2023年7月28日、小田急電鉄が運営するロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市)内に保存展示されているロマンスカー“SE”初代3000形電車が同年8月7日に一般社団法人日本機械学会の『機械遺産』に認定されることとなりました。これに伴い同日から特別展示を実施することとなりました。
▲海老名検車区西側の屋根付きの保管庫を経てロマンスカーミュージアムに保存展示されているロマンスカー“SE”初代3000形(写真2枚目では左側・3021Fの3両)が日本機械学会の『機械遺産』に認定されることとなった。2019年5月には海老名検車区の東側で最後の屋外展示となったが、このときはロマンスカーミュージアム搬入前で5両が保存されていた。
▲『機械遺産』に認定されるロマンスカー“SE”初代3000形(写真3枚目では右側)。登場当時の先進的技術を取り入れた独自性、のちの新幹線などの鉄道に与えた影響、保存状態の良さが評価されたものである。
ロマンスカー“SE”初代3000形(3021Fの3両)は一般列車への使用を想定しない特急形車両として新宿(OH01)~小田原(OH47)間を60分(1時間)で結ぶという目標のもと、当時の日本国有鉄道の鉄道技術研究所と共同で開発した車両です。空気抵抗を少なくするため、流線形の先頭車、車両間に台車を配置した連接構造(現役車種はロマンスカー“VSE”50000形のみだが今秋引退のため連接台車のロマンスカーは消滅の見込み)などを採用し、当時の日本国有鉄道東海道本線に貸し出され、当時の最高速度145km/hを樹立し、のち後継のロマンスカーだけでなく、0系新幹線の登場に影響をもたらしたことが評価されたようです。
8月7日以降は機械遺産認定を記念して、通常では一般開放されていない運転台とともに車内の様子を学芸員とともに見学できるツアーを8月14日から17日のあいだに行うことも発表されました。お盆の時期で夏休み期間中の開催ということで、親子で楽しめるツアーになると思いますので、思い出作りに迷っている子どもたちがいたら、ロマンスカーミュージアムで思い出を作ってみてはいかがだろうか。