車中心)、24日は土曜休日E17運用(各駅停車中心)で運用され(25日は喜多見検車区に留置)、イベント開催期間中に小田原線と多摩線は走行したものの、江ノ島線は走行していないことが明らかとなりました。
【1月】西武鉄道4000系に初の廃車が発生
▲池袋線・秩父線で活躍していた4000系に初めて廃車が発生。同系列の置き換えとして東急電鉄からサステナ車両の9000系が2025年度から譲受されることとなっているが、運用数減の関係からか譲受前に廃車が発生する事態となった。
1月には西武鉄道4000系4015Fが同系列で初めての廃車除籍処分となりました。2000系の置き換えと廃車(と6000系の転配)が進められているなか、飯能(SI-26)~西武秩父(SI-36)間を中心に運用されている4000系で編成単位で廃車となるのはこれが初めてのことです。この系列が運用されている同区間には2025年度から東急電鉄9000系を譲受する予定となっていますが、今回の廃車は4000系の運用数減による余剰と思われます。
【2月】東日本旅客鉄道E531系0番台のクハE531-17が代替新造される
▲2021年3月の自動車との衝突事故で炎上して廃車除籍処分となった、E531系0番台都カツK417編成のクハE531-17(初代)の代替の先頭車が新造され、E531系0番台都カツK409編成の10号車、2代目のクハE531-17となった。なお車体側面部の所属表記は省略されている。
▲2022年2月に正式に廃車除籍処分となったクハE531-17(初代)のうち、損傷のない部品類は流用された。このため修理扱いの代替新造の可能性が高い。
2月には東日本旅客鉄道E531系0番台の先頭車1両(セミクロスシート車両)が総合車両製作所横浜事業所を出場しました。この先頭車は前面部に記載された編成番号から、郡山総合車両センターに配給輸送されて入場していた都カツK409編成の10号車の2代目のクハE531-17となりました。なお同編成には機器更新工事とドアエンジン更新工事が行われました。先頭車は同系列で編成単位で最後に製造された都カツK483編成をベースに、車体側面下部の所属表記が省略されたものとなっています。一部部品が流用されており、代替新造の可能性が高いです。なお総合車両製作所横浜事業所出場時になかった車番(クハE531-17)は郡山総合車両センター出場時までに表記されたようです。
【2月】東武鉄道N100系“SPACIA X”の6両2編成が出場
▲6両2編成(12両)のみのN100系に心強い仲間が加わった。N103FとN104Fが日立製作所笠戸事業所から出場した。これで同系列は3運用4編成配置で予備1本が確保できることに。
2月には日立製作所笠戸事業所で製造されたN100系の2編成が登場しました。製造されたのは2023年度分となるN103FとN104Fの2編成で、2024年3月のダイヤ改正から3運用4編成の体制となり、1編成の予備が確保されました。なお同月には1運用が100系で運転となる日を利用してN102Fが試運転で日中時間帯の野田線(アーバンパークライン)を走るなど話題になりましたが、少なくとも1編成の予備車両ができたことで、同系列を使用した団体専用列車での運用が可能になりました。
【2月】日本貨物鉄道EF210形の相互転属が相次ぐ
▲日本貨物鉄道ではEF210形の相互転属が行われている。新鶴見機関区に配属されていたEF210形300番台の一部が吹田機関区に、吹田機関区に配属されていたEF210形100番台の一部が新鶴見機関区に相互に転属となっている。
2024年から日本貨物鉄道の吹田機関区に所属していた一部のEF210形100番台と新鶴見機関区に所属していたEF210形300番台の一部が相互に交換される形で転属しており、元新鶴見機関区所属のEF210形300番台が吹田機関区に、元吹田機関区所属のEF210形100番台が新鶴見機関区にそれぞれ転配されました。なお新鶴見機関区はEF65形、吹田機関区はEF66形100番台の置き換えのためEF210形300番台(現時点では新鶴見機関区の362号機まで)が導入されていましたが、今年度は363号機から新鶴見機関区に再び配属されています。
【3月】東日本旅客鉄道E259系の初代デザイン塗装が完全消滅
▲E259系で最後まで初代塗装で残っていた1編成の入場で2009年登場当初からのデザインが消滅した。なお2024年3月のダイヤ改正から特急『しおさい』で運用されるため、側面部の飛行機を模したロゴマークは省略されて出場した。また側面部の飛行機を模したロゴマークの撤去はダイヤ改正までに全22編成に行われた。
3月には東日本旅客鉄道E259系で最後の初代デザイン塗装で残っていた都クラNe022編成が大宮総合車両センターに入場したことで、2009年の登場時からのデザイン塗装が消滅となりました。2月中旬に同編成を『マリンエクスプレス踊り子』仕様で団体専用列車として運用、撮影会にも使用されていました。なお255系の置き換えで特急『しおさい』への充当が発表となって以降に入場していた編成は出場時から飛行機を模したロゴマークが省略され、ダイヤ改正までに全22編成で飛行機を模したロゴマークの撤去が完了しました。また座席のヘッドレストも新しいデザインに交換されました。
【3月】各鉄道会社ダイヤ改正の話題
▲東日本旅客鉄道・西日本旅客鉄道北陸新幹線では金沢~敦賀間が延伸開業。小松・加賀温泉・芦原温泉・福井・越前たけふが新たに新幹線停車駅に。並走区間の旧北陸本線は大聖寺を境に石川県側はIRいしかわ鉄道、福井県側はハピラインふくいに継承された。双方ともに西日本旅客鉄道から移管される前から交通系ICカードが利用できる。
▲2024年3月15日で定期営業運転を終了した東日本旅客鉄道255系だが、房総方面の全特急列車の全車指定席(座席未指定券で空席に着席可能、ただし指定席特急券の方を優先する)に慣れてもらうため、代走扱い(定期営業運転を実質延長する形)で特急『わかしお』の一部と特急『さざなみ』1往復に充当されていた。
▲東日本旅客鉄道京葉線では日中時間帯以外の快速が各駅停車に格下げ、通勤快速が消滅となり、千葉県民から反発の声が途絶えず大きな問題に。結局は早朝の外房線上総一ノ宮始発と内房線君津始発の1本ずつの快速運転が維持されたが(外房線からの便は外房線内各駅停車に変更)、相変わらず千葉県民からの反発の声は根強く、9月に異例の再改正を行った。
3月には各鉄道会社でダイヤ改正が実施されました。東日本旅客鉄道・西日本旅客鉄道は北陸新幹線金沢~敦賀間の延伸開業、特急列車(『サンダーバード』『しらさぎ』)の敦賀発着への変更、並走路線の第3セクター化などが行われました。京葉線では千葉県民からの猛反発があり社会問題となった快速の大幅減便と通勤快速の廃止、房総特急の全車指定席化(特急『しおさい』はE259系に変更)、鶴見線のワンマン運転の開始などがありました。当初このダイヤ改正で定期営業運転を終了する予定であった255系は房総特急の全車指定席に慣れてもらう観点から、代走扱いではあるものの営業運転期間を6月下旬まで延長し、特急『わかしお』と平日の特急『さざなみ』1往復、臨時特急で限定運用されました。なお2025年3月のダイヤ改正では再び快速列車が各駅停車から変更の形で増便される見込みです。
【3月】相模鉄道11000系『そうにゃんトレイン』の11代目は11004Fに
▲11000系のラッピング電車の『11代目そうにゃんトレイン』は11003Fではなく11004Fとなった。これは10代目にトップナンバーの11001Fが起用されていたためで、11004Fが奇数代に起用されるのは初めてのことである。
▲これまでの『そうにゃんトレイン』の起用の法則が崩れた10代目に起用された11001F。ちょうど『そうにゃん』が登場から10年を迎えたタイミングでもあった。
3月には11代目そうにゃんトレインとなった11004Fが運用を開始しました。同編成はこれまで8代目までの偶数代を担当してきましたが、10代目はそうにゃんが10周年となることにちなんで、まさかのトップナンバーの11001Fが起用されたこともあり、8代目以来の起用となったほか、奇数代での起用は11004Fにとっては初めてのこととなりました(これと同時に11003Fは奇数代での起用ではなくなる)。来年に交代が予想されますが、次の12代目はどの編成になるでしょうか。
【4月】西武鉄道6000系50番台アルミ車、静かに地下鉄直通運用から離れる
▲これまで東京地下鉄直通運用など自社線に限らず活躍してきた6000系50番台のアルミ車。40000系の追加投入でステンレス車の一部は新宿線に移籍し、50番台のアルミ車は池袋線に残るものの、地下鉄直通運用から静かに撤退している。このため新宿線などで活躍する編成とともに識別用に貫通扉の窓上部に黄色のテープを貼付している。
4月には西武鉄道6000系の地下鉄直通運用撤退が進むなか、50番台アルミ車も直通運用から離れていたことが話題になりました。これは40000系ロングシート車を追加投入することで6000系を地下鉄直通の運用から徐々に外してステンレス車の一部を新宿線・拝島線(玉川上水車両基地)に転配し、2000系を置き換えています。6000系ステンレス車の一部を新宿線に転配し、アルミ車を池袋線に残して、2000系を置き換えようとなんとか努力していることがうかがえました。黄色いテープが貫通扉にある編成の場合は地下鉄に直通しない運用に限定しているようです。
【4月】東京地下鉄9000系9115Fが6両固定編成のままB修繕工事を受ける
▲南北線向け9000系9115Fが6両固定編成のままB修繕工事を実施。まだ中間付随車は新製されていない。本来この編成は増結が予定されているはずだった。一体どうなってる?
▲南北線向け9000系9109Fは8両固定編成に増結されたが、16000系ベースの中間付随車とは大きな差異が見られる。ただし5次車は登場当初から付随車が1両組み込まれているため、増結の対象に含まれていないようだ。
4月には東京地下鉄南北線の9000系9115Fが中間付随車を連結せず新木場CRにてB修繕工事を受けました。前回施工の9109Fとは異なり、増結用中間付随車を組み込んでいない状態で出場したことがポイントです。ただしこれまで最初の8編成に施工されたB修繕工事施工編成とは異なり、3号車は付随車に変更されていませんので、9109Fのように今後の増結を見越した工事が施工されたものと思われます。
【4月】相模鉄道10000系10702Fが“YOKOHAMA NAVYBLUE”車両に
▲10000系10両固定編成で3代目塗装への変更および内装変更が省略されていた10702F。2021年5月の衝撃の姿での運用復帰から約3年越しに塗装変更と内装変更が実施された。
4月には相模鉄道10000系10両固定編成で“YOKOHAMA NAVYBLUE”への塗装変更と内装の変更を省略していた10702Fが3代目塗装と内装変更工事を受けて運用復帰しました。なお2021年はコロナ禍でのコストカットにより塗装変更と内装変更を省略し、11000系に近い姿での運用復帰となったため、それから約3年越しに塗装変更と内装更新が実現しました。なお同様の工事は8両固定編成の10703Fにも施工されました。このため2021年からわずか3年で2代目塗装のまま制御装置更新済みの編成はいったんは消滅しています。
【5月】舞浜ディズニーリゾートライン『ファンタジースプリングス ライナー』運転開始
▲6月6日グランドオープンの『ファンタジースプリングス』をイメージした『ファンタジースプリングス ライナー』となった“Type C”100形151号編成(グリーン)。就役から約5ヶ月でまさかの期間限定ライナー起用となった。
5月には舞浜ディズニーリゾートラインで6月6日オープンの『ファンタジースプリングス』を記念した『ファンタジースプリングス ライナー』が運転を開始しました。車内BGMはほぼ常に“Journey to Fantasy Springs”(インストゥルメンタルバージョン)が流れています。当該は元日にデビューを果たしたラストナンバーの“Type C”100形151号編成(グリーン)で運転時刻が公表されています。なお運転期間は2025年4月上旬までの予定です。内装にも装飾がなされているほか、座席は“Type X”10形をイメージしたものに変更されています。なお同月には登場から初となる検査施工のため、2020年就役の“Type C”トップナンバーが陸送されたことも注目を集めました。
【5月】東急電鉄東横線5000・5050系4000番台の“Q SEAT”サービスが変更に
▲編成中間に“Q SEAT”を組み込む5000・5050系4000番台。全4編成が相模鉄道直通対応工事を施した元8両固定編成を改番して“Q SEAT”車両を組み込んだ。このうち4号車でのサービス適用が終了となり、5号車のみのサービスに縮小された。
▲編成中間の“Q SEAT”車両。よく見るとパンタグラフのある5号車(中間電動車)には広告用ドアステッカーがないが4号車(中間付随車)には広告用ステッカーが貼付されており、4号車でのサービスを終了したことが分かる。
5月には東急電鉄東横線の“Q SEAT”サービス縮小の話題。同月7日から東横線向け有料座席指定サービスの“Q SEAT”が従来の4号車・5号車から5号車のみに縮小され、5月2日をもって4号車でのサービス適用が終了となりました。4号車の車体の“Q SEAT”のラッピング自体は継続されているものの(撤去予定はない)、“Q SEAT”サービス適用列車であっても4号車のみ終日ロングシートで運用されることとなり、サービス適用の5号車と区別するために広告ドアステッカーが貼付されました。ただしサービス適用列車は本数が増加しました。
【5月】小田急電鉄8000形8261F(6両固定編成)が西武鉄道に初譲渡
▲小田急電鉄で約39年間活躍した8000形8261Fが西武鉄道に譲渡された。小田原線内では8000形8257F(6両固定編成・廃車除籍済み)、池袋線内は新101系263F(4両固定編成)が牽引を担当した。それ以外の区間は新鶴見機関区所属のEF65形2074号機が担当した。
5月には小田急電鉄で登場当初からリニューアル更新工事を経て約39年間活躍した8000形8261F(6両固定編成)の西武鉄道譲渡に伴う甲種輸送が行われました。この形式は国分寺線のサステナ車両(中古のVVVFインバータ制御車両に名付けられる西武鉄道の独自呼称)として譲渡が予定されており、その第1弾となりました。系列名は『8000系』に決まり、改造工事の様子が西武鉄道公式YouTubeにアップされています。5月19日に東海道貨物線区間、20日に池袋線区間を日中時間帯に輸送されたとあって、甲種輸送の8000形を目当てに多くの鉄道ファンが駆けつけました。甲種輸送時に池袋(SI-01)寄りとなった6号車クハ8261の電気連結器が撤去済みとなっている以外は転用改造前の姿を維持していました。
【6月】東海旅客鉄道315系3000番台が静岡地区でデビュー
6月には東海旅客鉄道315系3000番台の静岡地区向けの静シスU1編成が東海道線でデビューを果たしました。神領車両区所属の315系3000番台をベースに、車体の側面部に半自動ドアスイッチを備えるなどの仕様変更が実施されています。現在は静シスU12編成までが配属されており、神領車両区・大垣車両区から転入した313系とともに211系を順次置き換えています。
【6月】小田急電鉄5000形5055Fの『もころん号』、フルリニューアルされる
▲小田急電鉄5000形5055Fの『もころん号』が2代目に。フルラッピングに拡大したほか、ドアステッカーはもころん仕様に変更された。またもころんの形をした吊革も設置された。
6月には小田急電鉄5000形5055Fの『もころん号』の2代目フルラッピング仕様へのリニューアルが喜多見検車区で行われ、パワーアップして運用を開始しました。ドアステッカーはもころん仕様に変更されたほか、先頭車の乗務員室と客室を仕切る壁面に隠れもころんがいるほか、3号車子育て応援車両のサハ5355に通じる貫通扉にもころん、フリースペース部分にも装飾が実施されました。さらにはもころんの形の吊革が設置されました。当該編成は小田急アプリの中のロマンスカーのページから確認することができます(これだけでなく“Love for Baby”車両が設定された5052F・5054Fの分も確認できる)。
【6月】東急電鉄1000系1022Fを改造した1500番台1522Fが『いけたまハッピートレイン』に
▲東急電鉄1000系元1022Fを制御装置更新やデザイン変更で1500番台となった1522Fが『いけたまハッピートレイン』となった。運転終了後に既存の1500番台と同じデザインになるのだろうか。
6月には東急電鉄雪が谷検車区所属の1000系1022Fが制御装置更新工事やデザイン変更などで1500番台化改造工事を受けて、1500番台1522Fになりましたが、その編成が『いけたまハッピートレイン』になりました。1500番台に改造された編成が既存編成と同じデザインでない姿で運用入りするのは異例です。池上線と多摩川線で運転されています。東急電鉄にはなかったパープルとピンクのデザインが違和感ありますね。
【7月】京成電鉄3200形(6両)が日本車両製造豊川製作所より登場
▲京成電鉄で車両数を状況に応じて変更できる新型車両3200形が登場。先頭車3両、中間車3両の6両が落成しており、4両もしくは6両での運用が可能になりそうだ。3500形などが置き換えられていくものと思われる。
7月には日本車両製造豊川製作所で製造された京成電鉄3200形(2代目車両)の第1陣となる『3201』~『3206』の6両が落成しました。このうち3両は先頭車、3両は純粋な中間車となっています。3500形のように両数編成を適宜変えることができます。乗車の際には特急券が必要ですが、コンパートメントなど特別車両への乗車にはさらに特別車両料金が必要になります。今年度はさらに2編成(N103F・N104F)が追加投入される見通しです。
【7月】舞浜ディズニーリゾートラインで1組1両ずつの貸切乗車を開始
▲舞浜ディズニーリゾートラインの“Type C”100形を主に使い、運転間隔が開く日中時間帯に貸切乗車を開始した。なお“Type X”10形も使用された時があったが、長期間運用を離れていた時期もあり、貸切乗車には数回ほどしか使用されなかった。
7月には舞浜ディズニーリゾートラインで珍しく1組1両を貸し切る貸切乗車を開始しました。運転間隔が6分(2本運転)になる日中時間帯を中心に朝の時間帯で入庫したまたは夕方前後から出庫する編成を使用しました。初代車両の“Type X”10形は長期間運用を離れていたタイミングがあってかラストランまでには間に合いましたが、日中時間帯の貸切乗車の形では数回しか使用されませんでした。
【8月】京王電鉄7000系が就役40周年を迎える
▲廃車が進む7000系だが就役40周年(写真は7807F)。同系列の短い車両編成(4両固定編成など)の置き換えが進んでおり、2代目2000系の導入が控えているので、7000系のさらなる減少が予想される。
京王電鉄で動物園線・競馬場線や京王本線・高尾線・相模原線などで幅広く活躍する7000系が就役から40周年となったことを記念して、同系列の一部編成に就役40周年のヘッドマークが掲出され運転されました。主に4両+6両を組む編成に掲出されました。新型車両として2代目2000系の導入を控えていますので、早めに記録しましょう。動物園線・競馬場線は基本的に同系列で運転されています。
【8月】東日本旅客鉄道E501系に初の廃車が発生
▲常磐線でE531系付属編成(0番台・3000番台)を使用して一部時間帯・一部区間に車掌が乗務しないワンマン運転が導入され、定期運用を大幅に縮小していたE501系に廃車が出た。
8月には東日本旅客鉄道常磐線のE501系に初の廃車が発生しました。最初の廃車は都カツK751編成で、元付属編成の5両固定編成に至っては末期は水戸といわきを朝方の普通列車で1往復するのみとなっていました。この余剰のため都カツK754編成が常磐線や水戸線などでの団体専用列車向け(E501 SAKIGAKE)に改造され、主に団体専用列車で日中時間帯にも走行しています。これ以外の元付属編成の動向が注目されますが、元基本編成の10両固定編成もそこまで長くないのかもしれません。
【8月】南海トラフ地震臨時情報に伴い一部列車が減速運転などの対応に
8月には宮崎県で発生した地震の影響から発出された南海トラフ地震臨時情報の影響で、海沿いを走る鉄道会社や一部区間で減速運転を実施したり、長距離列車では運休が発生するなどしました。この措置は解除まで続きましたが、お盆休みが近かったときもあり、不安に感じることが多かったのではないでしょうか。
【9月】大雨の影響で小田急電鉄小田原線の一部区間で3日間不通に
▲台風などに起因する大雨の影響で小田急電鉄小田原線東海大学前(OH38)~秦野(OH39)間の盛土が流出、伊勢原(OH36)~秦野間で3日間運転見合わせとなった。東側では所定よりも本数減があるものの伊勢原発着(1番ホーム・2番ホーム折り返し)で運転された。
9月には台風に起因する大雨の影響から小田急電鉄小田原線では伊勢原~秦野間で3日間運転見合わせとなり、東海大学前~秦野間では盛土流出が確認されました。週末に近いことからかなり影響が出たようです。伊勢原~秦野間では代行バスが用意されました。9月に運転を再開しましたが、東海大学前~秦野間では引き続き速度規制が実施されています。
【9月】京王電鉄9000系9731Fが制御装置更新工事や内装更新工事などを実施へ
▲大規模工事実施のため長期間入場となる9000系9731F。この編成はハローキティのラッピング電車として運転されていた。
9月には京王電鉄9000系10両固定編成でハローキティのラッピング電車として運転されていた9731Fが若葉台検車区併設の若葉台工場に入場しました。同系列では初の制御装置更新と内装更新工事が行われているものと思われます。これに先立ってこのハローキティのラッピング電車の長期間運休を“X”(旧Twitter)で発表していました。9000系では初の制御装置更新車両となりますが、東京都交通局新宿線方面への乗り入れは当面行われない可能性があります。
【9月】西武鉄道30000系38101Fの“DORAEMON-GO!”が運転を終了
▲メインの新宿線・拝島線だけでなく、池袋線・狭山線などでも運用されていた30000系38101Fの“DORAEMON-GO!”が運転を終えた。最終日は拝島線内を往復するだけだった。
9月には30000系38101F(8両固定編成)の“DORAEMON-GO!”が運転を終了しました。運転終了日前日と運用最終日は当該編成の運用が公表され、最終運用は拝島線内を1往復するのみとなっていました。同編成は元の姿に戻って運用復帰しています。ドアステッカー類や座席モケット、車両間貫通扉の装飾など、ドラえもんの世界観が随所に見られました。
【10月】東日本旅客鉄道E5系幹セシU6編成の“Magical Journey Shinkansen”が運転開始
▲東北新幹線で活躍するE5系の幹セシU6編成が“Magical Journey Shinkansen”となって運転を開始した。運転時刻はホームページに掲載されているので要チェックだ。
東日本旅客鉄道東北新幹線でE5系幹セシU6編成に東京ディズニーシーの新エリアとして同年6月にオープンした『ファンタジースプリングス』に登場するキャラクターなどのラッピングを施した“Magical Journey Shinkansen”が運転を開始しました。運転時刻はホームページに掲載されていますので狙うことができます。運転されない日がありますので事前に調べておくなどしましょう。2025年6月まで運転を予定しています。
【10月】東日本旅客鉄道中央線・青梅線E233系0番台のグリーン車の先行運用を開始
▲E233系0番台に連結されたグリーン車組み込み編成の運用が開始された。2025年3月15日のダイヤ改正で本格サービスが開始されるが、その前日の14日まではグリーン料金(ICカードなどで購入の場合、50kmまで750円・100kmまで1,000円)なしで乗車できる。
10月には東日本旅客鉄道E233系0番台に連結されたグリーン車の先行運用を開始しました。登場直後に試運転でサロE233-1+サロE232-1を暫定的に組み込んでいた都トタH57編成とサロE233-2+サロE232-2を暫定的に組み込んでいた都トタT24編成が正規編成としてそのまま組み込まれた形となりました。2025年3月のダイヤ改正でグリーン車サービスの本格導入に先立ち、お試し期間としてグリーン車を普通車扱いとして追加料金なしで3月14日まで利用できます。グリーン車の連結は豊田車両センターのほか、グリーン車連結車両が普段留置される国府津車両センターや幕張車両センターなどで行われており、編成番号とグリーン車の番号が一致していません(一部編成を除く)。
【10月】舞浜ディズニーリゾートライン“Type X”10形が廃車除籍処分で完全消滅
▲9月にラストランを行った舞浜ディズニーリゾートラインの最後の“Type X”10形が廃車除籍処分となり、完全消滅となった。なお一部先頭車が展示のためカットモデルとなっていたことがあった。
10月には2001年の開業当初から使用されてきた舞浜ディズニーリゾートラインの初代車両である“Type X”10形の最後の編成が廃車除籍処分となり、陸送されました。これにより初代車両の置き換えが完了しました。同形式のラストランまでにはリゾート・ゲートウェイ・ステーションで同形式の先頭車1両をカットモデルにして展示していましたが、ラストラン終了後に撤去されました。
【11月】首都圏エリアの一部主要駅で発車メロディの変更相次ぐ
11月には東日本旅客鉄道の首都圏エリアの一部主要駅でこれまでに親しまれていた発車メロディが順次新曲のもの(曲名は現時点で不明)に変更されて、話題となりました。10月上旬に横浜(JT-05,JK-12,JO-13)での変更を機に順次変更され、逗子(JO-06,JS-06)、鎌倉(JO-07,JS-07)、戸塚(JT-06,JO-10)、新川崎(JO-14)、武蔵小杉(JO-15)3番線・4番線、東京(JT-01,JC-01,JY-01,JE-01,JK-26)、新宿(JB-10,JC-05,JY-17,JA-11)などで変更が確認されました。なかには消滅したレアな発車メロディもあることから、突然の変更に驚いた方もいたのではないでしょうか。実は私もそのひとりです。
【11月】東日本旅客鉄道E217系都クラY-101編成が登場当時の帯色に復刻される
▲鎌倉車両センターでのイベントに備えて帯色を登場当時のものに復刻していた都クラY-101編成がその帯色のまま営業運転に入ったことが話題に。しかし鉄道ファンのトラブルの影響からそのあと同編成は運用されていない。
11月には東日本旅客鉄道E217系都クラY-101編成がイベント実施に備えて登場当時の帯色を復刻して運用されたことが大きな話題を集めました。しかし鉄道ファンのトラブルにより大船(JO-09)~千葉(JO-28)間を1往復した後入庫となりました。それ以降はあまり運用されていません。イベントで展示される機会はあるかもしれませんが、営業運転に入る機会はほぼないものと思われます。なお同編成はかつて東海道線でも運用されていたことがあります。
【11月】東京臨海高速鉄道71-000形東臨Z11編成が登場
▲いよいよ本格的に置き換えが迫る209系ベース車両の70-000形。在籍の全8編成(80両)が置き換えられる見通しとなっている。なお同形式の一部車両から転用された209系3100番台はすでに廃車済みで、旅客用扉は一部3000番台から転用されたものが再利用されている。
11月には東京臨海高速鉄道の新型車両として東日本旅客鉄道E233系7000番台や相模鉄道12000系に合わせるように両系列を基本的なベースとしてE235系で採用された機能を一部で取り入れて総合車両製作所新津事業所で製造された71-000形電車、東臨Z11編成が登場しました。最初の編成は1号車川越寄りから『71-101』+『71-102』+『71-103』+『71-104』+『71-105』+『71-106』+『71-107』+『71-108』+『71-109』+『71-110』となっているようです。東臨運輸区に配属となっていますが、東日本旅客鉄道の新製車両と異なり所属表記は記されています。
【12月】東日本旅客鉄道205系1100番台、譲渡の動き見せるか?
▲東日本旅客鉄道鶴見線で活躍した205系1100番台の最後まで残っていた2編成、都ナハT15編成と都ナハT17編成が所定の廃車解体処分とは異なる動きを見せている。富士山麓電気鉄道への譲渡などの動きがあるのだろうか。なお南武線支線で活躍した1000番台は2編成が廃車解体処分のため、配給輸送された。
12月には東日本旅客鉄道鶴見線で活躍した205系1100番台のうち、国府津車両センターへの疎開回送と配給輸送を免れていた都ナハT15編成と都ナハT17編成が大宮総合車両センターに入場した話題が注目されました。富士山麓電気鉄道への譲渡を含めた動きが注目されています。富士山麓電気鉄道は元京葉線の0番台のほか、元埼京線の0番台や元川越線・八高線の3000番台が譲渡されて富士山麓電気鉄道6000系として運用されており、1100番台が加わると初めてのこととなります。なお今回入場の2編成は先頭車1両とそれ以外の2両で旅客用扉の窓の大きさが異なっているため、そこの処遇が注目されることになります。
【12月】西武鉄道40000系初の8両固定編成が登場
12月には事業計画で発表のあった40000系初の8両固定編成が登場しました。最初の編成は48151Fで、10両固定編成をベースとしつつもロングシートの8両固定編成となりました。女性専用車ステッカーがないことや、2号車モハ48251が弱冷房車となっているため、新製配置先が注目されることになります。2000系は廃車や車両短縮などで数を減らしていますが、一部の2両固定編成は近江鉄道に譲渡されていますので、譲渡の動きを含めた動向に注意する必要がありそうです。
【12月】東武鉄道80000系が近畿車輛製造より登場
12月には東武鉄道野田線(アーバンパークライン)向けの南栗橋車両管区七光台支所に配属となる5両固定編成の80000系が登場。編成は81501F・81502Fで、すべて5両が新製車両となっています。これに関連して60000系61601Fが5両固定編成化の短縮工事のため近畿車輛製造に甲種輸送されており、中間車のサハ64601(3号車)を抜き取り、80000系に転用される見込みです。80000系の編成構造から、同系列3号車として転用されるのでしょうか。
2024年は新型コロナウィルスの第5類の移行で鉄道イベントが数多く行われるようになり、行動様式が大きく変化しました。来年はダイヤ改正を控えており、多くの鉄道会社で詳細が発表されています。2025年もいったいどういう動きが見られるか楽しみです。それではよいお年をお迎えください。