2024年5月19日

【大手私鉄から大手私鉄へ】小田急電鉄8000形8261F(6両固定編成)が西武鉄道譲渡のため甲種輸送される

2024年5月18日終電後より、小田急電鉄8000形8261F(6両固定編成)の西武鉄道への譲渡に向けた甲種輸送が海老名検車区発で実施されています。甲種輸送実施前の海老名検車区構内では1000形1064F(4両固定編成)を用いて構内入換が行われたほか、小田原線内のみの牽引を担当した8000形8257F(6両固定編成)と連結した姿が目撃されていました。
▲新製当初からリニューアル更新工事を経て約39年間を過ごした小田急電鉄に別れを告げ、登場から40年目で新天地の西武鉄道へ旅立った8000形8261F。甲種輸送実施前にクハ8261とクハ8561に反射板が取り付けられた。西武鉄道国分寺線で8000形8261Fが第2の人生で活躍する日々を期待してやまない。
▲8000形8261Fの西武鉄道譲渡に伴う甲種輸送で小田原線内区間を海老名検車区に予備留置されていた8257F(6両固定編成)が担当した。新松田(OH41)到着後には新鶴見機関区所属のEF65形2074号機にバトンタッチして、8257Fは海老名検車区に戻った。

今回の甲種輸送は西武鉄道が発表した2024年度鉄道設備投資事業計画で8000形6両固定編成1本をサステナ車両(西武鉄道が導入する中古のVVVFインバータ制御車両の独自呼称)として譲受することとなっており、予想通りに8261Fがその当該となりました。小田原線内(海老名検車区→新松田)では8257F(6両固定編成)が牽引を担当し、新松田から日本貨物鉄道新鶴見機関区所属のEF65形2074号機が担当しています。西武鉄道池袋線と線路が繋がっている東日本旅客鉄道武蔵野線新秋津(JM-31)まで甲種輸送されるものと思われ、そこからは新101系263Fが小手指車両基地まで甲種輸送を担当するものと思われます。日中時間帯に東海道本線および東海道貨物線を走行したことから、多くのファンが駆けつけていました。あくまでも予測ですが甲種輸送の経路は海老名(OH32)→新松田→松田(CB-05)→沼津(CA-03)→新鶴見信号場→新秋津(JM-31)・連絡線・所沢(SI-17)→小手指(SI-19)かと思います。譲渡に伴う甲種輸送により6両1編成が小田急電鉄から除籍されたことになります。

なお3号車のサハ8461の子育て応援車両ステッカーはなくなっていましたが、小田急電鉄のロゴマーク、ドア広告のステッカー、円形のドアステッカー、ホームドア対応のQRコード、1号車のクハ8561の女性専用車ステッカーは貼付されたままでした。西武鉄道に到着した8000形8261Fの動きが注目されます。

【甲種輸送実施時の編成組成】
東海旅客鉄道御殿場線内
EF65形2074号機+クハ8561+デハ8511+サハ8461+デハ8311+デハ8211+クハ8261
それ以外の路線区間
EF65形2074号機+クハ8261+デハ8211+デハ8311+サハ8461+デハ8511+クハ8561

【8000形の在籍状況】※2024年5月19日現在
全体…18編成90両/32編成160両(長期離脱中の編成を除く)
《4両固定編成》
運用中…9編成(36両)
8051F8053F8057F8058F8059F8063F8064F8065F8066F
廃車済…7編成(28両)
8052F8054F8055F8056F8060F8061F8062F
《6両固定編成》
運用中…9編成(54両)
8252F8253F8257F8258F8260F8262F8263F8265F8266F
譲渡済…1編成(  6両)
8261F
廃車済…6編成(36両)
8251F8254F8255F8256F8259F8264F

【基本はE257系多い】東日本旅客鉄道が夏(7月~9月)の臨時列車の運転概要を発表

2024年5月17日、東日本旅客鉄道が2024年夏(2024年7月~9月)の臨時列車の運転概要を発表しました。注目すべき首都圏の臨時列車を中心に抜粋して紹介します。全車指定席の列車が多いですので、乗車日の約1ヶ月前の10時から指定席特急券などが取れますので、事前に計画などをしておきましょう。

【新幹線】
▲新幹線では延伸開業した北陸新幹線で『かがやき』などを増発運転。E7系またはW7系が使用される。またそれ以外の新幹線でも臨時運転の列車が多数あるので、各自で調べて確認していただきたい。

新幹線では延伸開業した北陸新幹線の敦賀発着の『かがやき』を3往復、金沢発着の『かがやき』を1往復、長野発着の『あさま』を1往復臨時運転するほか、E3系2000番台またはE8系の『つばさ』、遠方への旅行に便利な『はやぶさ』『こまち』や『とき』、『たにがわ』を運転します。臨時『とき』、『はやぶさ』『こまち』『かがやき』『つばさ』は全車指定席での運転となりますので、乗車日の1ヶ月前の10時からの新幹線特急券の購入をお勧めします。

【在来線】
在来線では土曜休日を中心に多数の臨時列車が設定されています。E257系を用いる臨時特急列車が多く、185系の充当は7月20日・21日の臨時特急『谷川岳もぐら』『谷川岳ループ』だけとなっています。2編成(12両)の在籍も根強い人気のある車両ですので、動向が気になるのは間違いないはずです。また勝田車両センター所属のE653系1000番台都カツK70編成都カツK71編成やE657系の臨時特急列車もあります。基本的には特急列車となり全車指定席での運転となりますので、乗車日の1ヶ月前の10時からの新幹線特急券の購入をお勧めします。
▲今夏も185系電車(基本的には200番台都オオB6編成、予備で0番台都オオC1編成)を使用する臨時特急列車はあるが、『谷川岳もぐら』と『谷川岳ループ』のみとなっている。
▲E257系の臨時特急列車は波動輸送向けの5000番台・5500番台で運転されることが多い。ただし房総方面は500番台、『踊り子』は2000番台で運転されることがある。また夜行列車のような臨時特急『アルプス』がE257系での運転で設定されている
▲E657系の臨時特急列車は『ときわ』のほか、東海道線平塚(JT-11)発着の臨時特急『夏の海浜公園平塚号』、東海道線・伊東線内のみの臨時特急『伊東按針祭花火大会』(3号・4号の1往復)がある。前者は平塚まで入線するが、後者は伊東(JT-26)まで入線する。

首都圏エリア(在来線)の春の臨時列車はE257系5000番台・5500番台(都オオ)およびE653系1000番台都カツK70編成都カツK71編成の臨時特急が中心で、一部185系電車(200番台都オオB6編成・予備で0番台都オオC1編成)を使用する臨時列車があります。このなかで私が気になった臨時列車を抜粋します。

まず185系を用いる臨時特急列車ですが、基本的に200番台都オオB6編成(状況により0番台都オオC1編成)を使用する列車は7月の臨時特急『谷川岳もぐら』『谷川岳ループ』のみで、2編成と少数派であることから動向が注目されます。なお横浜(JT-05)と伊東を途中無停車で結ぶ臨時特急『185(いっぱーご)』は今夏の設定はありません。

次はE257系を使用する臨時特急列車です。同系列の臨時特急列車は9両固定編成の5000番台および5両固定編成の5500番台がメインです。中でも注目は新宿(JC-05)を23時58分に出発して大糸線白馬(13)に翌朝6時22分に到着する臨時特急『アルプス』です。新宿が終電間際の24時前の発車とあり、まさに夜行列車のような感じですね。5000番台での運転になるものと思われます。このほかに7月26日・8月23日に東京(JT-01)~熱海(JT-21)間で運転の臨時特急『熱海海上花火大会号』、8月10日の東京~伊東間で運転の臨時特急『伊東按針祭花火大会号』があり、後者は2往復あるうち、3号・4号はE257系ではなく、E657系で運転されることが特徴です。昨年は都カツK13編成が伊東まで入線を果たしましたが、今年はどの編成になるのでしょうか。

次にE657系の臨時特急列車ですが、『ときわ』のほか、東京~伊東間の臨時特急『伊東按針祭花火大会号』(3号・4号)と、平塚発着の『夏の海浜公園平塚号』で東海道線品川(JT-03)以南の区間を走行し、8月は伊東線まで乗り入れます。臨時特急列車に使用できる編成が限られてしまうため、運転日は比較的少なめです。

これ以外ではE353系付属編成を使用した大糸線内完結の臨時特急『はくば』が松本(42)~白馬間で新規に設定されるほか、常磐線日立と横須賀線鎌倉(JO-07)を直通する臨時特急『常磐鎌倉号』のほか、高崎線高崎と横須賀線横須賀(JO-03)を結ぶ臨時特急『鎌倉・横須賀海まち巡り』が設定されます。横須賀線横須賀までの臨時特急列車は大船(JO-09)から延長運転していた『成田エクスプレス』以来となります。

これらの列車の乗車には乗車券(区間によりICカード)のほか指定席特急券(首都圏エリアだけに限らず有料快速の場合は指定席券)が必要になるので、乗車予定日の約1ヶ月前に購入することをお勧めします。185系充当列車は人気ですので気をつけてください。

2024年5月18日

【懐かしい塗装】相模鉄道10000系10705F(8両固定編成)と10708F(10両固定編成)にラッピング電車

2024年5月18日の2042レ(土曜休日14運用)より、相模鉄道10000系8両固定編成の10705Fに登場時からの初代塗装をイメージしたピーコックグリーンの『懐かしの若草版』のラッピング電車、同日の2048レ(土曜休日50運用)より、同系列10両固定編成の10708Fに登場当時の8000系・9000系を継承して赤帯で登場したらという想定の『往年の赤帯版』のラッピング電車としてそれぞれ運用を開始しました。両編成ともに同年11月頃まで運用される予定です。
▲登場当初から2代目塗装変更までの塗装をイメージしたピーコックグリーン塗装『懐かしの若草版』のラッピングを先頭車の一部に施された8両固定編成の10000系10705F。同編成の横浜(SO-01)寄り先頭車のクハ10705ではロゴマークも初代仕様が復刻されている。
▲登場当時のピーコックグリーンではなく8000系・9000系を継承する赤帯で登場した想定の『往年の赤帯版』のラッピングを一部に施された10000系10708F。この編成では過去に何度か『ウルトラヒーロー号』として赤色塗装で運用されていたことがある。

10000系では制御装置更新と、前照灯移設・種別行先案内表示器と列車番号表示器の更新が進められており、登場当時の姿を残すのは半数の4編成となっています。登場当時の姿を維持している10705F(8両固定編成)と10708F(10両固定編成)を用いて、10705Fには登場当時のカラーリングをイメージしたラッピング、10708Fには8000系や9000系の登場時を継承する赤帯で登場した場合を想定したラッピングが施され、運転区間は相鉄本線といずみ野線のみとなります(通常ダイヤでの新横浜線での定期運用はありません)。ちなみに8両固定編成は5運用(平日は11運用~15運用に限定)、10両固定編成は19運用(50運用~59運用・61運用~69運用)で運用されますが、運転時刻は公表されていませんのでご注意。

2024年5月16日

【約1ヶ月間限定】西武鉄道40000系40153Fに『GLAY 30th Anniversary ラッピングトレイン』

2024年5月13日より、西武鉄道40000系ロングシート車の40153Fに6月8日・9日に所沢市のベルーナドームで行われるデビュー30周年を記念するロックバンド“GLAY”の『GLAY 30th Anniversary ラッピングトレイン』が運転を開始しています。
▲武蔵丘車両基地所属の40000系40153Fが“GLAY”一色に。

40000系は池袋線向けのロングシート仕様の編成を用いてムーミンなどの様々なラッピング電車・ヘッドマーク車を運転していますので、池袋線だけでなく相互直通運転先の路線でも見ることができます。40153Fの『GLAY 30th Anniversary ラッピングトレイン』は6月15日までの約1ヶ月間となります。また『西武線アプリ』でもアイコンで確認することができます。この系列では今年度は10両固定編成ではなく8両固定編成3本分(24両)の新製を発表していますので、その際に連結器などの仕様変更があるのか気になりますね。

2024年5月15日

【解体処分へ】東日本旅客鉄道E217系都クラY-39編成が長野総合車両センターに配給輸送される

2024年5月15日、東日本旅客鉄道鎌倉車両センター所属のE217系都クラY-39編成(クハE217-39以下11両)が新潟車両センター所属のEF64形1031号機に牽引され所属先から南武線経由で長野総合車両センターへ配給輸送されました。廃車解体処分のためと思われます。
▲E217系基本編成の都クラY-39編成がEF64形1031号機に導かれて帰らぬ旅へ。解体処分になることは濃厚だ。

今回の配給輸送も日中時間帯に運転されました。基本編成または付属編成2本の廃車の場合は長野総合車両センターへの配給輸送、付属編成単独の廃車の場合は東京総合車両センターへの自走回送(ドアステッカー類の撤去)で行われているようです。今回の編成は1998年度後半に製造された7次車で、約26年間の活躍となりました。この次車区分から貫通扉が廃止されましたが、実質は貫通扉があるように見せかけているダミー仕様となっていました。

【9000系列置き換えへ】東急電鉄が2024年度鉄道設備投資事業計画を発表

2024年5月13日、東急電鉄が2024年度鉄道設備投資事業計画を発表しました。今年度の投資額は約468億円となります。

【車両面】
▲大井町線の各駅停車(急行は代走のみ)で活躍する9000系。全15編成が長津田検車区に在籍するが、生え抜きの1本(9007F)以外はすべて元東横線(元住吉検車区)からの転用だ。同系列を置き換える6020系をベースとする新型車両が登場するため、同系列は2025年度から西武鉄道向けに譲渡される予定。譲渡対象外の編成がいる可能性もあるので動向に注意したい。
▲大井町線の各駅停車(急行は代走のみ)で活躍する9000・9020系。元田園都市線の2000系を転用し、一部の車両を組み換えて9000系列に改造編入したものだが、元2000系のベース車両は9000系だ。最初に制御装置と内装の更新工事を施工された元2003F(現在の9023Fの4両)を含む全3編成15両が在籍する。この3編成は確実に譲渡されてほしいところだ。
▲大井町線の各駅停車向けにも6020系ベースの新型車両を新製投入する。ただし急行通過駅のホーム有効長を考慮して急行列車向けの7両固定編成に対して各駅停車向けは5両固定編成になるものと思われる。大井町線内基準で溝の口(OM-16)寄りの先頭車のみ九品仏(OM-11)でドアカットとなるため、そのスイッチも装備されるだろう。
▲今年度からは目黒線車両など、登場から20年以上が経過している車両(写真は目黒線向けの3000系3101F3105F)のリニューアルを実施することとなっている。となると5000系列の初期編成にもその工事が波及する可能性は十分にありそうだ。

車両面では大井町線の9000系列を置き換えるための6020系をベースとした新型車両の製造に着手します。すべてを置き換えると考えると18編成(90両)が必要になります。すでに運用範囲の区間の各駅にはホームドアが整備されているため、3020系のように転落防止幌は省略される可能性があります(急行列車向けの6000系と6020系では全編成撤去済み)。置き換えとなる9000系列は2025年度から西武鉄道に譲渡される予定となっています。さらに今年度からは目黒線の3000系など登場から20年以上が経過した車両を中心にリニューアル更新工事を施工することとなっており、5000系列の初期編成などにも施工される可能性があります。なお5000・5080系のうち一部編成は中間増備車に合わせた座席モケットに更新されているようです。

【設備面】
設備面では田園都市線駒沢大学(DT-05)・桜新町(DT-06)の駅リニューアル、大井町線戸越公園(OM-03)付近の連続立体交差事業、田園都市線での定位置停止装置(TASC)の導入に向けた車両改造工事と地上装置の設置(現在は5000系の1編成の先頭車のみ改造工事で入場中)、3D式の踏切障害物検知装置の導入、田園都市線・大井町線でのディスプレイ式の旅客案内装置(発車標)の設置、目黒線各駅への非常停止ボタンの装備、駅照明のLED化、ホームと車両床面の段差および隙間解消、池上線五反田(IK-01)でのホームドアへの更新などが予定されています。また東急電鉄では自動改札機(交通系ICカードの専用改札機を除く)の切符の投入口付近にクレジットカードのタッチ決済およびQRコードをかざしたうえでの後払い乗車サービスの実証実験を5月15日から開始しました。

【2024年度ホームドア設置対象】池上線五反田
【2024年度駅照明LED化の対象】東横線白楽(TY-18)・大井町線尾山台(OM-12)
【2024年度法面補強工事の区間】田園都市線青葉台(DT-20)~田奈(DT-21)
【2024年度耐震補強工事の区間】
《高架橋》東横線大倉山(TY-15)~菊名(TY-16)間、田園都市線二子玉川(DT-07,OM-15)付近
《擁 壁》東横線学芸大学(TY-05)~都立大学(TY-06)間。

2024年5月14日

【5000形久々の増備】小田急電鉄が2024年度鉄道設備投資事業計画を発表

2024年5月14日、小田急電鉄が2024年度鉄道設備投資事業計画を発表しました。今年度の投資額は約413億円です。今回も【車両面】と【設備面】に区分して紹介します。

【車両面】
▲2024年度は約2年ぶりに5000形が2編成(20両)増備される。同形式の増備は2022年12月に川崎車両株式会社で製造された5062F以来で、続番となれば5063F5064Fが登場することに。このうち1編成には新製当初から線路や架線などの鉄道設備モニタリング装置を搭載する
▲2024年度も3000形6両固定編成のリニューアル更新工事が引き続き進められ、現在入場中の3269F(旧川崎重工業5次車)を含む3編成(18両)に施工される。3次車と4次車の施工が完了したため、5次車以降の編成で進められることになる。年度最初のリニューアル更新工事施工となる3269Fは旅客用扉の交換が予想される。
▲通勤形最古参形式の8000形は5000形の増備で再び置き換えられるほか、今年度から西武鉄道国分寺線向けの『サステナ車両』として6両固定編成1本が譲渡される予定。小田急電鉄からは除籍されるが大手私鉄から大手私鉄に中古のサステナ車両が渡るのは異例だ。

車両面では通勤形最古参の8000形を置き換えるため、2代目5000形(10両固定編成)が2編成(20両)増備されます。同形式の増備は2022年12月の5062F以来で約2年ぶりで、続番の場合は5063F5064Fが登場します。このうちどちらかの1編成には東急電鉄で設置が進む線路や架線などの鉄道設備モニタリング装置が新製当初から搭載されます。東急電鉄の車両では中間付随車の1両(3020系および5000・5050系4000番台)に搭載工事を行っていますので、5000形でも3両ある中間付随車の1両(サハ5150形・サハ5250形・サハ5350形のいずれか)に搭載されるものと思われます。これらの2編成は川崎車両株式会社兵庫工場または日本車両製造豊川製作所で製造されるものと思われます。一方の3000形は6両固定編成3本(18両)のリニューアル更新工事が施工され、現在は3269F(旧川崎重工業5次車)が入場していますので残る5次車以降の2編成分(12両)がどうなるか注目されます。年度最初の施工となる3269Fでは旅客用扉の交換が実施されるでしょうね。

一方の8000形は2代目5000形の増備で置き換えられ、このうち6両固定編成の1本は新たに西武鉄道国分寺線向けにサステナ車両として譲渡される予定です。ちなみに残存する8000形で種別行先案内表示器が3色LED式のまま残るのは6両固定編成3本のみで、いずれも廃車除籍処分となっていますので、動向に注意が必要です。今年度の譲渡は6両固定編成1本のみですので、おそらくはフルカラーLED式の編成になるでしょうか。

【設備面】
▲1日の平均利用者が10万人を超える各駅にホームドアの設置が進められ、ロマンスカーが停車駅ではロマンスカー対応の大開口ホームドアとなる。今年度は相模大野(OH28)・海老名(OH32)・中央林間(OE02)・大和(OE05)のすべてのホームに設置される予定で、相模大野ではすでに下りホームにホームドア本体が設置済みである。
▲既存の通勤形車両への車内防犯カメラ設置も進められる。4000形はワンマン運転対応工事の際に車内案内表示器の隣に千鳥配置で設置され、他形式はLED照明と一体化した車内防犯カメラ(1000形は八幡電気産業株式会社、2000形と3000形はアンデス電気株式会社のもの)に一部交換することで、運用離脱の期間を短縮している。

小田急電鉄では2032年度までに、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用して、新宿(OH01)~本厚木(OH34)間の小田原線各駅と江ノ島線の中央林間(OE02)・大和(OE05)・藤沢(OE13)にホームドアの設置を進める予定となっており(ただし新百合ヶ丘(OH23)・藤沢は大規模駅改良工事を予定)、今年度は相模大野・海老名・中央林間・大和のすべてのホームが設置対象となります。また豪徳寺(OH10)・千歳船橋(OH12)・喜多見(OH15)の各駅ではホームドアの設置に向けたホーム補強工事が行われる見通しです。ただし相模大野では下りの1番・2番ホームに未稼働のホームドア本体が設置済みとなっています。ちなみに中央林間以外の各駅はロマンスカー停車駅であることから、ロマンスカーに対応する大開口のホームドアとなる見通しです。ホームドア設置対象となった中央林間では駅舎改良工事のほか、上り2番ホームの一部拡幅工事のほか、ホームドア設置に備えて列車とホームの段差や隙間を小さくする工事が実施されます。また鶴川(OH25)と藤沢では橋上駅舎化工事に備えた基礎構築工事を予定しています。また相模大野~町田(OH27)間に架かる境川橋梁と、東日本旅客鉄道横浜線と交差する跨線橋の橋脚補強を目的とした耐震工事、さらには東林間(OE01)~相模大野間の小田原線と江ノ島線が交差する跨線橋や和泉多摩川(OH17)~登戸(OH18)間の高架橋の耐震工事を推進するほか、玉川学園前(OH26)・相武台前(OH30)・座間(OH31)ではホーム上家の耐震補強を実施します。また新松田(OH41)~開成(OH42)間の酒匂川橋梁では劣化した塗膜の塗り替えが実施されます。

また5000形5056Fの車内で起きた傷害事件を受けて、リニューアル更新工事施工の3000形とワンマン運転対応工事施工の4000形など通勤形車両32編成と特急形車両2編成に、車内防犯カメラが設置されます。通勤形車両の防犯カメラは複数種類ありますが、車内防犯カメラの映像を外からリアルタイムで確認できる仕組みの構築にも取り組む予定です。

【新製車両なし】京浜急行電鉄が2024年度の鉄道設備投資事業計画を発表

2024年5月10日、京浜急行電鉄が2024年度の鉄道設備投資事業計画を発表しました。今年度の投資額は約324億円となります。

【車両面】
▲新製車両はないが新1000形8両固定編成1本と4両固定編成2本の車体更新工事とフリースペースの増設が行われる。

車両面については新1000形8両固定編成が1編成、4両固定編成が2編成の車体更新工事などが施工されます。その際にはフリースペースが追加されるほか、非常通報装置、一部側面窓の開閉可能になるような工事を施します。昨年度は1500形の置き換えと踏切事故で廃車除籍処分となった編成の代替で製造された車両がありましたが、今年度はなさそうです。また車内防犯カメラ“IoTube”の設置を進めていくようです。

【設備面】
▲ホームからの転落防止のため設置が進められているホームドア。ホームドア設置対象外の駅であってもホーム固定柵やホームドア設置に向けた設計調査が実施される。
▲大規模改良工事が行われる神奈川新町(KK-34)。エスカレーターやエレベータの新設が予定されている。

設備面では本線泉岳寺(A-07)~新馬場(KK-03)間および大師線東門前(KK-24)~小島新田(KK-26)間の連続立体交差事業の推進(前者は品川(KK-01)付近の仮設化工事および八ツ山跨線線路橋の仮設準備、後者は地上部分の工事および小島新田のトイレ新設工事などを実施)、神奈川新町での踏切事故を受けての踏切安全対策の強化、2026年度にかけてのホームドアの設置、羽田空港第1・第2ターミナル(KK-17)での引き上げ線新設工事と駅改良工事、大規模改良工事を予定している神奈川新町など一部駅での駅改良工事や設備リニューアル、駅や車両へのLED照明の導入(車両は車体更新工事施工車両)、法面防護工事や一部架道橋橋脚の耐震補強工事などが進められます。

【2024年度から2026年度までのホームドア設置予定駅】
青物横丁(KK-04)・大森海岸(KK-07)・大森町(KK-09)・糀谷(KK-12)・大鳥居(KK-13)・穴守稲荷(KK-14)・天空橋(KK-15)・雑色(KK-18)・六郷土手(KK-19)・京急川崎(KK-20)大師線3番ホーム・港町(KK-21)・鈴木町(KK-22)・川崎大師(KK-23)・東門前・大師橋・小島新田・八丁畷(KK-27)・生麦(KK-30)・弘明寺(KK-43)・屏風浦(KK-45)・杉田(KK-46)・金沢八景(KK-50)・横須賀中央(KK-59)・県立大学(KK-60)・京急久里浜(KK-67)

【耐震補強工事】
弘明寺~上大岡(KK-44)間の高架橋

【法面防護工事】
六浦(KK-51)~神武寺(KK-52)間・浦賀(KK-64)

【駅舎照明LED化】
横須賀中央など10駅

【駅改良工事予定駅】
大規模改良工事…神奈川新町
駅舎耐震補強…花月総持寺(KK-30) ※トイレ新設・コンコースリニューアルも実施
ホーム上家延伸…黄金町(KK-40)
トイレリニューアル…汐入(KK-58)

【ほぼ白い5050系】東急電鉄5000・5050系4000番台に東海旅客鉄道N700系を再現したラッピング電車登場

2024年5月14日より、東急電鉄東横線5000・5050系4000番台に東海旅客鉄道東海道新幹線のN700系1000番台(N700A)・2000番台(N700a)およびN700S系電車を模したラッピング電車が運転されています。ラッピング車両の当該は4105Fであり、東海旅客鉄道の全面協力で車体全体にラッピングされています。
▲東海旅客鉄道東海道新幹線を模したラッピング電車となり、白い車体に青帯2本が入った5000・5050系4000番台4105F。この編成は4号車・5号車に転換クロスシート”Q SEAT”を組み込んでいないため、5号車で”Q SEAT”サービス適用となる急行列車の運用が含まれる平日56K運用・平日57K運用・平日64K運用の3運用には充当されないので注意だ。また相互直通運転先の各線でも見られる。
▲2024年3月から東海旅客鉄道N700系を再現したラッピング電車となっている3020系3123F(8両固定編成)。同系列の運用範囲はほぼ全区間でホームドアを設置済み区間が中心となるため、ラッピングは車体上半分に施工されている。

東急電鉄では目黒線の3020系3123Fに東海道新幹線(N700系1000番台および2000番台・N700S系)を模したラッピングを施して運転していますが、東横線の5000・5050系では初めてのこととなります。編成は4号車・5号車に転換クロスシート車の“Q SEAT”を連結しないため、平日夕夜間の東横線内での“Q SEAT”サービスが適用される急行列車の運用(つまり“Q SEAT”車両組み込み編成の限定運用)が含まれている平日56K運用、平日57K運用、平日64K運用以外での運用を狙うといいと思います。平日は日中時間帯に61K運用で相模鉄道完結運用があります。土曜休日は早朝夜間に数える程度の相模鉄道完結運用がある程度です。4000番台は10両固定編成ですので相互直通運転先路線でも見ることができます。初日は平日59K運用に充当されました。

【有料座席指定サービスQ SEAT”適用列車】※5月7日より適用、Q SEAT表記の列車
《平日56K運用》
中1751→渋1831
中1917←渋1835 Q SEAT(183号)
中1921→渋2002
中2048←渋2005 Q SEAT(201号)
中2051→渋2132
中2217←渋2135 Q SEAT(213号)
中2221→杉2249

《平日57K運用》
中1851→渋1932
中2018←渋1935 Q SEAT(193号)
中2021→渋2102
中2148←渋2105 Q SEAT(211号)
中2151→渋2232

《平日64K運用》
中1821→渋1902
中1947←渋1905 Q SEAT(191号)
中1951→渋2032
中2118←渋2035 Q SEAT(203号)
中2121→渋2202

2024年5月13日

【約7ヶ月ぶり】小田急電鉄8000形8261F(6両固定編成)、2023年10月以来の海老名検車区に戻る

2023年5月8日終電後に小田急電鉄喜多見検車区から大野総合車両所に自走回送され入場していた8000形6両固定編成の8261Fが12日終電後に海老名検車区に自走回送され、昨年10月以来となる海老名検車区に戻り、13日に東側に構内入換されたようです。
▲西武鉄道譲渡を控える小田急電鉄8000形だが、6両固定編成の8261Fは除籍処分ではなく空調の交換作業で済んだようである。昨年10月以来運用に入っていない同編成だが、もしや運用復帰の可能性はあるのか?
▲単独運用が続く8000形6両固定編成の8260F。大型連休(GW)後半から先週まで予備編成として大野総合車両所に留置されていた。13日に平日A34運用に充当ということで、14日は平日A11運用となり、海老名検車区に入庫となる。ということは…。

小田急電鉄8000形の現在の在籍数は8261Fを含めると4両固定編成9本、6両固定編成10本(19編成96両)で、廃車は8061Fを最後に行われていません。単独運用が続く8260Fが14日の平日A11運用で海老名検車区に入庫することから、15日の平日A12運用がどうなるのかが注目されています(8260Fと入れ替わり?)。8261Fは結果的に空調関連の作業を受けた程度となっており、営業運転復帰が期待されています。本当にそれが実現するかは分かりませんが…。ちなみに同形式は4両固定編成の8063Fが検査出場しましたので、こちらは元の相方と戻る可能性があります。

【8000形の在籍状況】※2024年5月13日現在 全体…19編成96両/32編成160両
《4両固定編成》
運用中…9編成(36両)
8051F8053F8057F8058F8059F8063F8064F8065F8066F
廃車済…7編成(28両)
8052F8054F8055F8056F8060F8061F8062F
《6両固定編成》
運用中…9編成(54両)
8252F8253F8257F8258F8260F8262F8263F8265F8266F
離脱中…1編成(  6両)
8261F
廃車済…6編成(36両)
8251F8254F8255F8256F8259F8264F