2016年10月20日

【大注目】小田急電鉄ロマンスカーEXE30000形リニューアルと新型車両『70000形』を製造を発表

2016年10月20日、小田急電鉄が今年3月で就役20周年を迎えたロマンスカーEXE30000形のリニューアル更新工事および新型車両となる『70000形』の製造を発表しました。
▲(イメージ)リニューアルが発表されたロマンスカーEXE30000形。塗装がハーモニックパールブロンズからシルバーを基調としたものに変更されるほか、愛称が『EXE α』(エクセ アルファ)となる。

これは30051Fと30251Fがそれぞれ日本車両製造豊川製作所へ入場したことで注目を集めていたのですが、ようやくその詳細が明らかになったようです。それは30000形のリニューアル更新工事でした。塗装は従来のハーモニックパールブロンズからシルバー色を基調としたものに変更され、オレンジバーミリオンとホワイトのラインが入り、排除器周辺と側面ラインの下部はチョコレート色のような塗装になっています。制御装置は従来の東芝製IGBT素子から三菱製SiC素子に更新されています(東芝IGBT素子はリニューアルで聞き納めに)。内装も大きく変化し、座席やトイレの交換(和式から洋式に変更)の実施や訪日外国人に対応するために大型収納(ラゲージ)スペースの新設がなされるほか、防犯カメラや多目的室が新たに設置され、旅客用扉には新たにドアチャイム・ドアランプが設置されるなど、かなり大掛かりなリニューアル内容となっています。デザインは建築家の岡部憲明氏が担当しています。なおリニューアル後の同形式の新たな愛称として『EXE α』(エクセ アルファ)に変更され、“ROMANCECAR EXE α”というロゴが先頭車前面部と側面部に掲出されています。今年度はこの30051F+30251Fの10両1編成がリニューアル対象であることから、来年度以降はそれ以外の編成もリニューアルされるものと思われます。
▲(イメージ)他形式による代走時を除き、『スーパーはこね』の全列車に充当されているロマンスカーVSE50000形。新たに製造される『70000形』もスーパーはこねに使用される予定となっている。

またロマンスカーMSE60000形に続く新形式のロマンスカー『70000形』の製造が発表されました。ただし現時点で愛称は決まっていません。製造は日本車両製造豊川製作所で1編成あたりで7両となります(1編成あたりおよそ20億円)。1編成が7両のロマンスカーは2012年に引退したロマンスカーRSE20000形(現在は富士急行8000系電車)以来で約6年ぶりとなります。デザインはロマンスカーLSE7000形にロマンスカーVSE50000形のデザインを混ぜたような雰囲気で、ロマンスカーMSE60000形と同様に連接台車とはならないようです。2編成14両(予想:70001F・70002F)が導入され、2018年3月から営業運転を開始することとなっています。多目的室や大型収納スペースの設置(こちらは4号車を除く)や三菱製SiC素子の採用、ゆったりトイレ(洋式)や監視カメラ設置などが予定されています。

2018年3月の小田原線梅ヶ丘(OH09)~代々木上原(OH05)間の複々線化におけるダイヤ改正においてロマンスカーの列車増発などの一部詳細も同時に発表されており、平日の朝晩の列車増発(『さがみ』および『ホームウェイ』など)と土曜休日の『スーパーはこね』の所要時間短縮などが予定されています。また同年のダイヤ改正で小田原線内途中無停車の『スーパーはこね』はロマンスカーVSE50000形と新型の70000形で運転されるようです。

2018年の小田急電鉄に大きな注目が集まりそうですが、まずはロマンスカーEXE30000形のリニューアル車両である30051F+30251Fに注目したいものです。