2019年12月31日

【2019年総集編】2019年の鉄道を振り返ります

2020年(令和2年)まであと少しになりました。そこで今回は2019年(平成31年・令和元年)に起こった鉄道の動きを1月から振り返ります。私が特に印象的なものを中心に抜粋し紹介させていただくことをご理解ください。

【1月】小田急電鉄ロマンスカー『EXEα』30000形4両編成が『スーパーはこね』に
▲このときはロマンスカー『VSE』と『MSE』の2形式が大野総合車両所に入場中の関係で『スーパーはこね』運用が含まれている土曜休日N75運用を海老名検車区予備留置だった『EXE/EXEα』4両編成で運用された。


1月の3連休に予想外の出来事が。このとき『VSE』1編成と『MSE』6両1編成がそれぞれ大野総合車両所に入場していたため、0709レ0052レ0171レの3列車(すべて土曜休日N75運用、所定は『MSE』の運用)が海老名検車区で予備留置となっていた『EXE/EXEα』4両編成で運用され、30052Fが使用されました。この代走運転は相方の30252Fが踏切事故(後述)に巻き込まれた8月以降も行われ、こちらは平日の一部運用にも使用されました。

【1月】東日本旅客鉄道E233系7000番台増備車が総合車両製作所横浜事業所を新製出場▲相模鉄道直通向けにE233系7000番台が増備された。既存車とは異なり全車両に車内防犯カメラが千鳥配置で設置された。


昨年12月の相模鉄道12000系の登場に続き、今度はE233系7000番台が宮ハエ131編成以来となる増備。全車両に車内防犯カメラが設置されており、1号車の『防犯カメラ作動中』のステッカーが省略されています。これは後述する相模鉄道との相互直通運転に向けて増備されたもので、合計70両(7編成)が出場しました。

【2月】東京地下鉄2000系が丸ノ内線でデビュー▲丸ノ内線の02系の後継となる2000系、ヘッドマークはないものの満を持してデビュー。短期間ではあったが新宿(M-08)発着の列車にも使用された。


丸の内線では2000系2101Fがデビュー。日本車両製造豊川製作所で製造され、丸ノ内線の象徴であるサインウェーブを復活させたほか、車端部の丸い窓、地下鉄車両で初めて普通車車内でのコンセント設置などが特徴です。この系列では自動放送の英語放送担当が変更されています。12月28日時点ではすでに6両16編成が登場しており、今後も02系の置き換えが進められます。

【2月】小田急電鉄3000形に3色LED式とフルカラーLED式混在の3083Fが登場▲この編成は改造種車が6次車の元3663Fのため、2号車・3号車がフルカラーLED式でそれ以外は3色LED式となっており、この後登場した3086F・3087Fも同様である。


昨年から3000形8両固定編成を10両固定編成化する動きが出ており、このときは元3665Fを改造した3081Fが登場しましたが、今年は元3664Fを改造した3082Fと元3663Fを改造した3083Fが登場。3082Fは改造種車が7次車の元3664Fのため全ての車両がフルカラーLED式ですが、次の3083Fでは6次車の元3663Fを改造したため、今後登場する3085F(種車は現在の3661F)のほかに、3084F(元3662F)・3086F(元3660F)・3087F(元3659F)で種別行先案内表示器が3色LED式とフルカラーLED式が混在する形となっています。

【3月】西武鉄道新型特急001系“Laview”デビュー▲10000系の後継車種、001系“Laview”が営業運転を開始。この系列では自動放送の担当が変更されている。10000系は廃車が進行しており、南入曽車両基地所属の10104Fも対象とされ、その穴埋めで10111Fが小手指車両基地から南入曽車両基地に転属している。


3月からは西武鉄道の新型特急、001系“Laview”が『ちちぶ5号』から営業運転を開始。この直前の『むさし64号』が10000系10105Fの『レッドアロークラシック』での運用だったということで、世代交代を感じさせました。トップナンバーは001-A1Fとされており、自動放送の担当が変更されています。なおこの系列の投入に伴い10000系10103F・10104F・10107Fの3編成が廃車されています(2019年12月20日時点)。廃車となった3編成のうち10104Fのみ南入曽車両基地所属のため、穴埋めで小手指車両基地から10111Fが転属して新宿線で運用されています。

【3月】2019年ダイヤ改正で東日本旅客鉄道の『中央ライナー』『青梅ライナー』が消滅、全席座席指定制の特急『はちおうじ』『おうめ』『富士回遊』が登場▲中央本線の特急列車がE353系に統一され、ライナー列車に代わり、特急『はちおうじ』と特急『おうめ』が登場。ライナーから特急に格上げされたため、基本的に指定席特急券がないと乗車はできない。


3月は毎年恒例のダイヤ改正の話題。東日本旅客鉄道ではE257系0番台が中央本線系統での定期特急運用を終了し、すべてE353系(9両20編成・3両11編成)に統一されました。なお同系列で運転されていた『スーパーあずさ』の愛称を無くして『あずさ』とし、『かいじ』や後述の新設列車とともに全列車が指定席に変更され(座席未指定券があればランプで確認して赤色の空席にのみ着席できる)、新たに平日運転のライナー的な役割を果たす特急『はちおうじ』『おうめ』と毎日運転の富士急行直通特急『富士回遊』が運転を開始。E257系0番台の定期特急列車充当と同系列500番台を使用した『ホリデー快速富士山』の運転が終了しました。なお臨時増発運転の特急『富士回遊』にはE257系500番台が充当されています。またこの時期に常磐緩行線から撤退した209系1000番台(八トタ81編成・八トタ82編成)がいずれも中央線で運用を開始しており、車椅子対応大形洋式トイレの設置工事が進むE233系0番台に混ざって運用されています。


4月は新型車両の登場やデビュー、車両の引退などが続々ありましたが、その中でも私がこれは一番気になったというものを紹介します。


【4月】東京急行電鉄目黒線向け3020系が登場▲田園都市線の2020系や大井町線の6020系をベースに、ワンマン運転対応や転落防止幌の省略などの仕様で登場した目黒線向け3020系。全3編成とも新製当初から6両編成ではなく8両編成で落成した。6両編成での運用時には付随車2両のみを抜き取っている。


4月には目黒線向けに使用される3020系が出場。ベースは2020系や6020系ですが、目黒線や直通路線の東京地下鉄南北線・東京都交通局三田線・埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線にホームドアが設置されているため、ワンマン運転対応や転落防止幌の未設置で落成。のちに発表された目黒線の8両編成化を見据えて当初から8両編成で落成し、6両編成での運用時には付随車2両を抜き取っています。付随車は8両編成化が始まる2022年からふたたび組み込まれるものとみられます。

【4月】相模鉄道12000系がデビュー▲東日本旅客鉄道埼京線との相互直通運転向けに製造された12000系がデビュー。車体はすべて“YOKOHAMA NAVYBLUE”に塗装されているが、制御装置やパンタグラフの搭載位置などE233系7000番台と合わせられているところがある。


4月には相模鉄道の新型車両12000系12101Fが自社線内での営業運転を開始。この系列では全車両に車椅子兼ベビーカースペースを兼ねたフリースペース、一部の座席の座高が高いユニバーサルデザインシートを車端部の優先席の一部と車端部の一般座席の一部に設けたほか、千鳥配置で車内防犯カメラを設置しました。直通運転先の路線に合わせて制御装置は11000系やE233系に合わせられており、パンタグラフはE233系7000番台で例えるとモハE233形7000番台にあたる5号車を予備パンタグラフを設置したダブルパンタグラフ搭載としています。この系列は後述する11月30日より新横浜線と直通運転先の東日本旅客鉄道埼京線でも運用を開始しました。

【4月】小田急電鉄3000形3651F(日本車両製造3次車)が営業運転に復帰!▲ボクシングジムの火災で被災した3000形3651Fが復活を果たした。屋根焼損となったデハ3601の屋根がきれいになったが、車内にも少々手が加えられており、旅客用扉付近の床面に警戒色が追加されている。


4月には小田急電鉄3000形3651F(日本車両製造6次車)が約1年7ヶ月ぶりに営業運転に復帰した話題がありました。2017年9月のボクシングジムの火災で同編成が巻き込まれ、デハ3601の屋根に燃え移り、運用を離脱し、2018年9月から同編成の生まれ故郷の日本車両製造豊川製作所で屋根の修理が行われていました。入場前は種別行先案内表示器のROM更新が行われていなかったため、運用復帰前にはROM更新も実施されました。

2019年5月は元号が『平成(31年)』から『令和(元年)』となりましたね。

【5月】相模鉄道7700系7710Fが10両固定編成に組成されて営業運転▲相模鉄道7000系7710Fのうち先頭改造の中間車1両を抜き取り、7712Fから中間車のみの3両を組み込み10両固定編成化されて運用された。本来はゴールデンウィーク期間中のみの予定だったが、それ以降も平日の一部運用に10両編成のまま投入された。


相模鉄道では7000系7710Fの前面部の“SOTETSU”ロゴと先頭の転落防止幌の台座を撤去、先頭車から改造された中間車1両を抜き取り、7712Fから純粋な中間車3両を組み込み10両編成で運用され、40番・50番・60番の運用に投入されました。本来はゴールデンウィーク期間のみの予定でしたが、それ以降の平日の10番運用にも10両編成のまま運用されていました。このあと中間車3両を提供した7712Fは廃車となり、7710Fは最後の展示となる直前まで運用されていました。

【5月】小田急電鉄『ファミリー鉄道展2019』展示のロマンスカー『SE』3000形3021Fが中間車解体のため回送される▲保存車両で最多両数を誇る最古参ロマンスカー『SE』3000形3021Fもついに中間車2両が解体となった。ロマンスカーミュージアムには3両が展示へ。


5月には小田急電鉄の『ファミリー鉄道展2019』が開催。本来は10月中旬あたりに開催されるものですが、2019年は5月に開催されました。このときは保存車両の中間車解体の関係でそれが控えていた最古参のロマンスカー『SE』3000形3021Fと最新型『GSE』70000形が展示されました。このあと前者は海老名検車区から大野総合車両所に1000形1253Fの牽引によって回送され、デハ3023とデハ3024が解体となりました。なお現在は3021Fのうち残った3両が大野総合車両所でお色直し中と思われ、通勤形の保存車両が海老名検車区西側の保管庫で保存されています。

【5月】東日本旅客鉄道E233系0番台の4号車にトイレ設置▲E233系0番台に設置された車椅子対応大形洋式トイレ。優先席を撤去し(当該の優先席は7人掛け座席の一部に移設した)、車椅子兼ベビーカースペースとともに設置された。車内のトイレはE233系3000番台と同じものが設置されているが、当面は使用できないようになっている。もともと座席の部分だったため側面窓は埋められている。


5月にはE233系0番台に車内トイレを設置した編成が登場。10両固定編成のT編成の場合はあえて付随車のサハE233形500番台に設置して6号車から4号車に変更し、そして電動車1ユニットの号車をひとつずらして編成を組み換えています。このためにトイレ設置編成は4号車が付随車、5号車と6号車が電動車となっています。10両分割編成のH編成の場合は付随車がないため4号車のモハE233形200番台に設置し、ハイフン以下を600追加した800番台としています。

6月は事故が多発。横浜新都市交通シーサイドライン2000系2411Fの逆走事故、横浜市交通局ブルーライン3000形3531Fの脱線事故、小田急電鉄8000形8264Fの乗用車との衝突事故などがありましたが…。

【6月】東日本旅客鉄道横須賀線開業130周年▲横須賀線開業120周年のときはヘッドマークであったが、開業130周年はステッカーのみと寂しい限り。『130』にちなんでE217系横クラY-130編成に記念ステッカーが掲出されたほか、吊革には歴代車両のデザインと今度登場するE235系のデザインの装飾が。


6月には東日本旅客鉄道横須賀線が開業130周年となったのを記念して、『130』にちなみ横クラY-130編成に記念ステッカーを掲出して運用されました。このときはハート形の吊革が混ざっていたり、吊革に歴代車両のデザインが入った装飾がなされました。開業130周年のステッカー掲出初日と2日目はいずれも逗子(JO-06)~久里浜(JO-01)を往復するだけの運用でした。

【6月】京浜急行電鉄の“ダルマ”こと800形が引退▲京浜急行電鉄の“ダルマ”こと800形。最後まで残ったのは同形式リバイバル塗装の823編成であった。4扉車で片開きという特徴をもつ800形が引退したのが6月だった。


6月には京浜急行電鉄800形823編成(リバイバル塗装車)が引退しました。“ダルマ”という愛称で親しまれた同形式は唯一の4扉車でかつ片開きの車両でした。これで京浜急行電鉄の車両は1500形の大師線で主に使用される一部編成を除いて、VVVFインバータ制御車両となっています。このときは『ホリデー・ウィング』の前の練習撮影で偶然来てくれたのが嬉しかったなぁ。

【7月】小田急電鉄ロマンスカー『EXE』30000形30056F+30256Fがリニューアル入場▲日本車両製造豊川製作所ではなく川崎重工業兵庫工場にて製造された30056F+30256Fが日本車両製造豊川製作所にてリニューアル更新工事を受けることに。


7月にはロマンスカー『EXE』の4編成目のリニューアル施工となる30056F+30256Fが日本車両製造豊川製作所に入場しました。この編成は30057F+30257Fとともに川崎重工業兵庫工場で製造された編成であり、リニューアル後は車内の銘板が『日本車両』に交換されるため注意が必要です。これで偶数編成はすべてリニューアル更新工事を受けることになります。同編成の入場前には30055F+30255Fが重要部検査のみを通しており、前回と同様に飛ばされて30056F+30256Fが対象となった形です。

【7月】西武鉄道10000系10103F・東京急行電鉄8500系8642Fが廃車に▲ついにニューレッドアローの10000系に廃車が出た。しかも『プラチナム・エクスプレス秩父』のラッピングを施されたままの10103Fからだった。▲同時期には田園都市線のレア車両で8500系唯一のVVVFインバータ試験車が2020系に置き換えられ廃車に。


7月には西武鉄道10000系で初の廃車が発生。最初に廃車となったのは小手指車両基地所属の10103Fですが、その次はなんと南入曽車両基地所属の10104F。同編成の廃車除籍に伴う穴埋めとして小手指車両基地から10111Fを転配させて運用させています。小手指車両基地所属の編成はもちろんですが、残る南入曽車両基地所属の編成も油断ならない状況です。また東京急行電鉄田園都市線の主力車両である8500系のラストナンバーで制御装置試験車となっていた8642F(サークルK編成)が2020系に置き換えられて廃車となりました。この編成は私が大学時代にたまに乗車していた編成で日立製作所製のGTO素子VVVFインバータ制御の試験搭載が行われていました。過渡期のバージョンと後期型のバージョンがあり、私はどちらかというと後期型のほうが好みでした。

【8月】箱根登山鉄道モハ1形モハ103号車+モハ107号車が営業運転を終える▲箱根登山鉄道で最後の吊り掛け駆動方式のモハ103+モハ107がラストラン。このうちモハ107は鈴廣蒲鉾本店にて保存されており、カフェとして活用されている。


8月には箱根登山鉄道を駆け抜けたモハ1形の2両固定編成であるモハ103+モハ107が運用を終了し引退した話題。モハ107は鈴廣蒲鉾本店に搬入されてカフェとして活用されており、人気スポットとなっています。これは3000形“ALLEGRA”の増備で前照灯LED化など一部で仕様が変更されたクモハ3003とクモハ3004が投入されたことに伴うものです。

【8月】小田急電鉄ロマンスカー『EXE/EXEα』30000形の踏切事故で車種変更が発生▲踏切事故に巻き込まれた『EXEα』の30000形30252F。修理の関係で運用を離脱したため一部運用を他形式が代走した。この編成は10月18日の平日N41N61運用で復帰した。▲相方の30052Fも平日のN43N63運用に、土曜休日のN75運用に使用された。このため4両編成では珍しく箱根登山鉄道にも入線している。


8月にはロマンスカー『EXEα』30000形30252Fが踏切事故に巻き込まれたことにより急遽車種変更が発生したという事例。このときは予備留置だったロマンスカー『VSE』50000形を活用して代走運転が実施されました。30052Fは事故直後は定期運用に入っていませんでしたが、土曜休日にN75運用、平日の一部でN43N63運用に充当されるなど、単独ながらも奮闘して運用に入っていました。1月にも別の理由で4両編成での単独運用があったので、予備の少ないロマンスカーの車種のやりくりも大変そうでしたね…。

【9月】東日本旅客鉄道651系0番台水カツK103編成が廃車除籍に▲常磐線特急列車としての役目を終えた後も波動用として活躍していた651系0番台水カツK103編成、ついに廃車除籍となった。


9月には首都圏エリアの波動輸送で活躍していた651系0番台水カツK103編成が廃車除籍とされた話題。水カツK105編成が廃車となってからは同編成が0番台の7両編成で最後の編成となっていました。このときは新潟車両センターから勝田車両センターにE653系1000番台水カツK70編成(国鉄特急形塗装:元新ニイU-108編成)が転入してきたために置き換えられた形です。ただE653系からすると勝田車両センターは0番台から1000番台への転用前に配置されていた場所でもあるので、『古巣復帰』ともいえますね。

【9月】京浜急行電鉄新1000形1137編成が踏切事故に巻き込まれ大破▲神奈川新町(KK-35)での踏切事故に巻き込まれ大破した新1000形1137編成。2010年に登場した編成だが、スカートなどデハ1137を中心に損傷が激しいことから廃車は免れないのだろうか。


9月には京浜急行電鉄本線の神奈川新町の踏切で新1000形1137編成(8両固定編成)が快特で運用中にトラックと衝突、脱線し大破する事故が起きました。このときはトラックから出火したため、周辺は騒然となり、本線の横浜(KK-37)~京急川崎(KK-20)間が長期間不通となり、大混乱が起きました。当時私は京浜急行電鉄を使っていませんでしたが、被災した1137編成の動向が気になります。2010年に製造された10次車の同編成の状況次第では廃車ということも考えられます。

【10月】小田急電鉄8000形8255Fが江ノ島線開業90周年記念ラッピング電車に
▲江ノ島線開業90周年記念ラッピングに貴重なチョッパ制御更新車の8000形8255Fが選出され単独で運用された。しかし実際は小田原線や多摩線での運用が多かった。


10月には江ノ島線開業90周年を記念したラッピング電車が運転を開始しましたね。しかし運用初日からいきなり江ノ島線に入らない平日A12運用から入り、その2日後にはようやく江ノ島線の運用に入ったようです。私としては主に小田原線新松田(OH41)~小田原(OH47)間や多摩線を往復する中心の運用が多かった印象です。もう少し8255Fの運用をやりくりしてやる必要があったのではとも思いました。

【10月】小田急電鉄4000形4066Fの地下鉄直通運用が解禁に▲東京地下鉄千代田線についに進出した4000形ラストナンバーである4066F。このときはデビューから2年7ヶ月が経過していた。


東京地下鉄千代田線直通運用に4000形4066Fが初めて充当されたのがこの月でした。初日は平日C12運用に入り、常磐緩行線へも直通しました。これをきっかけに地上運用だけでなく地下鉄直通運用(基本は10両編成のC運用、これは4000形の固定運用)にも時々入っています。ここ最近はまた地上運用(10両編成のE運用)が多いですが…。

【10月】相模鉄道10000系10701F、東日本旅客鉄道長野総合車両センターに入場▲相模鉄道を離れ、電気機関車に牽引されてはるばる信州に現れた10000系10701F。その目的とは…。


相模鉄道10000系10701Fが長野総合車両センターに入場したのがこの時期でした。このときは制御装置の更新工事が目的と思われていますが、思ったよりも入場期間が長いため、制御装置更新を含めた大規模更新工事が行われているのでしょうか。もしかしたら8000系や10000系、11000系の塗装変更もありうるかもしれません。

【11月】小田急電鉄5000形5051F(2代目・10両固定編成)が登場▲主力車両だった初代5000形とは異なり、当初から10両固定編成となった2代目5000形。この形式は6編成が登場する。1000形ワイドドア車と同数のため、その車両を置き換える可能性がある。


11月には小田急電鉄の2代目5000形5051Fが川崎重工業兵庫工場を新製出場し、海老名検車区に納入された話題。当初から10両固定編成となっているほか、車内防犯カメラの設置や全車両への車椅子兼ベビーカースペース設置などが特筆されます。電動車と付随車の比率は5M5Tとなっており、2編成が総合車両製作所横浜事業所、5051Fを含む4編成が川崎重工業兵庫工場で製造されます。2020年3月のダイヤ改正の前後で運用を開始するでしょうか。

【11月】相模鉄道と東日本旅客鉄道埼京線の相互直通運転が開始▲11月30日の新横浜線一部区間の開業に伴って東日本旅客鉄道埼京線方面と東京急行電鉄東横線・目黒線方面との分岐駅として設置された羽沢横浜国大(SO-51)が開業。おもに相模鉄道が駅を管理する東日本旅客鉄道との境界駅となっている。▲相模鉄道本線にE233系7000番台(宮ハエ)、埼京線・川越線に12000系がそれぞれ乗り入れを開始。ダイヤ乱れの状況次第ではE233系7000番台が本線・いずみ野線内運用、12000系が埼京線・川越線内運用に入ることもある。ただし12000系の東京臨海高速鉄道りんかい線への乗り入れはない。


11月30日は私も非常に注目を集めた話題。関東の大手私鉄で唯一都心方面に乗り入れていなかった相模鉄道が東日本旅客鉄道埼京線との相互直通運転を開始し、都心方面に乗り入れを開始。これに伴って両者をつなぐ新横浜線の一部区間(西谷[SO-08]~羽沢横浜国大)が開業しました。羽沢横浜国大を発車すると分岐して外側に出ると貨物線および武蔵小杉(JO-15,JS-15)方面へ繋がり、内側に出ると現在も工事が進む新横浜(JH-16)方面へそれぞれ繋がります。現在の日中時間帯は1時間に3本(約20分に1本)ですが、これは東京急行電鉄方面への直通列車の本数確保の意味合いもありそうですね。なお12000系の運用は70番代で横浜(SO-01)発着・湘南台(SO-37)発着の運用も設定されているほか、E233系7000番台の運用はかしわ台車両センターや相模大塚(SO-15)近接の留置線などから出庫となる80番代と川越車両センターなどから出庫となる90番代に分類されており、基本的に新宿(JA-11,JS-20)以北に直通する列車はすべてE233系7000番台ですが、ダイヤ乱れの場合はその限りではないので要注意。相模鉄道側では『通勤急行』『通勤特急』(通勤特急はいずみ野線のみ)の設定やいずみ野線の『特急』運転の取りやめ、朝ラッシュ時間帯の本線の海老名(SO-18)発着の各駅停車の設定、女性専用車の設定変更などがあります。またこのタイミングで相模鉄道線内での駅ナンバリング放送も始まりましたね。

【12月】箱根登山鉄道鋼索線ケーブルカーが引退


12月には箱根登山鉄道の強羅(OH57)~早雲山(OH62)間のケーブルカーが運用を終了しました。これは2021年までに行われる設備更新工事のためで、車両も更新される予定です。現在は台風19号上陸による被害のため箱根登山鉄道箱根湯本(OH51)~強羅間が運転を見合わせているため、当面は箱根湯本から早雲山までは箱根登山鉄道バスによる代行輸送がメインとなっています。令和最初の箱根駅伝が控える中ですから、芦ノ湖方面に行くのは現時点で箱根登山鉄道のバスのみですから、代行バスの準備も大変そうです…。

【12月】東日本旅客鉄道山手線向けE235系0番台ラストナンバーが登場
▲2015年の量産先行車の登場から約4年、ついにE235系0番台全50編成の製造が完了した。ただし10号車の付随車がサハE235形500番台として製造された編成が2本いるため、山手線向けの製造数は502両となっている。


12月には東日本旅客鉄道山手線のE235系0番台のラストとなる東トウ50編成が出場したのがこの月でした。製造両数は502両で、端数の2両は東トウ04編成・東トウ05編成の10号車を新製したことによるものです。E231系500番台から転用する10号車の改造やその時期が追いつかなかったためか、その2編成のみ新製サハE235形500番台として組み込まれています。山手線向け同系列の製造はこれで終了ですが、今後は鎌倉車両センター向けの配置となる横須賀線・総武快速線向けの製造が進みそうです。E217系と異なりすべてロングシートとなるほか、E235系で初のグリーン車(サロE234形・サロE235形)も組み込まれるため、グリーン車を横浜事業所で製造して普通車を新津事業所で製造することも考えられます。ただ回送経路などは横浜事業所のほうが圧倒的に近いので、普通車・グリーン車ともに横浜事業所で製造する可能性もありそうです。E235系のグリーン車はE233系3000番台をベースとするかもしれませんね。

2019年の分は以上になります。2020年は東日本旅客鉄道で初めて公募により決まった新駅の高輪ゲートウェイ(JY-26,JK-21)の開業が控えるほか、中央線などで輸送体系の変化が予定されています。また東京五輪も控え、鉄道輸送の時間帯が拡大するなど、2020年も鉄道の動きは止まりそうにありませんね。それではよいお年をお迎えください。