2020年3月3日、東日本旅客鉄道が山形新幹線を快適に便利にするため、現在東京~山形・新庄間の『つばさ』(ただし東京~福島間は『やまびこ』と併結)で運用しているE3系1000番台・2000番台(幹カタ)を置き換えるため、今回新たに山形新幹線車両センター向けに『E8系』を投入することを発表しました。
▲2008年に400系の置き換えで登場したE3系2000番台。現在では2代目の現行塗装であり、山形新幹線車両センターに7両12編成(84両)が在籍している。同系列2000番台は新製の1000番台の幹カタL53編成、元0番台からの転用改造車である幹カタL54編成、幹カタL55編成と共通で運用されている。
今回のE8系の投入数は7両17編成(119両)で、E3系1000番台・2000番台の合計数(15編成)よりも2編成(14両)多い計算になります。E8系の投入により、E3系1000番台と2000番台が順次置き換えられるものと思われます。号車は併結車両のE3系1000番台・2000番台と同様に11号車~17号車(1号車~10号車が『やまびこ』分)となります。E8系のトップナンバーは2022(令和4)年9月に落成し、2024(令和6)年春頃、つまり3月のダイヤ改正のタイミングでの営業運転開始が予想されます。同系列では営業列車における最高速度が300km/hに引き上げて所要時間を短縮するほか、観光客など向けに大型荷物置き場を全号車に設置、電源コンセントを全座席に設置、車椅子スペースの増設など、サービスを充実させるようです。
また山形新幹線『つばさ』では福島において東北新幹線仙台発着の『やまびこ』との分割併合作業を行っており、福島では上下列車とも在来線(奥羽本線[山形線])との連絡線が上下兼用の1本しかない関係上、14番線を使って発着が行われており(本来の上りホームは12番線のみ、ただし11番線は予備ホームとなっている)、上り仙台発の『やまびこ』で『つばさ』を併結させる列車については同駅構内でポイント通過により2度平面交差する形となっています。それを解消するため、新たに在来線線路と新幹線上りホームをつなぐ連絡線の新設工事に着手することも発表されました。新たにもう1本の連絡線が追加されることで既存の連絡線を下り専用とし、新設の連絡線を上り専用とすることで上下列車が分離でき、これに伴う仙台発着の『やまびこ』の平面交差が解消され、福島での『つばさ』の同時発着もいずれは可能になります。新たな連絡線の使用開始は2026(令和8)年度末(2027[令和9]年3月ころか)を予定しています。