2024年10月22日から小田急電鉄大野総合車両所に入場していた小田急箱根鉄道専任編成の1000形1066F(4両固定編成)が12月11日に出場し小田原線内で試運転を実施しました。大野総合車両所入場前とは姿が異なっており、動向が注目されています。
▲大野総合車両所にワンマン運転対応改造工事のために入場していた1000形1066F。写真の時点では車体側面部に安全確認カメラが設置される前であるが、両先頭車にある電気連結器が完全に撤去され、非常時を除き連結が不可能となった。
▲2014年度にこの形式の先陣を切ってリニューアル更新工事を受けてから約10年、1000形1066Fの電気連結器が撤去されたことで10両固定編成と同じスカート形状に改造され、この形式の4両固定編成では初の電気連結器を撤去した編成となった(10両固定編成への大規模改造時を除く)。
1000形1066Fは同形式で最初のリニューアル更新工事施工編成で、施行から約10年ほどで電気連結器が完全に撤去されました。もともと1000形の電気連結器は4両固定編成に限ってリニューアル更新工事を施工されたあとも同形式の“ブツ8”(4両+4両)を組むことを考慮して現在の小田急箱根鉄道専任の編成を含めて両先頭車の電気連結器は2段化して存置され、大野総合車両所に改造工事で入場する前までは維持していたことになります。電気連結器はクハ1066側・クハ1166側の双方で撤去されたことにより異常時を除き、他形式他編成とは連結が完全にできなくなったほか、スカートは10両固定編成と同じ形状に改造されました(ただし改造後の痕跡がある)。車体側面部に新たに丸い形状の乗降安全確認カメラが設置されており、東日本旅客鉄道の一部路線区でワンマン運転を導入した路線で採用されているものとは異なっています。同編成は2025年度から小田急箱根鉄道小田原(OH47)~箱根湯本(OH51)間で試験が実施される予定のワンマン運転に対応する工事が施工されたようで、小田急箱根鉄道専任編成の全4編成に今後このような改造工事が実施されるものと思われます。なお運転席には乗降確認のためのモニターが設置されているものとみられます。これにより現在電気連結器付きで残る1063F・1064F・1065Fの動向が注目されることになります。平日・土曜休日ともに114運用終了後か111運用出庫前相当のときに海老名検車区から大野総合車両所に自走回送された(または運用終了後に海老名検車区に入庫せずにそのまま大野総合車両所に自走回送されることがある)場合は要注意です。
小田急箱根鉄道専任編成で初めてワンマン運転対応となった1000形1066Fはまもなく運用に復帰する可能性があり、次に入場する小田急箱根鉄道専任編成の動向が気になるところです。1000形で“ブツ8”は1057F・1067F・1069Fでのいずれか2編成のペアで固定されそうです(というかそれでほぼ決まりですが…)。
【小田急電鉄1000形のワンマン運転対応状況】※小田急箱根鉄道専任編成のみ
《ワンマン非対応》4両固定編成3編成(12両) 1063F・1064F・1065F
《ワンマン対応済》4両固定編成1編成( 4両) 1066F