2012年3月のダイヤ改正でロマンスカー『RSE』20000形20001F・20002F、通勤形の5000形5063Fとともに現役を引退した小田急電鉄ロマンスカー『HiSE』10000形10001Fの保存車両である3両(デハ10001・サハ10003・デハ10011)のうち、2両(サハ10003・デハ10011)が2017年7月に解体の運命を辿っていることが話題となっているようです。
▲2012年に引退し3両に短縮されて喜多見検車区で静態保存されて約5年。1000形1255Fに牽引されて大野総合車両所にやって来たときは3両は解体線にいなかったが、7月にはデハ10001以外の2両がまさかの解体線に移されていた・・・。
▲海老名検車区の専用保管庫に保存されているロマンスカー『SE』初代3000形。最近では海老名検車区でのファミリー鉄道展で一切公開されなくなった。こちらは『HiSE』10000形と異なり、5両が専用の保管庫で保存されている。
これは2017年7月6日の『東洋経済ONLINE』からの情報ですが、2018年3月に梅ヶ丘(OH09)~代々木上原(OH05)間の複々線が完成する時のダイヤ改正で上りロマンスカーを含む列車増発が予定されており、それに伴い喜多見検車区の収容スペースが不足することを懸念したために、複数両が保存されている車両のうち、1両(一部は2両または3両)を残してそれ以外を解体することになったものと思われます。小田急電鉄の保存車両は現在のところ8形式で、それらのほとんどが『ブルーリボン賞』や『ローレル賞』を受賞しています。ロマンスカーは『SE』初代3000形のほか、3100形『NSE』(開成[OH42]近くの公園に保存されている車両を除く)、今回の『HiSE』10000形、『RSE』20000形で、通勤形電車はモハ1形、2200形、2600形(2004年6月にラストランを行った2670Fのクハ2670、ただし喜多見検車区以外に保存されている車両を除く)、9000形(9001Fのデハ9001)となっており、そのうちロマンスカーと2200形は複数車両が保存されており、新幹線の開発にも影響を与えた『還暦』の『SE』初代3000形は3021Fの5両が専用の保管庫に保存されています。その形式以外はすべて喜多見検車区で保存されているため、解体となる車両は現役車種(1000形)の牽引で大野総合車両所に送り込まれるものと思われます。『NSE』3100形は6両、『HiSE』10000形および『RSE』20000形は3両、2200形は2両が保存車両となっていますが、3100形では両先頭車と中間車1両の3両に、10000形と2200形では1両にそれぞれ減らされるほか、20000形は20001Fの先頭車1両(デハ20001か)と2階建て車両を1両ずつに変更するものとみられます。保存する先頭車がデハ20001となった場合、デハ20301は大野総合車両所で解体準備となる可能性があります。
ちなみに7月7日時点でロマンスカー『HiSE』10000形のうち、下り方先頭車(私が『ニューイヤーエクスプレス』で乗ったことがある車両)のデハ10011が解体業者へ搬出されてしまったようです・・・。ところで来年3月で引退となる『LSE』7000形は引退後はどうなるのでしょうか。5000・5200形では1両も保存されずに全車両が廃車解体となってしまったので・・・。