2020年4月14日

【復活叶わず…】小田急電鉄8000形8264Fが大野総合車両所解体線に入り廃車除籍処分へ

2019年6月19日の小田急電鉄小田原線本厚木(OH34)~愛甲石田(OH35)間の踏切事故の当該編成である8000形8264Fですが、2020年4月12日に損傷のなかったクハ8264とデハ8214が大野総合車両所構内の解体線に入ったことが分かりました。これで8000形に初めて廃車除籍処分が発生することになります。
踏切事故からの復活叶わず、8000形で初めて廃車除籍処分となる8000形8264F。すでにクハ8264とデハ8214が解体線に入っている。3月下旬頃にはクハ8564の側面部車番とロゴマークが赤いテープ、前照灯が黄色のテープで隠されていたためにすでに廃車が決まっていたか。写真は2018年10月にラストランを行ったロマンスカー『LSE』7000形7004Fの直前にやってきた8264F。
▲8000形8264Fは2007年度のリニューアル時から制御装置は全密閉モーターで更新されたがドアエンジンは8263F・8265Fとは異なり空気式とはならなかった。2012年頃に種別行先案内表示器のフォントがゴシック体になるまでは明朝体だったため、同編成は唯一明朝体のフルカラーLED式と全密閉モーター車という珍しい組み合わせでもあった。

同編成は1986年に製造され、当時はクハ8264+デハ8214+デハ8314+デハ8414+デハ8514+クハ8564の組成となっていました。2007年度にリニューアル更新工事を受け、制御装置をVVVFインバータ方式に更新した際にデハ8414がサハ8464に改造されました。当時の種別行先案内表示器はフルカラーLED式で明朝体でしたが、2012年にゴシック体に変更されて現在までに至ります。すでに損傷のなかったクハ8264とデハ8214が解体線に入っており、屋根上の空調装置とシングルアームパンタグラフが撤去されているようです。このため8000形で初めての廃車解体処分が濃厚です。3月下旬のクハ8564の車番などをテープで隠していたということは、事故の損傷が激しかったことから復旧を断念して廃車という結論に至った可能性がありますね。今回廃車となった8264Fは登場から約34年間、2007年度のリニューアル更新工事から約13年間に及ぶ活躍でした。8264Fの廃車除籍処分は沿線に住む私にとっても非常に残念なことですが、10両固定編成の2代目5000形電車の5051Fが3月26日から投入されたこともあって、それで暫定的に補う形になりますね。8000形自体も製造から30年以上が経っていますが、初代5000形の5063Fが2012年3月に引退して以降は小田急電鉄の通勤形車両で唯一白い車体の形式なので、2013年に落雷事故を経験した8261Fを含めた残った編成に頑張ってほしいところですね。8264Fの廃車解体処分により在籍する8000形は6両15編成、4両16編成の合計154両となりました。長年組んでいた相方をまさかの踏切事故で失ってしまった8064Fは今後も8051F・8055Fと同様に3000形1次車・2次車と組んで運用されます。

ここで気になるのは8264Fに搭載されていた前面部・側面部双方の種別行先案内表示器について。8264Fはリニューアル時からフルカラーLED式となっており、種別行先案内表示器が3色LED式となっている8253F・8254F・8256F・8257F・8258F・8259F(チョッパ制御更新車の8251F・8255Fを除く)に活用することができそうですが、実際どうなるかはわかりませんね。

【今回廃車となった8264F編成表】
《登場当初からリニューアル入場前まで》
クハ8264+デハ8214+デハ8314+デハ8414+デハ8514+クハ8564
《リニューアル更新後から現在まで》
クハ8264+デハ8214+デハ8314+サハ8364+デハ8514+クハ8564

【現在の8000形在籍状況】※8264Fの廃車除籍により合計154両
《4両編成》8051F~8066F 《6両編成》8251F~8263F・8265F・8266F