2024年12月5日より、東武鉄道野田線(アーバンパークライン)で登場当初から6両固定編成で運用されていた60000系61601Fが近畿車輛製造に向けて甲種輸送されました。新型車両80000系は5両固定編成で新製されますが、60000系からの転用車両(日立製作所笠戸事業所製造)を除き、全編成の107両(うち35両は全車新製車)が近畿車輛製造で製造される予定で、その転用車両の最初がサハ64601になるものと思われます。
▲野田線全列車の5両固定編成化に向けて60000系の編成短縮・80000系5両固定編成の新製が本格的に行われることになり、8000系(写真は8171F・8111F)と10000系列はどうなるのだろうか。動態保存車両として昨年夏に8111Fが転入しているが、その編成の今後も心配になるだろう。
2024年度に新製される80000系は5両固定編成5編成(25両)であり、予定数全25編成のうち7編成分(35両)以外は60000系の中間車1両を改造編入するため4両(18編成分・72両)で新製されるものと予想され、80000系仕様に転用改造された元60000系の1両が組み込まれます(新製車両数は所定よりも18両少ない107両)。このため今回近畿車輛製造へ甲種輸送された60000系61601Fのうち付随車にあたるサハ64601が今後80000系の中間車(それが電動車に改造されるかは不明)として転用されるものと思われます。これに伴って60000系61601Fは5両固定編成に短縮されるものと思われます。残る17編成分についても同様の動きを見せることになるでしょうか。今回は抜き取られた中間車1両を廃車が一切出ることなく最後まで80000系の中間車として活用してほしいと思います。なお余剰となっていた中間車を他系列の中間車として転用された例は事情は異なりますが東日本旅客鉄道・東急電鉄であります。
東日本旅客鉄道ではE231系500番台の10号車として連結されていたサハE231形4600番台(消滅済)を転用改造してE235系0番台の10号車のサハE235形4600番台(一部を除く)として組み込みました。最終的にはE235系0番台全50編成のうち2編成分(都トウ04編成・都トウ05編成)の10号車が新製車両(サハE235形500番台)で、改造編入は48編成分(転用は48両、最終転用は都トウ50編成の10号車のサハE235-4601で元サハE231-4601を改造)、改造編入対象から外れた元サハE231形4600番台の4両(2両分は編成数減少による)は残念ながら解体処分済みとなっています。
東急電鉄では大井町線急行専用車両の6000系の2代目の3号車(登場当時の6両から7両に増結する際の中間増備車)として連結されていたシングルアームパンタグラフ付きのデハ6300形のうち、転換クロスシートの“Q SEAT”車両(2代目デハ6301・2代目デハ6302)に代替された6101Fの元初代デハ6301・6102Fの元初代デハ6302を転用改造して目黒線の5000・5080系の増結車両(2代目4号車)として組み込みました。最終的には元初代デハ6301は5189Fの4号車デハ5489、元初代デハ6302は5190Fの4号車デハ5490となりました。制御装置がどちらも東芝製で、転落防止幌は撤去済みですがその台座自体は残っています。車内も大井町線時代の座席モケットが残されており、1編成に座席モケットが3種類(目黒線仕様・大井町線仕様・中間増備車仕様)混ざっているのも面白いです。