2025年5月17日、東日本旅客鉄道が2025年春(2025年7月~9月)の臨時列車の運転概要を発表しました。注目すべき首都圏の臨時列車を中心に抜粋して紹介します。全車指定席の特急列車が多く、乗車日の1ヶ月前の10時から指定席特急券が取れますので、事前に特急券の確保などの綿密な計画を立てておきましょう。
【新幹線】
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▲新幹線は『はやぶさ』『かがやき』『つばさ』など全車指定席の列車が増発となり、『とき』についても全車指定席の臨時列車があるので注意だ。
新幹線ではイベント開催時や夏休み・お盆の時期を中心に増発運転が実施され、東北新幹線『はやぶさ』・『こまち』、山形新幹線『つばさ』、北陸新幹線金沢発着の『かがやき』が増便されるほか、上越新幹線『とき』の臨時便は全車指定席となります。乗車日の1ヶ月前の10時から新幹線を含む指定席特急券を買えることを考慮して計画を立てましょう。なお自由席が存在する北陸新幹線『あさま』や上越新幹線『たにがわ』などの増発もありますので、公式ホームページの時刻表で確認するようにしましょう。
【在来線】
在来線では土曜休日を中心に多数の臨時列車(主に特急列車)が設定されます。首都圏地区では波動輸送向けE257系5000番台・5500番台、E653系1000番台の充当列車が中心です。ただし編成数に限りがあり、5500番台は定期運用と兼用のため、車両状況次第ではそれぞれの線区の定期特急列車に使用される系列が、特急『アルプス』などでE257系2000番台が使用されることがあります。
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▲臨時特急列車は定期特急列車に使用される系列のほか、波動輸送向けのE257系5000番台・5500番台で運転されるが、波動輸送に使用される編成数は少なく、同系列5500番台では特急『草津・四万』の定期運用もあるので、使用車両に要注意(特急『草津・四万』は2500番台が代走することで穴埋めできる)。
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▲房総エリアの臨時特急列車にはお盆の時期など
最繁忙期の一部列車に限り、255系
都マリBe-03編成も充当される。今年のGWや最繁忙期での房総特急列車充当に備えて最後の1編成だけ残された形となっている。充当は
『新宿わかしお』の1往復(一部日程)と『わかしお89号』のみとなる。京葉線内を久しぶりに255系が走行する光景が見られそうだ。
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▲E353系の臨時特急列車は『あずさ』『かいじ』『富士回遊』が中心で、平日の『信州』や、大糸線の『はくば』があるほか、通勤利用に便利な『かいじ70号』が設定される。
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▲E657系は『ときわ』が多いが、東海道線の『伊東按針祭花火大会号』1往復の運用がある。なお平塚発着の臨時特急列車の設定は今夏はない。

▲東武鉄道100系を使用する臨時特急列車では9月6日に往路、7日に復路で運転され、宇都宮線上野(JU-02)~大宮(JU-07,JS-24)間にも入線する『スペーシア上野日光』である。新宿(JS-20)発着では『スペーシア日光』『スペーシアきぬがわ』で乗り入れているが、上野への乗り入れは非常に珍しい光景となる。しかも往路は日中時間帯の運転だ。
首都圏エリア(在来線)の春の臨時列車はE257系5000番台(都オオOM-91編成・都オオOM-92編成・都オオOM-93編成)・5500番台(都オオOM-51編成~都オオOM-55編成)およびE653系1000番台都カツK70編成・都カツK71編成の臨時特急がありますが、編成数が限られているため日程や車両都合などによりそれぞれの定期特急列車に使用されている車両(信州方面はE353系、房総特急はE257系500番台とE259系(『しおさい』のみ)、伊豆半島方面はE257系2000番台・2500番台など)が使用されることがあります。
E257系を使用する臨時特急列車は波動輸送向けの5000番台や5500番台が多く、5000番台は『あずさ』や『踊り子』が中心、5500番台は定期運用をもつ『草津・四万』のほか、『谷川岳山開き』『谷川岳もぐら』『谷川岳ループ』『富士回遊』などがあります。房総地区方面の『新宿さざなみ』『新宿わかしお』『しおさい』は同系列500番台で運転されるほか、最繁忙期の一部日程では255系都マリBe-03編成が充当される列車があります。255系が充当される臨時列車は、8月9日から11日までと16日・17日の『新宿わかしお』1往復、8月9日から11日までの『わかしお89号』となります。これらの特急券は争奪戦になりそうです。同系列使用列車には4号車にグリーン車指定席を連結しています。
E653系1000番台の充当列車は新潟~酒田・秋田の特急『いなほ』を除き、勝田車両センター所属の都カツK70編成や都カツK71編成が充当されます。今夏では青梅線青梅(JC-62)発着の『夏の海浜公園青梅号』、中央線高尾(JC-24)発着の『夏の海浜公園高尾号』、高崎線高崎発着の『夏の海浜公園高崎号』、川越線川越発着の『夏の海浜公園川越号』、内房線君津発着の『夏の海浜公園君津号』が同系列で運転されます。なおE657系で運転される東海道線平塚(JT-11)発着は今夏の運転はないようです。
E657系の臨時特急列車は特急『ときわ』以外に、東海道線東京(JT-01)と伊東線伊東(JT-26)を結ぶ特急『伊東按針祭花火大会』があり、その3号(伊1822←東1625)・4号(伊2216→東2406)に充当されます。しかも4号は東海道線東京行きの上り最終列車( 728M列車)よりも遅いため他の臨時特急列車で深夜帯を走行する列車とともに乗り過ごしには注意が必要です。編成はE653系0番台の復刻塗装編成(都カツK1編成・都カツK2編成・都カツK3編成・都カツK12編成・都カツK17編成)以外となりそうです。ただし『ときわ』は臨時列車であっても復刻塗装編成が使用されることがあります。
E353系を使用する臨時特急列車は『あずさ』『かいじ』『富士回遊』のほか、平日のみ運転の『かいじ70号』、花火大会の復路である『諏訪湖花火大会号』があるほか、付属編成単独では『信州』1往復、『はくば』1往復があります。また大糸線直通の特急『アルプス』にはE257系2000番台(都オオ)が起用されるものと思われます(その返却を兼ねた列車は松本(SN-06)始発の『あずさ』となるとは限らない)。
さらに東武鉄道100系を使用する臨時特急列車として上野発着で初設定となる『スペーシア上野日光』(往路…日1359←上1200、復路…日1702→上1905)となります。上野~栗橋間は宇都宮線を走行し、連絡線を経由して東武鉄道に直通する経路で、大宮以北は通常の『スペーシア日光』『スペーシアきぬがわ』と同じです。大宮以南は通常は東北貨物線(湘南新宿ラインが走行する線路)を走行して池袋(JS-21)・新宿に至りますが、今回は上野発着の設定があるということで、大宮以南も宇都宮線を走行します。大宮~赤羽(JU-04,JS-22)間は東北貨物線経由ではありますが、入線していることを考慮すると、上野~赤羽(JU-04,JS-22)間は初入線ということになるでしょうか。上野からですと東京地下鉄銀座線で浅草(G-19,TS-01)へと向かい、そこで東武鉄道伊勢崎線(スカイツリーライン)に『きぬ』、『けごん』(この前に『リバティ』を付する列車も含む)、『スペーシアX』乗り継ぐというのが一般的です。
これらの列車の乗車には乗車券(土曜休日のみ休日おでかけパスなどのフリーきっぷ(青春18きっぷを除く)でもOKだが、範囲外にまたがる場合はフリーきっぷ範囲内の末端駅から範囲外の下車駅までの乗車券も必要、区間によりICカード)のほか指定席特急券(首都圏エリアに限らず有料快速の場合は指定席券)が必要になるので、乗車予定日の約1ヶ月前に購入することをお勧めします。また座席ランプ不使用(東海道線⇔常磐線の臨時特急列車)または未設置(特にE257系5000番台・5500番台の特殊名称の列車およびE653系1000番台)の臨時特急列車では券面の号車・座席に正しく着席したとしても、特急券確認のために車内改札が行われることがありますので、乗車してからも車内改札が終了・通過するまでは特急券などを紛失しないように注意してください。