2016年10月31日から11月1日にかけて、日本車両製造豊川製作所を出場した小田急電鉄ロマンスカー『EXE α(エクセ アルファ)』の第1弾となる30000形30251Fの甲種輸送が実施されました。
▲[イメージ]現在のロマンスカーEXE30000形の姿。里帰り先でリニューアル更新工事を受けたトップナンバーの30251Fがリニューアル車の『EXE α』として生まれ変わって出場した。『EXE α』のデザイン設計はロマンスカーVSE50000形以降を担当した建築家の岡部憲明氏によるものである。
▲[イメージ]現在のロマンスカーEXE30000形の東芝製IGBT素子VVVFインバータ制御装置(写真は2号車と8号車に搭載されているもの)。今後はリニューアルとともに三菱電機製のSiC素子のものに更新される。小田急電鉄の車両でSiC素子が採用されるのは8000形8059F・8061Fと1000形リニューアル車に続いて3形式目となる。
甲種輸送の都合上でスカートは取り外された状態で輸送されました。改造内容としては制御装置が新しいものに交換されており、東芝製IGBT素子VVVFインバータ制御から三菱電機製SiC素子VVVFインバータ制御に変更されているほか、旅客用扉は窓枠が角ばったものに交換され、号車表示は車体側面に大きく2桁の数字(前6両なので『01』~『06』、ちなみに後4両は『07』~『10』)で表記されているほか、車体側面部には“ODAKYU-SUPER EXPRESS・30000”と“ROMANCECAR EXE α”の表記が確認できるほか、前照灯は従来のシールドビーム式から改造後はLED式に交換されています。なお側面の“odakyu”ロゴマークは海側では現時点で1号車のクハ30551のみで確認されています。今後は『EXE α』に生まれ変わった30051Fの甲種輸送も実施され、各単独編成での試運転や10両編成を組成した状態での試運転も行われることが予想されています。小田原線内は1000形に牽引されるかはわかりませんが、同形式がロマンスカーで唯一所属する海老名検車区ではなく大野総合車両所まで輸送されることが予想されます。ちなみに電動車と付随車の比率は製造時点より4M6T(実質は9号車のデハ30000形が0.5Mなので、厳密には3.5M6.5T)となっており、付随車の4号車サハ30351の車番は変更されませんでしたが、3号車サハ30451から『30401』に改番されており、デハ30401(電動車)になったものと思われます。そのため電動車と付随車の比率は5M5Tになりそうな予感がします(9号車次第だが4.5M4.5Tか5M5Tではないかと)。
今回はロマンスカーで初めて制御装置が交換されたことから、性能確認や制御装置の試験を含め運用開始の2017年3月までに運用範囲となっている小田原線・江ノ島線全線と箱根登山鉄道線の小田原(OH47)~箱根湯本(OH51)で長期間にわたって試運転を行うものと予想されます。場合によっては定期運用の無くなった多摩線内での試運転も考えられますね。いずれにせよリニューアルされた30051Fと30251Fの実車を見てみたいものです。
※追記:3号車は車番が変わっており、サハ30451から『30401』になっていますので、今更ながら訂正させていただきます。