2020年2月1日

【NRA池袋線撤退】西武鉄道が2020年3月14日実施のダイヤ改正の概要を発表

2020年1月29日、西武鉄道が同年3月14日実施のダイヤ改正の概要を発表しました。今回は【池袋線】【新宿線】に分けて紹介します。

【池袋線】
▲001系“Laview”が全7編成(001-A1F~001-G1F)揃ったことにより10000系“NRA”は池袋線から完全に撤退し、池袋線特急列車『ちちぶ』『むさし』などで石毛美奈子氏の自動放送は聞き納めに。写真左の10111Fは10104Fの廃車により穴埋めで小手指車両基地から南入曽車両基地に転配され、『小江戸』で運用されている。
▲40000系の転換クロスシート編成で運転されている『S-TRAIN』が平日下りのみ停車駅(降車専用駅)と終着駅が変更になる。回送区間を営業列車として活用する形だ。ただし指定席料金に変更はなく510円のままである。
▲東京地下鉄有楽町線直通列車(日中時間帯に毎時上下2本)の増発に伴い『Fライナー』を含む快速急行の停車駅が削られる。これにより速達性や利便性が向上する。
▲今回のダイヤ改正で土曜休日に運転されていた4000系の秩父鉄道直通の『快速急行』だが、運転区間が見直しとなり、飯能始発の秩父線直通の各駅停車となる。このため4000系の池袋乗り入れはなくなり、4009Fの『52席の至福』以外は飯能から山側の区間(すなわち西武秩父線)と乗り入れ先の秩父鉄道のみとなる。

池袋線では001系“Laview”の001-G1Fの新製出場による甲種輸送をもって全7編成(56両)が出揃ったことにより、小手指車両基地所属の10000系で運転されていた特急列車を001系に置き換え、池袋線系統の全特急列車(『ちちぶ』『むさし』『ドーム』)が001系での運転となります。これにより池袋線から10000系が撤退します。これにより同系列の廃車が進行することが予想されます。なお新宿線の『小江戸』は南入曽車両基地所属の10000系で運転が継続されますが、001系がさらに増備されるとなれば話は変わってきますね。

池袋線系統で40000系転換クロスシート車で運転されている『S-TRAIN』ですが、平日下りのみ停車駅(降車専用駅)と運転区間が変更されます。所沢(SI-17)行きから小手指(SI-19)行きに延長されます。そして下車専用駅として練馬(SI-06)、西所沢(SI-18)、小手指の3駅が追加されます。練馬を停車駅とすることで同駅で池袋(SI-01)からの各駅停車と接続し、中村橋(SI-07)・富士見台(SI-08)・練馬高野台(SI-09)方面へのアクセス向上を図るほか、保谷(SI-12)での各駅停車との接続でひばりが丘(SI-13)・清瀬(SI-15)・秋津(SI-16)方面へ、西所沢での狭山線西武球場前(SI-41)行き列車との接続で下山口(SI-40)・西武球場前方面へ、小手指で飯能(SI-26)行き列車との接続で狭山ヶ丘(SI-20)以西への『S-TRAIN』が通らない駅・通過する駅などへのアクセス向上を図ります。

【平日下りS-TRAIN】 ※停車駅変更後
101号…指1905←所1858←練1837←豊1800 103号…指2005←所1958←練1937←豊1900
105号…指2105←所2058←練2036←豊2000 107号…指2205←所2158←練2136←豊2100
109号…指2304←所2257←練2236←豊2200

また平日・土曜休日ともに日中時間帯に石神井公園(SI-10)発着の東京地下鉄有楽町線直通列車が毎時上下2本ずつ増発される(東京地下鉄有楽町線の運転間隔が約6分から約5分に変更される)ことに伴って『Fライナー』を含む快速急行の停車駅が変更され、新桜台(SI-38)は停車から通過に変更されます。このため新桜台から列車を利用される際、新桜台へ向かわれる際には十分ご注意を。また上り『Fライナー』を含めた快速急行については小手指で飯能からの各駅停車と接続することにより小手指以西の快速急行通過駅からの利便性向上を図ります。また夜の帰宅時間帯の小竹向原(SI-37)発の西武有楽町線・池袋線下り列車については増発や行先変更(運転区間延長)が実施され、運転間隔の平準化と小竹向原での乗り継ぎ時間を短縮します。

さらに池袋線の初電車の繰り上げを行い、池袋到着を早めることで東日本旅客鉄道山手線に乗り継ぎができるダイヤとします。また保谷始発で設定されていた上り池袋行き終電が石神井公園始発に変更されるため、保谷と大泉学園(SI-11)から池袋方面に向かう終電が約2分繰り上がります(両駅の終電は準急列車、石神井公園で各駅停車に接続)。保谷と大泉学園では上り終電の繰り上げに注意してください

そして土曜休日の朝夕に4000系2編成の8両編成で運転されていた秩父鉄道直通の快速急行の運転区間が見直しとなり、飯能発着になります。ただし同駅で池袋発着の急行や上りのみ『Fライナー』快速急行と接続することで西所沢以西の快速急行通過駅から長瀞・三峰口方面のアクセス向上を図るほか(横瀬[SI-35]まで8両編成で運転、乗車車両により行先が異なるので4000系の側面部の種別行先案内表示に注意)、長瀞行き列車については三峰口行き列車と切り離れたあとも『ちちぶ(5号・7号)』と接続を図ります。この運転区間の見直しにより4000系の池袋線および池袋への乗り入れが4009Fの『52席の至福』を除き原則なくなります

平日夕方の16時台の下り列車2本(各駅停車・準急)の行先を所沢から西武球場前に延長変更するほか(球1717←池1612・球1748←池1657)、小手指発の終電前の飯能行き列車を1本増発し(小手指行きからの延長)、利便性が向上します。

【新宿線】
▲新宿線では久米川(SS-20)の快速急行の通過反対騒動により2012年に一旦廃止となっていた快速急行が約8年ぶりに復活。土曜休日の『小江戸』川越観光に適した時間に下り2本が運転される。停車駅は2012年の廃止時と同じで久米川は通過となる。個人的予想としては2本とも40000系の運用になるものとみている。
▲101系で運転されている多摩湖線は大半が萩山(SS-30, ST-04)で分断される形で運転されているが、日中時間帯は約20分間隔で国分寺(SK-01, ST-01)~西武遊園地(ST-07)間を直通運転に変更することで萩山での乗り継ぎを解消させ、東日本旅客鉄道中央線からの西武園ゆうえんちへのアクセス向上を図る。

新宿線では2012年に廃止となっていた快速急行が復活。小江戸川越への観光のために設定され、西武新宿(SS-01)発本川越(SS-29)行きの下り2本が運転されます。停車駅は2012年の廃止時と同じで高田馬場(SS-02)・田無(SS-17)・東村山(SS-21)・所沢(SS-22)・新所沢(SS-24)~本川越間の各駅となっています。田無では先行していた急行列車(ただし田無から各駅停車となるため、案内上は各駅停車)との緩急接続(ただし実質は『急急接続』、その急行は田無の前の上石神井[SS-13]で各駅停車と接続)、新所沢では同駅終着の各駅停車から接続し、快速急行通過駅からの利便性も考慮されています。西武新宿から本川越へは快速急行で約50分となり、利便性・速達性が向上されます。急行よりも上位の種別であり、川越観光に適した時間帯での運転であるため、転換クロスシートをもつ40000系40105F・40106Fが運用されるものと予想しています。6000系6101F・6102Fが入ったら面白いですけどね。

平日夕方の18時~19時台、土曜休日19時~20時台は利用状況に応じた運転形態に変更・見直され、前者の時間帯は特急『小江戸』の後続列車を各駅停車から急行に変更、中井(SS-05)での準急以上の通過列車待ちの削減(鷺ノ宮[SS-09]での待避に変更)、田無止まりの準急を拝島(SS-36)まで延長するなど、混雑緩和と利便性向上を図ります。高田馬場ではホームの本川越寄りが特に混雑しやすいので注意です。後者の時間帯は列車が削減されるので注意してください。

平日の16時台に東村山での国分寺線列車の国分寺方面と西武園(SK-06)方面を発着するホームがまばらでしたが、それを統一し、国分寺方面は2番ホーム、西武園方面は3番ホームとすることで利便性が向上します。また夕方前の西武園16時41分発の国分寺行きは東村山行きとなり(国分寺線6873レ6876レの運転取りやめ)、西武園と国分寺を直通する列車は早朝のみとなります。

西武新宿では優等列車が3番ホーム、特急列車が2番ホーム(夕方以降は優等列車も)、各駅停車が1番ホームを使用して発着していますが、同駅7時40分以降から8時50分までの準急以上の列車の発着を2番ホームと3番ホームに変更し(ただし折り返し列車の発着ホームに注意)、最も混雑する時間帯のホーム上の混雑緩和を図ります。さらに土曜休日の国分寺9時台の多摩湖線の1本増発や新所沢21時台の新宿線下り1本の運転区間延長(新所沢行きから本川越行きに変更・5815レの行先延長)が予定されています。