2025年12月31日

【2025年の総まとめ】2025年の鉄道を振り返ります

2026年(令和8年)まであと少しになりました。そこで今回は2025年(令和7年)に起きた鉄道の動きを1月から振り返ります。ここでは私が特に印象的なものを中心に抜粋し紹介させていただくことをご了承ください。

【1月】小田急電鉄5000形5064Fが検測機能搭載の5063Fよりも一足先に営業運転を開始
▲2024年度に増備された小田急電鉄5000形で鉄道線路設備モニタリング装置と架線検測装置の準備工事がなされている5064Fが営業運転を開始した。なお新製当初から双方の検測機能が搭載されている5063Fは試験などを実施した関係から3月の就役となった。

1月には総合車両製作所横浜事業所で製造された小田急電鉄5000形2編成のうち鉄道線路設備モニタリング装置および架線検測装置の準備工事が施工された5064Fが一足先に営業運転を開始しました。3号車サハ5364と9号車デハ5014にパンタグラフと架線の撮影が可能なカメラと架線を照射するライトが準備工事とされ、6号車サハ5264の床下部分に鉄道線路設備モニタリング装置の取付が可能な台座が設置されています。何らかの理由で5063Fが使用できないときの代役となりそうです。

【1月】東海旅客鉄道923形0番台『ドクターイエロー』が引退
▲2025年1月中旬の検測運転がラストランとなり、最終日には多くのファンが駆け付け引退が惜しまれた東海旅客鉄道923形0番台幹トウT4編成。7号車の『923-7』のみ名古屋市にある『リニア・鉄道館』で展示を開始した。なおドクターイエロー自体は3000番台幹ハカT5編成が残っているので、完全消滅は2027年度になる。

1月には東海旅客鉄道に在籍する『ドクターイエロー』の923形0番台幹トウT4編成がラストランを迎え、多くのファンが駆け付けました。廃車後は7号車『923-7』だけが名古屋市港区にある『リニア・鉄道館』で展示を開始しました。ただしドクターイエロー自体は3000番台幹ハカT5編成が残っていますので、同編成による検測は続きそうですが、いずれはN700S系に検測機能を搭載することで、営業列車であっても定期的に検測ができますので、2027年度には完全消滅となりそうです。

【2月】東日本旅客鉄道E531系0番台のクハE531-17が代替新造される
▲2021年3月の自動車との衝突事故で炎上したE531系0番台都カツK417編成のクハE531-17(初代)の代替が総合車両製作所横浜事業所で新造され、E531系0番台都カツK409編成の10号車、2代目のクハE531-17となった。なお車体側面部の所属表記は省略されている。

2月には東日本旅客鉄道E531系0番台の先頭車1両(セミクロスシート車両)が総合車両製作所横浜事業所で新製されました。この先頭車は出場当時は車番が隠されていましたが、前面部に記載された編成番号が『K409』で、郡山総合車両センターに配給輸送されて入場していた都カツK409編成の10号車の2代目のクハE531-17となりました。なお同編成は9両のままで機器更新工事とドアエンジン更新工事が行われました。先頭車は同系列で編成単位で最後の製造となった都カツK483編成をベースに、車体側面下部の所属表記が省略されています。一部の部品が流用されており、代替新造の可能性が高いです。なお総合車両製作所横浜事業所出場時になかった車番(クハE531-17)は郡山総合車両センター出場時までに表記されたようです。

【2月】東海旅客鉄道N700系1000番台幹トウG25編成が“Wonderful Dreams Shinkansen”に
▲N700系1000番台が東海道新幹線限定運用で東京ディズニーシーの新エリアをイメージしたラッピング新幹線として運転を開始した。基本的に『ひかり』・『こだま』の1往復~2往復に使用され、臨時で『のぞみ』運用があった。東日本旅客鉄道東北新幹線ではE5系を使用した“Magical Journey Shinkansen”が運転されていた。

2月には東海旅客鉄道N700系1000番台幹トウG25編成が“Wonderful Dreams Shinkansen”となって運転を開始しました。2024年6月に東京ディズニーシー内にオープンした新エリアの『ファンタジースプリングス』の世界観を表現したラッピング車両となっていて、東海道新幹線の特徴的である青帯がなくなった新幹線は斬新でしたね。9月中旬頃の運転終了までホームページで運用が公表され、新大阪発着の『こだま』『ひかり』で運用され、『のぞみ』は臨時運用のみとなっていました。ラッピング解除後は限定運用が解かれています。

【2月】東急電鉄9000系の西武鉄道譲渡に向けた動きが本格化
▲9000系で最初に運用離脱となった9005F。西武鉄道譲渡に向けた動きが本格化しており、系列名は『7000系』に決定した。4両固定編成への短縮(中間電動車1両抜き取り)、制御装置の更新、半自動ドアスイッチの設置などが施工されている。

2月からは東急電鉄9000系の西武鉄道譲渡に向けた動きが本格化し、最初に運用を離脱した9005Fが東急テクノシステムズでの転用改造工事の一部を施工される形となりました。改造工事施工の一部が完了されたあとに西武鉄道小手指車両基地へ輸送されたのですが、半自動ドアスイッチの設置、スカートの変更、制御装置交換などが施工されているようです。なお東急テクノシステムズでの転用改造工事を受けずにそのままで西武鉄道に譲渡され、武蔵丘車両検修場で転用改造工事を受けている編成もいます。赤帯復刻編成以外の譲渡が実現するのでしょうか。

【3月】東日本旅客鉄道209系1000番台が完全消滅
▲中央線・青梅線でサービスを開始するグリーン車導入の予備確保として松戸車両センターから転入していた209系1000番台が2編成とも廃車解体となり、完全消滅に。都トタ82編成は録音用イベントで里帰りも果たしていた。

3月には東日本旅客鉄道E233系0番台(57編成)へのグリーン車組み込みに伴う予備確保で松戸車両センターから転入していた209系1000番台の2編成がともに廃車となり、209系からGTO素子が完全消滅しました。松戸車両センターから転入した際に機器更新されなかったことで注目されていましたが、グリーン車サービスの導入準備が整った段階で209系1000番台を廃車させることを前提にしていたのでしょう。基本的に東京(JC-01)~高尾(JC-24)間の限定運用で運用がほぼ固定されていましたが、ダイヤが乱れた場合は青梅線に入線するなど代走をすることもありました。

【3月】各鉄道会社ダイヤ改正の話題
▲東日本旅客鉄道中央線東京(JC-01)~大月(JC-32)間・青梅線立川(JC-19)~青梅(JC-62)間でグリーン車のサービスを開始した。昨年からグリーン車組み込み編成が運用を開始してからダイヤ改正の前日まではお試し期間として普通車扱いで開放されていた(ただしごみ箱やトイレなどが使用不可だった)。
▲常磐緩行線と南武線では車掌が乗務しないワンマン運転を開始。南武線では多くのご当地発車メロディが聞き納めとなり、車載の“JRE-IKSTシリーズ”のメロディに置き換えられた。ただし種別行先案内表示器は『ワンマン』とならず『各駅停車』のままとなった。

3月には各鉄道会社でダイヤ改正が実施されました。東日本旅客鉄道中央線・青梅線でE233系0番台によるグリーン車の本格サービスを開始したほか(このタイミングで普通車扱いでの無料開放期間が終了となった)、ホリデー快速おくたまの東京始発への延伸、新宿(JC-05)発着の快速の運転終了(ホリデー快速送り込みを兼ねる列車で、東京発に延伸したため)、中央本線特急『あずさ』の大糸線白馬(13)~南小谷(09)間の乗り入れ廃止などがありました。南武線と常磐緩行線で車掌が乗務しないワンマン運転を開始しました。来春には横浜線・根岸線直通列車でワンマン運転が導入される見込みです。

【3月】相模鉄道11000系『そうにゃんトレイン』の12代目は11002F
▲11000系のラッピング電車の『12代目そうにゃんトレイン』は初起用となった11002Fに。過去に11003F11004F以外で『そうにゃんトレイン』に起用されたのは10代目の11001Fとこの12代目である。

3月には12代目そうにゃんトレインとなった11002Fが運用を開始しました。同編成の『総にゃんトレイン』起用は初めてとなり、初代から数えて担当してきた11003F11004F以外で『そうにゃんトレイン』に起用されたのは10代目(11001F)と12代目(11002F)だけで、唯一の『そうにゃんトレイン』起用がないのは11005Fだけとなっています。これ以外にも11001Fでは『GREEN × EXPO 2027』として運用されています。

【4月】舞浜ディズニーリゾートラインの『ダッフィー&フレンズ・カラフルハピネス・ライナー』運転を開始
▲新たに『ダッフィー&フレンズ・カラフルハピネス・ライナー』となった“Type C”100形111号編成(イエロー)。外観上にラッピングされているリゾートライナーは2025年4月以降はこの車両だけとなっている。

4月には舞浜ディズニーリゾートラインで“Type C”100形111号編成(イエロー)にダッフィーとその仲間たちをラッピングした『ダッフィー&フレンズ・カラフルハピネス・ライナー』が運転を開始しました。これは東京ディズニーシーで同月からの『ダッフィー&フレンズ20周年:カラフルハピネス』に合わせて運転されており、車内についても装飾と座席モケット交換が実施されています(座席はダッフィーの茶色、シェリー・メイの桃色、ジェラトーニの緑色、ステラ・ルーの紫色をイメージしたモケットでふかふか仕様)。2026年3月中旬までの運転となっていて、運転時間はディズニーリゾートの公式ホームページ上に公表されています。

【4月】東急電鉄9000系が東横線時代の赤帯に復刻される
▲東急電鉄9000系のうち9001F9013F9015Fが赤帯に復刻された。この3編成は西武鉄道への譲渡対象外となってしまうのか。

4月には東急電鉄9000系9001Fが東横線時代からの赤帯に復刻され、話題となりました。そのあと9013F9015Fにも追加で復刻されています。田園都市線との誤乗防止のため、側面部の『大井町線』ステッカー表記は継続されていますが、前面部の『大井町線』ステッカー撤去や赤帯の復刻で約12年前に撤退した東横線時代の姿を思い起こさせました。現在でも運用を細々と続けていますが、どこまで続くのかは未知数です。

【4月】東京地下鉄18000系2次車が導入される
▲東京地下鉄18000系の2次車にあたる18112Fが導入され、就役を果たした。この編成からは制御装置や袖仕切り板の形状が変更されている。現在は18113F以外の18編成が出場している。8000系の置き換えもいよいよ最後となりそうだ。

4月には東京地下鉄18000系で初の2次車となる18112Fが日立製作所笠戸事業所を出場、鷺沼検車区に納車されました。制御装置はこれまでの三菱電機製から17000系8両固定編成と同じ日立製作所製に変更されているほか、袖仕切り板の形状も変更されています。この2次車導入により、何らかのトラブルで出場が遅れている18113F以外の編成が出揃いました。あとはいつ頃に18113Fが出場となるか、ですね。

【5月】東日本旅客鉄道185系200番台、東京臨海高速鉄道70-000形が除籍される
▲東日本旅客鉄道は185系で残っていた200番台最後の都オオB6編成が廃車に。そのあと最後まで残っていた0番台都オオC1編成も6月に廃車となり、185系は完全に消滅。ただし先頭車1両のカットモデルが保存されている。
▲東京臨海高速鉄道も70-000形に動きが。元東臨Z8編成の先頭車のみが九州旅客鉄道に譲渡された。譲渡対象外の中間車は部品を外して活用されるものもあるが、そのあとに続いて元東臨Z9編成も譲渡されている。

5月には2021年3月に定期営業運転を終了して臨時列車用に残されていた185系200番台都オオB6編成が廃車となり、6月に新幹線リレー復刻塗装となっていた0番台都オオC1編成も廃車となりました。185系は完全消滅となりましたが、先頭車のカットモデルが保存されています。一方で東京臨海高速鉄道70-000形にも動きがみられ、東臨Z8編成が先に除籍され、中間車の8両は廃車となりましたが、先頭車2両だけ九州旅客鉄道に譲渡されていて、転用改造工事が行われています。先頭車の電動車化工事など、2両で走らせるための改造工事が実施されているものと思われます。

【5月】小田急電鉄8000形8261Fを譲受した西武鉄道8000系8103Fが営業運転を開始
▲小田急電鉄で約39年間活躍した8000形8261Fを改造した西武鉄道8000系8103Fが国分寺線で就役を果たす。就役直前には種車の小田急電鉄8000形と西武鉄道8000系の双方の撮影会を開催した。営業運転は国分寺線だけでなく拝島線内完結列車でも行われることがある。

5月には小田急電鉄8000形8261F(6両固定編成)を譲受して改造した西武鉄道8000系8103Fが営業運転を開始しました。営業運転開始直前には小田急電鉄と西武鉄道のコラボレーションで8000形および8000系の撮影会が開催され、団体専用列車で両者を乗り比べするという内容でした。西武鉄道初の『サステナ車両』(中古で導入したVVVFインバータ制御車両の呼称)となった同系列は団体専用列車にも使用されており、国分寺線・拝島線以外を走行することがあります。なお走行位置は西武線アプリの車両アイコンなどで確認できます。

【6月】小田急電鉄ロマンスカー“EXE”30000形30055F+30255Fに変化
▲側面部の愛称行先案内表示器が従来の3色LED式からフルカラーLED式に換装され、前面部の愛称表示器の使用が停止となったロマンスカー“EXE”30000形30055F+30255F。側面部には『箱根そば60周年』記念のロゴが掲出されている。

6月には小田急電鉄ロマンスカー“EXE”30000形で残る2編成のうち30055F+30255Fの側面部の愛称行先案内表示器が3色LED式からフルカラーLED式に更新され、前面部の愛称表示器の使用が停止され、注目を集めました。一方の30057F+30257Fは引き続き更新されておらず、登場当時の姿を保っています。この両者は新型車両80000形に置き換えられる見込みです。

【6月】東日本旅客鉄道E231系1000番台国府津車両センター所属編成の機器更新工事完了
▲国府津車両センター所属のE231系1000番台の制御装置更新工事がほぼ完了した。最後の機器未更新車であった都コツK-02編成が入場したことで消滅となった。

6月には東日本旅客鉄道E231系1000番台で運用離脱中の都コツS-14編成を除くほぼ全編成で制御装置更新工事が終了しました。なお最後まで残っていた機器未更新車は都コツK-02編成でドアエンジンはその前に更新されていました。小山車両センター所属の増備編成でも機器更新工事が進んでいて、現在残っている制御装置未更新編成は都ヤマU-111編成都ヤマU-586編成となっています。

【6月】東日本旅客鉄道E217系の最後の量産先行車2編成が廃車、完全消滅▲2025年3月のダイヤ改正を前に営業運転を終了し、E217系で最後まで残っていた都クラY-101編成都クラY-102編成が廃車となり、完全消滅となった。なお都クラY-101編成は登場当時の帯に復刻して営業運転したのは1往復だけとなってしまい、それ以降は運用されることはほぼなかった。

6月には最後まで残っていたE217系都クラY-101編成都クラY-102編成が配給輸送、廃車となり、完全消滅となりました。基本編成は4月に都クラY-42編成が配給輸送されたことで消滅していました。5月には都クラY-101編成のラストランイベントが行われていました。E235系1000番台への置き換えに伴う動きが完了しました。最後まで残っていた付属編成2本はいずれも量産先行車であり、東海道線での運用経験がありました。

【7月】東日本旅客鉄道豊田車両センターに保存されていた201系クハ201-1に動き
7月には東日本旅客鉄道中央線・青梅線・五日市線で活躍していた201系で豊田車両センターに保存されていたクハ201-1が大宮総合車両センターに向けてEF64形1031号機・1032号機に挟まれて輸送され入場し、東京都青梅市にある青梅鉄道公園に展示するための整備を受けたようです。青梅鉄道公園ではリニューアル(展示車両の追加)のため休園中で、その際に201系の追加展示が含まれているものと思われます。なお新たな展示車両を含めて鉄道車両には屋根が追加されるようです。

【7月】西武鉄道2000系2417F2419Fが近江鉄道に譲渡される
▲西武鉄道新宿線・拝島線で活躍していた2000系2417F2419Fが近江鉄道に譲渡された。リニューアル時期が最後の方であったこともあり、解体を免れたようだ。なお2000系は10月15日をもって池袋線系統から撤退し、新宿線系統に集約されている。

7月には西武鉄道新宿線系統(ごくまれに池袋線系統へ貸出)で活躍した2000系2417F2419Fが近江鉄道に譲渡するための甲種輸送が行われました。旧タイプの2000系で最後まで残っていた2編成ということで、注目されていました。なお譲渡後に1編成はオレンジに塗装されているようです。近江鉄道ではどんな活躍を見せてくれるでしょうか。

【8月】東日本旅客鉄道埼京線が開業40周年を迎える
▲東日本旅客鉄道埼京線のE233系7000番台都ハエ117編成に開業40周年記念ヘッドマークが掲出された。なお先頭車は103系をイメージしたウグイス色にラッピングされている。

8月には東日本旅客鉄道埼京線が開業40周年を迎え、E233系7000番台都ハエ117編成に開業40周年記念ヘッドマークが掲出されました。そのあとに103系をイメージして先頭車の一部分がウグイス色にラッピングされています。埼京線でもE233系7000番台の全編成にワンマン運転対応工事が進められており、ワンマン運転対応工事が施工された編成の先頭車には非常用梯子が設置されています。いずれは埼京線の各駅にもホームドアが設置されるようになるのでしょうか?一部区間は湘南新宿ラインなどとも線路を共用していますし…。

【8月】元東日本旅客鉄道E501系が九州旅客鉄道に『501系』として譲渡準備が進む
▲東日本旅客鉄道常磐線でのE531系0番台・3000番台のワンマン運転列車の増加でE501系の元付属編成の運用が消滅し、余剰となっていた元付属編成2本が中間付随車を抜き取った4両に組成された。9月に九州旅客鉄道に譲渡、元常磐線車両では415系以来のこととなる。

8月には東日本旅客鉄道常磐線で活躍したものの、運用が消滅していたE501系元付属編成(5両固定編成)のうち元都カツK752編成と元都カツK753編成が中間付随車1両ずつを郡山総合車両センターで抜き取り、4両固定編成に組成されたことで注目され、9月に前面部・側面部の帯を撤去して4両に組成されたうえで、九州旅客鉄道に譲渡されました。系列名称は『501系』となり、実質は“E”(東日本旅客鉄道を表す“E”)が取れただけですが、車番は変更されており、『クハ501-1』が登場しています。交直流電車として活躍した『501系』が九州旅客鉄道ではどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

【8月】東急電鉄3000系に新エクステリアデザイン車両が登場
▲東急電鉄3000系(写真左側)に2020系列と同じような新エクステリアデザインに変更した編成が登場。従来の帯の撤去跡があるほか、従来のデザインが好みというファンも少なくなかった。3000系全編成に施工される見込みだが、5000系列は目黒線向けの10編成と4000番台は除外されている。

8月には東急電鉄3000系で2020系列と同様の新エクステリアデザインに変更された3112Fが営業運転に復帰しました。座席モケットはデザイン変更に伴って交換されています(一部中間増備車を除く)。なお5000系列でも田園都市線の18編成と東横線の8両固定編成18編成(つまり最後に増備された2編成を除く)についてはデザイン変更の対象となっていますが、目黒線向け10編成と東横線向け10両固定編成(4000番台)については対象外となっており、前者は3種類の座席モケットが存在する編成が2編成いますので、座席モケット更新の際に交換となるでしょうか。

【9月】東日本旅客鉄道E26系『カシオペア』が長野総合車両センターに配給輸送される
▲2025年6月に完全に退役した寝台特急『カシオペア』で活躍したE26系客車が1両を残して廃車となった。残ったスロネフE26-1はどこかに保存される可能性が高い。

9月には寝台特急『カシオペア』のほか団体専用列車で活躍した尾久車両センターに所属するE26系客車のうち、スロネフE26-1を除く11両が廃車となりました。定期列車として寝台特急で残っているのは西日本旅客鉄道後藤総合車両所出雲支所所属の285系を使用する『サンライズ出雲・サンライズ瀬戸』のみであり、客車を使用しない寝台特急(電車タイプの寝台特急)となっています。

【9月】東日本旅客鉄道209系2000番台・2100番台の代走にE233系5000番台が使用される
▲東日本旅客鉄道209系2000番台・2100番台6両固定編成の車両不具合による補填のため代走にE233系5000番台分割編成の6両固定編成側が使用された。そのため本来は4両固定編成側が夜間帯にしか走行しない東金線を朝方に走行した。

9月にはE233系5000番台都ケヨ551編成など分割可能編成の6両固定編成側が所定では209系2000番台・2100番台の6両固定編成で運用される外房線・東金線運用の朝の2往復を代走し、注目を集めました。この代走に備えてドアステッカーが撤去されており(209系2000番台・2100番台にはドアステッカーがない)、直通運用の代走準備をしていたものと思われます。これは分割可能編成の運用が3運用から2運用(配置は4編成)に削減されたことで、予備(2編成)に余裕ができているために選ばれたものと思われます。

【10月】東京臨海高速鉄道71-000形が営業運転を開始
▲東京臨海高速鉄道の開業時から使用してきた70-000形置き換えのため、総合車両製作所新津事業所で製造された71-000形が就役した。現在は3編成が登場しており、残り5編成の増備が計画されている。70-000形の一部は九州旅客鉄道に譲渡となった。

10月には総合車両製作所新津事業所で製造された東京臨海高速鉄道新型車両71-000形が営業運転を開始しました。最初に就役したのは東臨Z11編成で、初日はいきなり通勤快速にも充当されました。そのあと自社完結運用のほか、埼京線・川越線完結運用にも充当されています(新宿(JA-11)~大宮(JA-26)・川越発着列車など)。基本的には列車番号が81・83・85・87・89・91の6運用に固定されていますが、ダイヤが乱れている場合はその限りではありません。相模鉄道直通運用以外の運用に充当されるものとみられます。

【10月】東日本旅客鉄道山手線環状運転100周年記念でラッピング電車が運転される
▲E235系0番台の山手線環状運転100周年記念のラッピング電車は103系電車をイメージした都トウ39編成と、205系電車をイメージした都トウ44編成が起用された。11月までの約1ヶ月間限定だったが、好評だったため側面のラッピングとヘッドマークを外した状態で2026年1月まで延長されている。

10月には東日本旅客鉄道山手線が環状運転100周年となることを記念して、E235系都トウ39編成が103系をイメージしたラッピング電車に、都トウ44編成が205系をイメージしたラッピング電車として運転を開始、11月に環状運転100周年記念で両編成を使用した団体専用列車の『東京まるっと山手線』にも充当されました。本来は11月上旬までの約1ヶ月間限定でしたが好評であったために延長されており、2026年1月まで運転されることとなっています。

【10月】東急電鉄田園都市線で2020系と5000系の触車事故が発生
▲触車事故の影響で運用を離脱中と思われる2020系と5000系。回送中の5000系5101Fに2020系2135Fが触車する形となってしまった。2020系2135Fは触車の痕跡が激しく、2編成とも運用を離脱中だ。

10月には東急田園都市線梶が谷(DT-11)で、営業運転を終えて回送されていた5000系5101Fに2020系2135Fの営業列車が触車し、運転を見合わせた事例が大きなニュースになりました。梶が谷は引上げ線1本と大井町線の車両が留置される電留線があり、ホームは外側が優等種別列車(1番線ホームは待避の無い各駅停車も使用。4番線ホームは柵があるため、通過列車のみ使用)、内側が各駅停車を使用する構造で、ホームがかなり湾曲しているため乗降には注意が必要な駅となっています。過去にも列車同士ではありませんが、ホームと列車の接触の痕跡があったこともあります。

【10月】京王電鉄2000系登場&7000系が復刻のエンジ帯として営業運転に
▲7000系10両固定編成の7728Fがエンジ帯に復刻された。10両固定編成ということで、各駅停車から特急まで、有料座席指定列車以外の列車種別に充当されている。この前には総合車両製作所横浜事業所で製造された2000系2701Fが出場、若葉台検車区に納車されていた。

10月には総合車両製作所横浜事業所で京王電鉄の新型車両、2代目の2000系2701Fが若葉台検車区納車されたほか、7000系10両固定編成の7728Fが登場当時のエンジの帯に復刻されて営業運転を開始したことが話題になりました。2000系には新たに西武鉄道40000系と同じくフリースペース車両(一部には腰掛けることができる座席)を設けており(ひだまりスペース)、子連れにも優しい車両となっています。また置き換えられるものと思われる7000系では10両固定編成の7728Fが京王ピンクと京王ブルーからエンジ色に復刻されて営業運転に入っていますが、運用は公表されていません。7000系の廃車は2000系の導入でさらに進む可能性も十分にあり得ますが、短編成は特にワンマン運転対応編成を残しておく必要がありますから、今後どの編成が廃車になるのかも含めて気になることだらけです。後継の2000系は2026年1月31日から営業運転を開始する予定で、それに向けて試運転が行われています。

【11月】西武鉄道30000系にラック式ドアエンジンに更新された車両が登場
11月には西武鉄道30000系のうち、ドアエンジンがリニアモーター式と、一部ドアエンジン試験車両となっていた32101Fがラック式ドアエンジンに更新されたことが話題となりました。実は東日本旅客鉄道E233系2000番台も一部の機器更新工事の際にドアエンジンを更新した編成が出てきており、すでに3編成が更新済みとなっているようです。リニアモーター式のドアエンジン搭載車両のドアエンジンが更新されると、いずれはラック式になるのでしょうか。リニアモーター式よりもラック式の方が音が大きくないというのもあるのでしょう。

【11月】相模鉄道13000系13101Fが総合車両製作所横浜事業所より出場
▲12000系を基本ベースとしつつも、自社線専用とするため側面部は10000系と同じ旅客用扉配置に変更されているほか、トップナンバーが10両固定編成ではなく、8両固定編成となっているのも特徴だ。10000系8両固定編成・20000系8両固定編成との共通運用が可能に。

11月には総合車両製作所横浜事業所で製造された相模鉄道の新型車両である13000系13101Fがかしわ台車両センターに納車されたことが話題となりました。電動車と付随車のMT比は4M4Tの8両固定編成であり、将来的な10両固定編成への増強を見越して一部欠番となっている番号があります。12000系をベースとしつつも、座席定員数を増やすために10000系と同じドア配置に変更され、8両固定編成となることから自社線専用となる見込みです。就役が楽しみではありますが、3代目塗装に変更されていない8000系の今後が気になります。

【11月】東京地下鉄和光検車区新木場分室の6000系・7000系の保尊車両が縮小される
▲和光検車区新木場分室に保存されていた6000系6102Fのうち、クハ6102を残して廃車に。
▲和光検車区新木場分室に保存されていた7000系7101Fのうち、クハ7101を残して廃車に。

11月には和光検車区新木場分室に保存されていた6000系6102Fと7000系7101Fが先頭車1両を残して廃車となったことが話題となりました。この前には8000系8101Fが退役し、和光検車区新木場分室に保存されることになっていましたが、保存車両の老朽化や留置スペースなどの都合から保存車両を縮小せざるを得ない状況になっていた可能性があります。いずれは8000系8101Fも老朽化が進めば1両を残して廃車になったりして…。

【12月】小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形50001F、最後の自走を見せる
▲2023年12月に完全退役となり、喜多見検車区に留置されていたロマンスカー“VSE”50000形50001Fが約2年ぶりに小田原線を自走したが、最後のイベント展示ということで、帰らぬ旅を兼ねたものとなった。イベント終了後に廃車作業が開始された。デハ50001がロマンスカーミュージアムに保存されるがそれ以外は解体となる。

12月には小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形50001Fの約2年ぶりの小田原線での自走回送を果たし、週末のイベント展示を経て、廃車作業が開始されたことが話題となりました。2023年12月に完全退役したあと喜多見検車区に横並びで留置されていました。ロマンスカーミュージアムへの保存展示は上り方先頭車のデハ50001の1両に決定し、ロマンスカーミュージアムの車両展示リニューアルに伴う休館期間から、動向が注目されていましたが、2023年12月にラストランに使用されていた50001Fから先に廃車作業を開始する展開となりました。なお全車両解体となる50002Fは引き続き喜多見検車区で留置中ですが、いずれは大野総合車両所に自走回送されるタイミングが来るかもしれません。

【12月】東日本旅客鉄道E233系0番台元都トタT71編成都マリC1編成に改造され出場
▲2020年に製造され、約5年間だけ中央線・青梅線で活躍したE233系0番台都トタT71編成(10両固定編成)が内房線・外房線向けの都マリC1編成(6両固定編成)に改造されて出場した。残っている中間付随車と電動車1ユニットの動向が注目される。

12月には東日本旅客鉄道E233系0番台で初の房総地区向けの6両固定編成である都マリC1編成が登場しました。編成は内房線・外房線内を基準に安房鴨川寄り(6号車側)からクハE233-71+モハE233-71+モハE232-71+モハE233-271+モハE232-271+クハE232-68で構成され、クハE232-68には車椅子対応トイレが設置されました。元の編成からサハE233-543+サハE233-43とモハE233-443+モハE232-443が抜かれていて、中間付随車2両と、中間電動車1ユニット2両をどう活用するのか注目されています。中間電動車のユニットは元都トタH49編成の4両固定編成側に組み込んで6両固定編成に組む可能性があります。6両固定編成(3編成分)を房総地区に投入して209系2000番台・2100番台を置き換えていくのでしょうか。

【12月】東武鉄道80000系81551F81552Fが近畿車輛製造より登場
12月には東武鉄道野田線(アーバンパークライン)向けで南栗橋車両管区七光台支所配属予定の80000系のうち、60000系の中間付随車(サハ64600形)1両を改造編入する都合で中間付随車の3号車を除いた4両固定編成が2編成落成し、編成は81551F81552Fとなりました。60000系の中間付随車をサハ83550形として改造編入する編成と区別するため、すべて5両が新製車両の編成は0番代に、60000系中間付随車を組み込む編成は50番代となりました。これ以前には60000系で中間付随車を抜き取った5両固定編成に改造された編成が野田線で就役しており、中間付随車は80000系81551F81568Fに転用されることとなっています。

2025年は鉄道関係の人員不足による影響もあり、車掌が一切乗務しないワンマン運転が拡大された路線があるほか、静態保存されていた車両の解体の動きにも驚きました。2026年には各社でのダイヤ改正を控えており、東日本旅客鉄道などで普通運賃改定が予定されています。2026年もいったいどういう動きが見られるか楽しみです。それではよいお年をお迎えください。