2024年12月13日、東日本旅客鉄道が2025年3月15日(平日ダイヤは17日)に実施する予定のダイヤ改正の概要を発表しました。今回も【新幹線】と【在来線特急列車】・【在来線一般列車】(メインは首都圏エリア)に分けて紹介します。また支社別のプレスリリースでも詳しい紹介がありますので、各最寄路線の管轄支社の発表も併せてご参照ください。
【新幹線】
▲東北新幹線では主力愛称の『はやぶさ』の東京~新青森間の1往復が増発に。また盛岡発着の『やまびこ』および山形新幹線『つばさ』の所要時間を短縮する。なお『つばさ』ではE3系2000番台の置き換えにE8系を追加投入、2026年3月ダイヤ改正でE3系2000番台が引退となり、すべてE8系となる。
▲山形新幹線『つばさ』のE8系追加投入で2026年3月のダイヤ改正で運用を終了するものと思われるE3系2000番台。ただし臨時『つばさ』や所定のE8系運転列車がE3系2000番台での運転となることがあるので注意だ。
東北新幹線では新青森発着の『はやぶさ』の1往復(青1754←東1444・青1417→東1732)を増発するほか、盛岡行き『やまびこ』下り2本、新庄行き『つばさ』下り1本の所要時間を短縮し速達性を向上します。『つばさ』ではE8系を9編成追加投入、上下9本をE8系での運転に変更します。北陸新幹線・上越新幹線では利用が集中している『はくたか』1本の混雑平準化と本庄早稲田の停車間隔調整のため、長野始発の『あさま』1本の運転時刻を繰り下げるほか本庄早稲田に停車する新幹線1本が越後湯沢始発の『たにがわ』から新潟始発の『とき』に変更となります。
【在来線特急列車】
在来線特急列車では中央線E233系0番台へのグリーン車サービス本格導入に伴う特急『はちおうじ』『おうめ』の運転取りやめのほか、中央線特急列車の運転区間延長と大糸線直通の『あずさ』の運転区間変更、高崎線特急『あかぎ』の運転区間の変更と土曜休日ダイヤでの運転取りやめ、常磐線特急の全定期列車の延長などがあります。
▲中央線特急では平日運転の『はちおうじ』『おうめ』がE233系0番台でのグリーン車サービスの開始に伴い運転取りやめとなる。また新宿(JC-05)発着となっている列車を東京(JC-01)まで延長するほか、大糸線直通列車は白馬(13)~南小谷(09)間の運転が取りやめとなり、すべて白馬発着となる。
▲特急『ひたち』『ときわ』に充当されるE657系。上野(JJ-01)発着で残っていた『ときわ』の1往復が品川(JT-03)発着となり、常磐線特急のすべての定期列車が品川発着となるが臨時列車では上野発着で設定されることがある。
▲特急『成田エクスプレス』は下り1本・上り2本で千葉(JO-28)に新たに停車する。ちなみに特急料金は乗車区間に空港第2ビル(JO-36)・成田空港(JO-37)発着を含むか含まないかで分かれ、空港を含まなければ中央線・東海道線などと同じ形態の特急料金が適用される。
▲高崎線特急『あかぎ』『草津・四万』に充当のE257系5500番台(代走で2500番台)。このうち前者は運転区間を見直すほか、土曜休日の運転がなくなる。
首都圏を発着する特急列車では両数や停車駅の増加、利用状況に合わせた運転区間見直しと運転取りやめなどがあります。詳しく見ていきます。
中央線特急列車では東京~大月(JC-32)間と青梅線の立川(JC-19)~青梅(JC-62)間でE233系0番台(T編成・H編成)のグリーン車サービスの本格運用の開始(※詳細は後述します)に伴い、平日に運転されていた『はちおうじ』『おうめ』の運転を取りやめます。これにより1991年から『おはようライナー』→『中央ライナー』『青梅ライナー』と、現在の特急列車に格上げされて以降も続いていたライナー的な列車が完全消滅します。その代わり青梅線内は河辺(JC-60)発着の一部列車を青梅発着に延長、中央線内は山梨県内からの臨時列車として特急『かいじ』(甲府(CO-43)発東京行き・甲0540→東0745)を運転します。また上下2本ずつの『あずさ』の両数を12両に増やすほか、夕方以降の新宿発を東京発に延長することで、新宿16時30分発以降の特急列車はすべて東京発となります。また長野地区で運転されている臨時特急『信州』は全車指定席に変更し、着席の機会を増やします。
常磐線特急列車では平日1往復のみ上野発着となっている『ときわ』(2053M列車・2054M列車)が品川発着に変更され、常磐線の全定期特急列車が品川発着となります(臨時特急が運転される場合は上野発着もあり得る)。ただし人身事故などで上野東京ラインが直通運転を中止とした場合、その限りではありません。また特急『成田エクスプレス』では下り1本、上り2本で新たに千葉に停車し、利便性を向上します。
高崎線特急列車では『あかぎ』の土曜休日の運転を取りやめ、平日に運転の通勤特急に特化するほか、高崎発の早朝の1本を鴻巣発に、上野発の1本を高崎行きから本庄行きに変更し、運転区間が縮小されます。
【在来線普通列車】
▲E233系0番台に連結されるグリーン車サービスの本格運用が開始される。無料でのお試し期間は3月14日までで、T編成・H編成(一部を除く)はグリーン車が留置されている豊田車両センター、国府津車両センター、幕張車両センター順次グリーン車組込を行っている。これにより平日の『はちおうじ』『おうめ』が運転取りやめとなるので注意だ。
▲京葉線では西船橋(JM-10)~海浜幕張(JE-14)間で増発列車があるほか、平日に下り2本、土曜休日に下り1本快速列車が再び増便となる。快速通過駅ではその本数分停車列車が減るので注意だが、新習志野(JE-12)・幕張豊砂(JE-13)では西船橋発着の増便分がある。
▲常磐線では一部列車の運転区間や運転時刻が変更され、一部では水戸での乗り継ぎが発生する場合がある。なお早朝に設定のある我孫子(JJ-08)始発高萩行きは上野発に変更となり、我孫子始発の列車は勝田行きとなる。
▲常磐緩行線・南武線(本線)・田沢湖線の一部区間ではワンマン運転(前者2路線は都市型ワンマン運転)となる。前者2路線ではホームドアの設置が進んでいるほか、常磐緩行線では先行して駅備え付けの発車メロディを廃止している。なお南武線では一部増発が実施される。
在来線では新型コロナウィルスの5類移行後の利用状況に合わせて運転変更や増便などが実施されるようです。朝晩の快速列車廃止で騒動になった京葉線でも快速が再び増便となります。中央線ではグリーン車サービス開始に伴う変更や特急列車の運転取りやめによる延長があります。
中央線ではE233系0番台の4号車・5号車に連結が進んでいるグリーン車サービスの本格運用を開始し、東京~大月・立川~青梅間でグリーン車サービスが適用されます。自動放送にも『グリーン車は4号車と5号車です。グリーン車をご利用の際にはグリーン券が必要です』の文面が追加される見込みです。これに伴い特急『はちおうじ』『おうめ』が運転取りやめとなり、『おうめ』の代替として青梅線内では河辺発着列車を青梅発着に延長・変更します。グリーン料金はICカード利用で50kmまでが750円、100kmまでが1,000円で、現金利用での通常料金で50kmまでが1,010円、100kmまでは1,260円となります(なおグリーン車サービス適用範囲に101km以上の区間はない)。また土曜休日では青梅線内も通過運転を行う『ホリデー快速おくたま』を従来の新宿発から東京発に延長するほか、青梅線立川と五日市線武蔵五日市(JC-86)を直通する列車を増やします。
京葉線では西船橋~海浜幕張間の2往復の増発と一部の定期列車を海浜幕張に延長するほか、平日に東京(JE-01)16時02分発・21時21分発で快速蘇我行き、土曜休日に東京21時21分発で快速蘇我行きに変更し、快速の本数を増やします。朝夕時間帯の快速列車については運転時刻を変更のうえ、所要時間を短縮します。武蔵野線も増発となりますので、乗り継ぎの際は注意してください。
常磐線では我孫子始発の高萩行きを勝田行きに、上野始発の勝田行きを高萩行きに変更し、所要時間を短縮するほか、水戸線直通列車を含む一部列車の運転区間を変更します。これにより一部で水戸での乗り継ぎが発生します。また水戸で接続する水郡線は車両数と行先を変更し、日中時間帯の13時台にある水戸~郡山間の直通列車が無くなり、常陸大子での乗り継ぎが発生します。
横須賀線では東京行き最終列車と翌朝の同駅始発の初列車をトンネル区間での夜間工事作業時間確保のため、品川行き、品川始発に短縮します。ただし代替として山手線・京浜東北線があります。総武快速線では一部列車の増発があるほか、減便となる時間帯もあるようです。東海道線では輸送体系の見直しが予定されているほか、東海道線と直通運転を実施している高崎線では一部列車の15両編成への増強や運転区間変更などが予定されています。
また常磐緩行線・南武線(本線)の全線・田沢湖線の一部区間(赤渕~田沢湖間)では車掌が乗務しないワンマン運転が実施されるほか、長野エリアでは篠ノ井線や大糸線松本(42)~穂高(32)間でICカードのSuicaのサービス利用開始(自動改札機設置駅はICカード対応に、自動改札機非設置駅はICカード簡易改札機設置)に伴い、ワンマン運転時に後ろの車両の限られた扉から乗車して進行方向寄りの先頭車の扉から降りる従来の方式を変更し、すべての扉から乗降できる信用乗車方式に変更となります。またこれは新潟エリアの羽越本線新津~新発田間、越後線新潟~吉田間、白新線新潟~新発田間のワンマン運転でもすべての扉から乗降ができる信用乗車方式になります。
篠ノ井線では運転間隔が開く時間帯を中心に増発列車があるほか、大糸線では信濃大町(23)~南小谷間の運転本数を見直します。なお中央本線小淵沢(CO-51)以西の各駅と篠ノ井線では新たに駅番号を導入し、塩尻は“CO-61”と“SN-01”、松本は“SN-06”、姨捨は“SN-13”、篠ノ井は“SN-15”と“SE-09”、長野は“SE-13”のナンバリングが施されます。ナンバリングの“SE”は9から13のみですが、1~8が欠番なのはおそらくしなの鉄道区間に挟まれているためと思われます。
これ以外にも山手線や日光線では利用者増加に伴って増発が予定されているほか、越後線では新潟~白山間に2面2線の相対式ホームとなる新駅『上所』(かみところ)が開業し、ICカードSuicaが利用できます。